清水建設は化学製品の製造販売を手掛ける日本シーカ(東京都港区、番馬健一社長)と共同で、コンクリート表層の凝結遅延効果が72時間持続する打ち継ぎ面処理剤を開発した。両社が2020年に開発した凝結遅延剤に従前比3倍の遅延性能を付与し、打ち継ぎ面に形成される脆弱(ぜいじゃく)な層(レイタンス)の凝結を抑制。品質確保のため打設翌日に行うレイタンスの除去を3日後に延ばせ、休日の土日を挟んだ打ち継ぎ処理が可能になる。
共同開発した処理剤「ルガゾール-919UR」はアルカリ増粘剤を含有した凝結遅延剤。コンクリートの打設直後に散布しても成分が希釈、流出せず、余剰水の収束を待たずに散布できる。特定の噴霧器を使えば泡状にして散布が可能。視認性が高まり、経験が浅い作業員でもムラなく散布できるメリットがある。
凝結遅延効果の持続時間が24時間だった従来製品「ルガゾール-919」の凝結遅延成分(オキシカルボン塩酸)に、セメントへの吸着力と浸透力が異なる複数の配合成分をバランスよく付加し、遅延性能を3倍に向上させた。
従来は休前日にコンクリートを打設し処理剤を散布した場合、翌日にレイタンスが硬化するため、休日に打ち継ぎ処理を行う必要があった。建設現場で週休2日の推進が課題となる中、処理剤の凝結遅延効果を72時間に延ばすことで、金曜日に打設したコンクリートのレイタンスを土日を挟んだ月曜日に除去でき、働き方改革につながる。
日本シーカが製造を手掛け、10月に販売を始めた。18キロ入り1缶の価格は2万9000円。
source https://www.decn.co.jp/
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