文部科学省は、中央教育審議会(中教審、文科相の諮問機関)で2023年度から5カ年の「次期教育振興基本計画」を検討している。同計画では40年以降の経済や社会の在り方を見据えた教育政策の方向性や主要政策を提示する。コロナ禍で露呈したデジタル対応の遅れを受け、DXを教育や学習全体に組み込む方向だ。激変する国際情勢や国内の少子高齢化など、社会課題の解決に主体的に取り組む人材を育成。これらを通じ、政府が提唱する超スマート社会「ソサエティー5・0」の実現を目指す。=2面に関連記事
現行の「第3期教育振興基本計画」(18年6月15日閣議決定)では、地域間で格差が大きかった学校のICT環境の整備を加速し、教育内容の充実につなげるなど一定の成果を得た。一方で、新型コロナの影響により遠隔やオンラインでの教育が進展し、学習の在り方が大きく変わってきている。現行計画の成果や浮き彫りとなった課題を踏まえ、次期計画を検討していく。
22年12月12日に開かれた中教審の教育振興基本計画部会で、次期計画の「審議経過報告書素案」が示された。次期計画は中教審が年度内にも出す答申を踏まえ、今夏ごろにも閣議決定される見通しという。
素案によると次期計画では、将来予測が困難な時代の中でも、自らが「社会の創り手」として主体的に課題解決に取り組み、持続可能な社会を維持・発展させていく人材の育成に主眼を置く。実現に向けた基本方針や教育施策の目標を掲げる=図参照。
DXやGX(グリーントランスフォーメーション)、ウェルビーイングなどに対応する充実した教育や学習の実現には、それらを実施する場となる学校施設の安心・安全確保が前提となる。次期計画でも教育環境の充実と連動し、施設の長寿命化改修など老朽化対策の計画的な実施を目指す。体育館などの施設は災害時に地域の避難所として機能するため、防災機能の強化も必要になる。脱炭素化やバリアフリー化、地域との連携拠点といった観点での環境整備も求められる。
施策の進行を管理する「指標」の候補として、老朽化が著しい公立小中学校施設や教育研究活動に支障がある国立大学法人などの施設を対象とする老朽化対策の実施率向上、私立学校の耐震化状況などを挙げた。
source https://www.decn.co.jp/
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