2022年5月23日月曜日

政府/入契法適正化指針の一部変更決定、資材高騰を契約変更事項に

 政府は公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく適正化指針の一部変更を20日に閣議決定した。建設発生土の適正処理を含む災害対応力の強化やダンピング対策の徹底、建設キャリアアップシステム(CCUS)活用推進への方策を拡充。適切な契約変更が必要となる事例として資材などの著しい価格変動や納期遅延を明記し、受発注者間で適切な価格転嫁が行われるよう働き掛けを強める。=2面に関連記事
 国や地方自治体などの公共発注者は適正化指針に従って必要な措置を講じる努力義務を負う。3月の中央建設業審議会(中建審)で示した変更案をベースに内容を一部修正。国土交通省は総務省、財務省と共に、今回の変更で盛り込まれた事項について各発注者に対応を求める文書を近く送付する予定だ。
 斉藤鉄夫国交相は同日の閣議後会見で「建設資材などの価格高騰への対応として必要な契約変更を適切に実施すべきことについて明記した」と説明。資材高騰への対応策は中建審以降の情勢変化を踏まえ追加を判断した部分であり、公共発注者に早急な対応を促す。
 建設発生土関連では、設計図書に搬出先の情報を明示するよう明記。運搬と処分に要する費用を踏まえ適正な積算を行うべきだと明確化し、発注段階で搬出先の「指定利用」につなげる。大規模災害時の施工体制を確保する目的で、共同企業体の類型に「復旧・復興建設工事共同企業体(復旧・復興JV)」を追加した。
 ダンピング対策の理由として公共工事受注者が適正利潤を確保する必要性を明記。CCUSでは工事成績評定の加点措置など現場利用を推進する具体策を地域の実情に応じて講じることとした。

 □入契法に基づく適正化指針の変更のポイント
 1.復旧・復興JV、建設発生土の適正処理
 △大規模災害の被災地域で施工体制を確保するため、共同企業体の類型として復旧・復興JVを追記
 △建設発生土の適正処理の推進のため、
 ・設計図書に明示するなど関係者間で共有すべき情報の例示に建設発生土の搬出先に関する情報を明記
 ・予定価格の設定に当たり適正な積算を行うべきものの例示に建設発生土等の運搬・処分等に要する費用を明記
 2.適切な契約変更
 △契約変更の必要性が生じうる事情の例示に資材等の価格の著しい変動、納期遅れ等を明記
 3.その他
 △ダンピング対策の理由として、公共工事を実施する者の適正な利潤の確保について追記
 △ダンピング対策を徹底するため、低入札価格調査基準等を適正な水準で設定することについて追記
 △技能労働者の育成・確保に資する労働環境を整備するため、国・発注者によるCCUS活用促進の取り組みについて追記



source https://www.decn.co.jp/?p=142770

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