2023年1月31日火曜日

今治・夢ビレッジ/愛媛県今治市に新スタジアム完成、多様な人々集まりにぎわう空間へ

◇設計は梓設計、施工はりんかい日産建設・四国通建JV
愛媛県今治市が拠点のサッカーJ3・FC今治の新スタジアムが完成--。新スタジアム建設運営会社「今治・夢ビレッジ」(今治市、岡田武史代表取締役)が、2021年11月から同市高橋ふれあいの丘に建設していた「今治里山スタジアム」が29日にこけら落としを迎えた。365日多様な人々が集まりにぎわう、心の豊かさに包まれた空間を創出。周辺の木々や緑とともに今後も成長を続ける。設計は梓設計、施工はりんかい日産建設・四国通建JVが手掛けた。

敷地面積は約5万7000平方メートル。クラブハウスなど主要施設はS造4階建て延べ8273平方メートルの規模。観客席の最前列はピッチとの距離が約8メートル、高さも30センチほどで迫力ある試合観戦を楽しむことができる。里山の港に停泊中の海賊船がモチーフ。最上階にある実況席は船に積まれたコンテナ、各階の部屋も船室をイメージした造りとなっている。
スタジアム周辺にはワイン用のぶどう畑などを設ける。福祉施設とFC今治が運営するカフェを併設した建物が今春にも竣工する予定だ。試合のない日だけにオープンするドッグランの整備も予定している。しまなみの景色を一望できる眺望の丘もあり、4月下旬には広場は豊かな緑で覆われる予定という。ランドスケープデザインは高野ランドスケーププランニングが協力した。
オープニングセレモニーが29日に開かれ、観客約5000人が新たな船出を祝った。今治・夢ビレッジはFC今治の運営会社「今治・夢スポーツ」(今治市、矢野将文社長)の全額出資子会社。同社の代表取締役会長を務める岡田氏は「このスタジアムはまだ未完。やりたいことはたくさんあるし、これからどんどん成長していかないといけない。皆さんからの期待を実行に移し、現実にしていくのがわれわれの責務。これからも力をお貸しいただきたい」と呼び掛けた。矢野社長は「いよいよ出航だ。皆さまが主人公。皆さまと共に心の豊かさを感じられるスタジアムにしていきたい」と決意表明した。
エキシビションマッチには元日本代表の内田篤人、大久保嘉人、玉田圭司、中澤佑二、松井大輔さんらが登場し、スタジアムを沸かせた。内田さんはプレー後、「欧州には7万人、8万人が入る大きなスタジアムはあるが、これだけの距離感であの雰囲気はなかなかない。サッカーはサポーターと作っていくもの。素晴らしいスタジアムだ」と絶賛した。
総事業費は約40億円。市の所有地を無償で借り受け、民設民営で整備した。観客席は5316席でスタートし、J2(1万席)、J1(1万5000席)の規模に増設できるようにしている。FC今治の23年のチームスローガンは「突き進め 光射す方へ」。3月5日、福島ユナイテッドFCを迎えて開幕戦に臨む。

観客に語り掛ける岡田氏
海賊船がモチーフ
source https://www.decn.co.jp/

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