流域全体でハード・ソフト一体の水災害対策を推進する東北地方整備局の新組織「流域治水推進室」の出発式が16日、仙台市青葉区の合同庁舎で行われ、業務をスタートした=写真。多発する豪雨災害で地域をサポートし、課題を横断的に対応・解決していくことを確認。流域治水の取り組みでは、鳴瀬川水系吉田川、阿武隈川水系釈迦堂川の2河川で2023年に東北初の特定都市河川の指定を目指す計画を示した。
発足式には室長の斉藤喜浩河川調査官、副室長の能勢和彦都市調整官と川口滋地域河川調整官、大宮達徳用地調査官をはじめ河川、建政、用地の3部からオンラインを含め29人が参加。斉藤室長は「流域治水を進めるためには、地域の特性に応じた東北らしい氾濫リスク対策を考えていくことが重要だ。これまで以上に連携を深め、街づくりや生業も意識しながら、具体的な取り組みを積み重ねていきたい」と呼び掛けた。
初顔合わせで、流域治水の取り組み事例や特定都市河川浸水被害対策法などについて共有。自然災害に対応した安全な街づくりやグリーンインフラの施策も紹介した。今後、勉強会や現地視察で意識を高めるとともに、東北管内の各事務所や自治体と情報交換しながら連携を図ることを確認した。
東北整備局では12水系で、あらゆる関係者が協働して治水対策を進める「流域治水プロジェクト」を策定。このうち7水系で「緊急治水プロジェクト」が進行する。特定都市河川浸水被害対策法に基づき、21年11月の法改正で特定都市河川を全国の河川に拡大したことを受け、水害リスクを踏まえ流域の貯留・浸透機能の向上を図る。
19年の東日本台風で被害を受けた吉田川では流域治水部会を設置。釈迦堂川は流域水害対策検討会を設けた。集中豪雨などの度重なる洪水被害や地形などの特性を踏まえ流域治水対策を協議。いずれも23年の特定都市河川指定を予定する。
特定都市河川は2河川ともに、国土交通大臣が指定する。一定規模の開発事業や雨水浸透の阻害行為が許可制になる。
このほかの流域でも順次、特定都市河川の指定に向け取り組みを進めることとしている。
source https://www.decn.co.jp/?p=149523
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