2023年1月17日火曜日

回転窓/「聖なる休戦」を考える

スポーツの国際大会で自国を代表するチームや選手の活躍に、一喜一憂するのは万国共通だろう。他国同士がスポーツを通じて競い、理解を深めることは世界の平和や秩序を保つ上でも重要だ▼古代オリンピックでは、ギリシャ全土から競技者や観客が参加。戦争下にあった複数のポリス(都市国家)も争いを中断し、開催地のオリンピアに集った。この期間を「聖なる休戦」とし、敵同士が開催に協力したことが、平和の祭典の由縁とされる▼昨冬の北京オリンピック後に始まったロシアのウクライナ侵攻から1年近くたつ。先月閉幕したサッカーワールドカップでは、軍事侵攻を理由にロシア代表を予選から追放。スポーツの持つ力が戦争抑止へつながらなかったのは残念でならない▼地政学的リスクが高まり、防衛費増加に拍車がかかる。新たな安全保障戦略も先日の日米首脳会談を機に、具体化の動きが一段と強まりそう。災害大国の日本は公共投資の継続が欠かせず、今後の影響を懸念する声も聞かれる▼きょうで阪神・淡路大震災から28年。過去の災禍を振り返りつつ、安全・安心で平和な世界について改めて考えたい。


source https://www.decn.co.jp/

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