2023年春闘がまもなく始まる。経団連は、労使交渉で物価上昇を特に重視するよう会員企業に要請。賃上げを「企業の社会的な責務」とした▼「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは先週、3月から人材への投資を強化すると発表した。入社1~2年目で就任する新人店長は月収29万円から39万円にアップするという。グローバル競争を見据えた決断となる▼「賃上げは利益には負のインパクトになるが、社員に安心してもらうことが責任だ」。賃上げを予定するある建設関連企業トップは、こう力を込める。目前に迫る時間外労働の上限規制やDXを駆使した生産性向上など、従来路線とは異なる水準で社員に変化を求めているため、その見返りが必要との認識を示す▼一方で「いつまで続ければいいのか」と苦しい胸の内を明かす経営者もいる。所得の上昇で積極的な消費につながれば、内需活性化の起爆剤にもなるが、継続的な賃上げは容易ではない▼資材価格など経済情勢の変化に応じた適正なコストで、発注者が事業を進めることが必須だろう。苦しい時期だが、前向きな好循環を生み出す契機にしたい。
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