2022年11月4~7日に東京都内で行われた「第60回技能五輪全国大会」の左官職種で金メダルに輝いた。入社3年目の快挙に「左官の仕事に性別やキャリアは関係ないと実感できた」と喜びをかみしめる。「応援してくれた皆さんのおかげで取れたメダル」と謙虚に捉えている。
建設業を営む祖父に憧れ職人の道に進んだ。阿久津左官店に入社してすぐに、阿久津一志社長に腕を見込まれ出場を薦められた。全国左官技能競技大会で3位となったことがある先輩職人の遠山雄太さんが指南役となり、特訓の日々が始まった。
競技は厚塗りや薄塗りなどの技術を駆使し、ボードにモチーフを描く。練習は「一度も納得いく仕上がりにならなかった」。前日まで完璧にこなせたことが突然できなくなり、ふがいなさに涙を流したときもあった。何度も諦めようと思ったが、そのたびに遠山さんが「大丈夫だよ」と声を掛けてくれた。「親身になって支えてくれた方々のためにも負けるわけにはいかない」。そんな心構えで本番に臨み、金賞を勝ち取った。
大会を終えて「社長や遠山さんがいなければ、今の自分はなかった」と振り返る。若手や女性職人がまだ少ない左官業界だが、「先輩方から教わったことを後輩に引き継ぐ。さまざまな世代に仕事の魅力を広められるようアプローチしたい」と未来に目を向ける。
(おそざわ・みやび)
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