2022年5月17日火曜日

空調設備工事4社/22年3月期全社で増収、再開発や設備投資持ち直し

 空調設備工事上場会社4社の2022年3月期決算が16日に出そろった。大都市圏の再開発事業や製造業を中心とした設備投資が持ち直し、全社が増収となった。最大手の高砂熱学工業は前年同期を10・0%上回った。本業のもうけを示す営業利益は2社が増益となった。業績の先行指標となる受注高(単体ベース)も全社が増加した。
 連結売上高は全社が前期実績を上回った。大気社は環境システム事業で国内産業空調分野が減少したがフィリピンやインドなどで増加した。三機工業はビル空調衛生と環境システムの大型工事を中心に期首からの繰越工事が進行した。ダイダンは、産業施設工事で15年の開示以来過去最高となる696億円を記録した。海外工事も14年ぶりに100億円を超えた。空港や医療施設関連の大型工事、リニューアル工事の大・中規模案件が順調だった。
 本業のもうけを示す営業利益は大気社とダイダンが減少。ダイダンは受注競争の激化や資機材価格の高騰のほか、竣工を迎える物件が少なく完成工事総利益率が低下。減益となった。
 単体受注高は全社が増加した。高砂熱学工業は産業設備分野で18・4%増と全体を押し上げた。大気社は、タイで大型案件の受注があった反動で海外事業が減少したが国内産業空調分野がカバーした。三機工業は産業空調の半導体関連の受注回復や電気、環境システムの大型工事の受注を要因に前年度を上回った。ダイダンは、医療施設、首都圏の再開発案件、産業施設案件を中心に大型工事を受注した。半導体やECの需要拡大を受け、設備投資が回復し、特に大型工場、物流施設案件が好調だった。
 23年3月期は大気社、三機工業、ダイダンが増収増益を見込む。増収減益としたのは高砂熱学工業。資機材不足、資機材価格の高騰、工程の遅延、人材不足に伴う更なる労務費高騰などを理由に挙げた。中期経営計画(20~23年度)も取り下げ、計画を練り直すことを発表するなど今後の市場環境を慎重に見極めていく。



source https://www.decn.co.jp/?p=142618

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