斉藤鉄夫国土交通相は2日の閣議後会見で、新たなインフラメンテナンス政策の推進へ決意を新たにした。10年前の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を教訓に、ストックマネジメントの基本方針を事後保全から予防保全に転換。斉藤国交相は小規模な市町村を念頭に「予防保全という考え方を徹底していく」と表明。ハード・ソフト両面からきめ細かな支援策を展開していく方針だ。
斉藤国交相は笹子トンネル事故を振り返り「あのような痛ましい事故は二度と起こしてはならない、また忘れてはいけない」と強調。国交省として「事故の教訓を生かし強い決意をもって全国のインフラ老朽化対策に取り組む」と述べた。
国交省の審議会が斉藤国交相に同日手交した新たなインフラメンテナンス政策の提言では、予防保全管理への転換を全国に浸透させるため「地域インフラ群再生戦略マネジメント」と呼ぶ新しい方向性を提唱。複数の市町村にまたがる一定範囲内のストック全般を「群」と捉え一体的にマネジメントし、人口減少や高齢化の影響で予算や技術系職員が不足する市町村を補完。都道府県との連携を強化し、施設分野の枠も超えマネジメントする考え方になる。
斉藤国交相は笹子トンネル事故後の予防保全への転換状況について「小規模な自治体で不十分な状況が見受けられる。予算の面で追いついていない自治体もたくさんある」と指摘。その上で「限られた予算をどうやって有効に使い予防保全という方向に持って行くのか。最大限努力する」と述べた。
国交省は地域インフラ群再生戦略マネジメントの普及に向け、新たな支援策としてモデル地域の指定によって集中的な支援と水平展開を目指す。
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