全国初となるドローンの河川上空利用ルールの策定を目指した実証実験が東京都墨田区の荒川河川敷で始まった。関東地方整備局荒川下流河川事務所が主催し、民間企業が参加して実施。災害時の緊急物資輸送を想定し、大型ドローンを使って食料や水などを荒川をまたいで対岸に運ぶ様子を20日、報道機関に公開した。2月上旬まで実証試験を続け、意見交換などを経てルールを策定する予定だ。
20日の実証実験にはロジクトロン(東京都練馬区、野間智行代表取締役)が参加。林業などで使われている大型ドローン「XYZ55」を用いてインスタント食料(リゾットやカップ麺)や水などを川の対岸に運んだ。XYZ55は一般流通しているドローンの中で最大級の大きさという。1回の運搬量は最大約50キロ。約1時間で9往復し、合わせて約230キロの物資を運んだ。運搬時の騒音はドローン直下で110デシベルだった。
実証実験後、取材に応じた野間代表取締役は「都市部で大型のドローンを飛ばすことができ、貴重な機会となった。川の上はGPS(衛星利用測位システム)の信号もよく入り、普段飛ばしている山の中よりも飛ばしやすい環境だった。都市間物流で河川上空を使うのは理にかなっている」との見解を示した。課題としてドローンのバッテリー容量を挙げ「今後の技術革新に期待したい」と話した。
同事務所の実証実験は17日に始まっており、合わせて6社が参加する予定。同事務所は今後、成果と課題を整理し河川上空利用ルールの早期策定に向け取り組む考えだ。
実証実験に使用した「XYZ55」。山進が開発し林業などで使われている大型ドローン
source https://www.decn.co.jp/
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