梓設計は社員同士のコミュニケーション強化や生産性向上を狙いに、新たなフリーアドレス制などを導入した。手掛けるプロジェクトごとに人が集まりやすい仕組みを取り入れた。特定の日に席をランダムに振り分ける試みも開始。他部署を含めた交流を促進するとともに、利用データや社員の意見などを吸い上げて、オフィスの在り方などの提案にも生かす。 同社は2017年から順次部門ごとのフリーアドレスを導入し、19年の本社移転を契機に全社的にフリーアドレスを導入した。生産性は向上したものの、技術伝承やコミュニケーション促進の面では課題があるという。このため取り入れた「プロジェクト誘導型フリーアドレス」は位置情報システムを用いて、手掛けるプロジェクトごとに担当者が集まっているエリアを発信する仕組み。関係者だけを集めるのではなく、可視化することでその案件に関心を持つ別の社員らも話し掛けやすい環境をつくる。 席をランダムに割り振りする「ランダムプログラム」は月末最後の金曜日に実施している。 出社した社員が座るテーブルをランダムに指定する。他部署を含めたコミュニケーションの機会を意図的に設けて新たな交流などのきっかけにしてもらい、社員がより出社したくなる魅力的な職場づくりにつなげる。 人の集まり具合や、曜日や時期による傾向の変化などさまざまなデータを収集し、社員の意見も聴取。効果や失敗と思われる点を社員と共有しながら、新たなサービスなどを模索する材料にする。有吉匡社長は「収集したデータとの関係性を考えることを習慣付けたい。データ偏重主義ではなく、これまで考えていなかった点に気付くために活用していく。現在の試みが最善とは考えていない。失敗もしながら社員のデジタルリテラシー向上の場にもしたい」と話す。
ランダムプログラムの実施イメージ(梓設計提供)source https://www.decn.co.jp/
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