2023年1月13日金曜日

鹿島/コンクリ自動吹き付けシステムを実トンネルに初適用、誤差20ミリ確認

鹿島は山岳トンネル工事の吹き付けコンクリートを自動施工するシステムを実トンネルに初めて適用した。複雑な凹凸のある岩盤面をスキャニングし形状を把握した上で、凹凸の段差部の大きさに合わせて吹き付け計画を作成。自動吹き付け機の制御プログラムにインプットし作業を行った。仕上がり面の誤差をプラスマイナス20ミリに抑え、高精度で平滑にコンクリートを自動吹き付けできることを確認した。
自動吹き付けシステムは、鹿島が進める次世代の山岳トンネル自動化施工システム「クワッドアクセル・フォー・トンネル」の構成技術の一つ。2021年6月に静岡県の模擬トンネルで実施した実験では、吹き付け厚を計画通りに仕上げられることを確認した。今回は神岡鉱業(岐阜県飛騨市、岡田洋一社長)が飛騨市内に所有する試験坑道に自動吹き付けシステムを適用。模擬トンネルでは再現できなかった凹凸のある地山で仕上がり精度を確保する技術実証を行った。
吹き付け計画では、対象面の形状を基に吹き付け作業に最適な小ブロックに分割し、ブロックごとに吹き付けノズルの移動速度やノズル角度、吹き付け回数を設定した。計画を自動吹き付け機の制御プログラムに付加することで精度の高い吹き付けを実現した。
鹿島は今後、吹き付けコンクリートが付着しづらい脆弱(ぜいじゃく)な部位や局所的な湧水が発生している部位など、特殊な地山条件への対応に加え、実工事に向けた吹き付け方法のさらなるブラッシュアップを図る。山岳トンネル工事の掘削作業に求められる安全性と生産性の向上を目指し、クワッドアクセル・フォー・トンネルの施工ステップの自動化開発を進める。
吹き付け作業は確実な吹き付け厚の確保や仕上がりの平滑性が求められる。技術者の技量によって作業時間や品質に大きな差が生じる課題があった。

実トンネルでの自動吹き付け機による施工(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

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