大江戸線の新江古田駅や練馬駅の耐震補強に工事監督として携わっている。既設の柱に鋼材などを巻く工事で夜勤もこなす。乗客が整備の効果をすぐに実感することはほとんどない。だが「効果を意識しないくらい安全・安心を届けることが大事」と言い切る。
大学では土木工学を学んだ。民間企業でインターンシップ(就業体験)を重ねるうち「最終的に物事を決められる発注者として、人の役に立てる仕事をしたい」と思うようになり、公務員の道に進んだ。
技術職として入庁して16年目。下水道局に6年勤務した後、交通局に異動、設計業務を担当している。当時は技術職の女性が少なく、本当にやりたい仕事ができるのかと悩むこともあった。しかし「悩んでいても何も始まらない」と気持ちを切り替え、知識と経験を積もうと積極的に現場に足を運んだ。
異動して3年目の頃に都電荒川線の軌道移設工事で設計を任された。工事の制約が多く、どうしても始発電車を遅らせる必要があった。運行や営業など影響が出る部署と協議を重ねる中で「自分の考えや思いをぶつけるだけでは話は進まない」と実感。相手の立場を理解した上で何ができるのか考えることが重要だと感じた。
今後も育児と両立しながら「一つ一つ任されたことをやり通したい」と意気込む。これまでに培った知識や広い視野で安全・安心な暮らしを守る。
(くしま・みき)
source https://www.decn.co.jp/?p=148180
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