国土交通省はBIMを活用した建築確認申請の実現へアクセルを踏む。関係団体らと連携する形でBIMを前提とした申請・審査のルール設定や関係法令の整理、システム開発などの環境整備を推進し、2025年度に試行を開始する目標を掲げた。その前段として一部の指定確認検査機関や地方自治体で対応している電子申請のさらなる普及に注力。同年度までに「くまなく電子申請ができるような環境整備を目指す」(宿本尚吾住宅局建築指導課長)と表明した。
学識者や申請者・審査者の関係団体で構成する「建築確認におけるBIM活用推進協議会」(国交省はオブザーバー参加)の検討内容をベースに、他団体とも連携しながら詳細を詰めていく方針だ。
現状ではBIMモデルを2D図面に落とし込んで審査する方法や、審査用ビューワーソフトの検討などが進行中。一部の先進的な試行事例もある。今後はより高度なBIMモデルを用いた審査や中間・完了検査の実現も視野に入れて環境整備を推進。申請者と審査者が同じ環境で確認できるCED(共通データ環境)の構築なども必要とされる。
国交省はBIM活用に踏み出す前に、CADやPDFの図面を用いた電子申請の普及を急ぐ。国交省の調べによると、21年9月時点で指定確認検査機関131機関のうち電子申請に対応するのは36機関。特に中小企業は対応できていないのが実態で、建築主事を置く自治体もごく一部しか受け付けていない。全体の申請件数のうち電子化の割合は20年度に15・9%だった。
国交省が設置する建築BIM推進会議の下部組織「建築BIM環境整備部会」が11月25日に開いた会合で宿本課長は、デジタル社会の実現を強力に推進する政府の動きに呼応し「5年以内にはBIMによる建築確認が部分的にスタートするような社会を目指す必要がある」と強調。まずは改正建築物省エネ法・改正建築基準法が全面施行する25年度をターゲットに、全国どこでも電子申請が可能になるような環境を整える考えを示した。
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