国土交通省は公共事業で活用されているCM(コンストラクションマネジメント)方式の実態調査を行った。関係業界団体に2021年度まで累計で受注したピュア型CM業務を聞いたところ、建築事業で21社・340件、土木事業で26社・180件の計47社・520件の実績があった。ここ数年、建築は小規模案件、土木は災害復旧以外の新設・維持案件で活用が広がっている。国交省は技術職員が少ない地方自治体などのマンパワー不足を補完する有効な仕組みとして引き続き活用を促していく。
建築は日本コンストラクション・マネジメント協会、土木は建設コンサルタンツ協会の加盟企業に受注実績を聴取。いずれも公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)改正でCM方式が位置付けられた14年度以降、契約件数が大きく伸びている。過去3年は建築が19年度36件、20年度50件、21年度31件、土木は19年度10件(うち災害復旧3件)、20年度35件(15件)、21年度36件(20件)。
建築は庁舎や学校、病院の整備事業での活用が多い。市区町村の活用が5割を超え、発注自治体のうち人口10万人未満は3割、建築職員数10人以下は2割を占める。事業費30億円未満の小規模案件が増加傾向にあり、小規模自治体の庁舎建て替えなどに業務範囲が広がっているようだ。基本計画・基本設計など建築事業の上流段階からCM方式を導入した案件は8割で、複数年にまたがる業務も半数以上に達している。
都道府県発注が主体の土木は災害復旧で先行。ただ災害復旧で実績がなくても新設・維持で活用する地域が徐々に増えている。災害復旧で一度経験した自治体が、建築を含む他の事業で活用を繰り返すケースも多いという。国交省は自治体の契約担当者らが参加する会合などで調査結果を示しながらCM方式の有効性などを紹介していく方針だ。
source https://www.decn.co.jp/
0 comments :
コメントを投稿