2023年1月11日水曜日

兵庫県/津門川地下貯留管他整備シールドマシン発進、施工は大豊建設JV

兵庫県が発注した「二級河川東川水系津門川地下貯留管他整備工事」のシールドマシン発進式が9日、西宮市神祇官町の発進基地内で開かれた。豪雨による市街地の浸水被害を低減するため、東川水系津門川の下部約1・7キロに地下貯留管(内径4・9メートル)を整備する。施工を大豊建設・ソネック・田村組JVが担当。工期は2019年10月9日~24年3月25日。式典には県や西宮市、施工者、地元住民など関係者らが出席し、無事完成を祈願した。
津門川では1999年と13年に豪雨のため家屋の床上浸水やアンダーパスの冠水が発生。地下貯留管が完成すれば、豪雨発生時に上流部の流入施設を通し、最大約3万4000立方メートル(25メートルプール×56杯に相当)の雨水を貯留できる。流域の治水安全度が格段に向上する。
地下貯留管の南端に当たる発進立坑(放流施設)は21年8月~22年5月末に掘削を実施。酒造りに必要な地下水「宮水」に配慮するため、圧縮空気で地下水を浸入させないニューマチックケーソン工法を採用し、深さ41メートル(内径13メートル)まで掘り進めた。
神事は午前10時に始まり、兵庫県の秋山徹志阪神南県民センター長、大豊建設の浅田潤一常務執行役員大阪支店長と三野章生JV現場所長が発進スイッチを押し、掘進作業の安全を祈願した。
式典の後、報道関係者に発進立坑内で掘進を控えた泥土圧シールドマシン(径約5・5メートル)を公開。同日午後に地元住民向けの現場見学会も開かれた。
シールドマシンは上流方向に北上しながら1日平均約7メートルで掘進する。12月に流入施設となる立坑(深さ21メートル)のある門戸荘3に到達する予定。地下貯留管は付帯工事や試験などを経て、27年度に供用開始する。総事業費は約96億円。
県は将来的に貯留管を2・1キロ南伸することで、大阪湾に雨水を流すことを想定している。

左から浅田支店長、秋山センター長、三野所長
掘進を控えるシールドマシン
source https://www.decn.co.jp/

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