東京都千代田区の前田建設東京建築支店が、米国の健康建築性能評価制度「WELL認証(Ver・2 Pilot)」のゴールドレベルを取得した。老朽化が著しかった自社ビルをリニューアルし、内装や各種設備を一新。カフェスペースの設置や座席のフリーアドレス化により、生産性が上がる快適な職場環境を追求した。同社の技術や働き方を示すショールームとしても活用していく。 所在地は九段北4の3の1。入居する一口坂中央ビルはSRC造地下1階地上8階建て。1988年5月に竣工し、築30年を過ぎた2019年に改修計画が持ち上がった。その後、新型コロナウイルス流行を受けた出社率低下など働き方の変化を踏まえて設計され、22年1月に完成した。今回取得したゴールドは最高位のプラチナに次ぐ格付けに当たる。 エントランスでは、同社の若手がデザインした天然スギ材による木質のアプローチが訪問客を出迎える。植物に囲まれた自然を感じられる1階ロビーには、同社が日機装と共同開発した深紫外線(UV)除菌システムを設置している。 座席は支店長室と受付を除き、全てフリーアドレス化して約3割削減。4フロア分あった執務面積を3フロア分に圧縮した。創出した6階の空間にカフェスペースや健康関連書籍などを読める図書コーナーを設け、職員が仕事の合間にリフレッシュできる。座席予約システムも構築し、特に若い世代から好評という。 職員の階段利用を誘発するため、壁の模様は下階に行くほど緑色が濃くなるデザインだ。自動販売機や社員食堂のメニューには糖質量などを表示し健康意識を促す。空調設備も刷新し各階ごとに調節可能にした。 断熱性能が高い窓ガラスに変えるなど環境負荷に配慮した設備を各所に採用し、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Readyを取得している。 設備設計などを担当した建築事業本部設計戦略部CSV・DX推進グループの久保俊輔チーフエンジニアは「WELL認証は建築部門だけでなく、ソフト面も含めて成り立つ指標だ。総務関係など支店を巻き込んで実現した」と施策のポイントを述べた。
フリーアドレス化で生まれた空間を活用したカフェスペース植物を配置した1階ロビー
source https://www.decn.co.jp/
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