国土交通省は担い手の確保などに課題を抱えるインフラの維持管理分野で今後必要とされる検討事項をまとめた。維持工事は1者応札が多い現状を踏まえ、企業が中長期的な視野で若手採用や資機材投資に取り組めるよう契約期間の長期化や、小規模であっても地域精通度が高い企業間の連携促進が必要と指摘。不調・不落が発生しやすい修繕工事ではフレームワーク方式など対策効果が高い発注方式の活用を拡大する方向性を提示した。
16日に開かれた有識者会議「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の「維持管理部会」で説明した。
将来的に維持管理・更新費が増大する中、維持・修繕工事の担い手不足が懸念される。国交省は1者応札率に地域差がある実態を示し、地域・現場条件への精通が求められる維持管理を長期にわたり継続していくには地域特性を踏まえた対応が必要と強調した。
会合では直轄の維持・修繕工事で試行している新たな発注方式として、▽長期性能保証▽性能規定方式▽修繕ECI▽設計工事連携型▽地域維持JV型▽事業協同組合型▽参加者確認型随契▽フレームワーク方式-の8類型を検証。不調・不落対策や受注者の工夫余地の拡大につながる効果を挙げつつ、維持工事で1者応札、修繕工事で不調・不落が多い状況に大きな変化がない現状にも触れた。
委員からは「どのような条件で各方式を活用するのか具体的に示していくことが重要」との指摘があり、より明確なルールづくりを今後の検討課題に据えることを確認。フレームワークや事業協同組合、地域維持JVなど企業グループを対象とする発注方式の拡大、複数年度契約の拡大といった方向性には建設業団体が賛意を示し、受注者がよりメリットを感じやすい枠組みの検討を求めた。
source https://www.decn.co.jp/
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