会員企業の約3割が社長自ら除雪作業に従事していることが、群馬県建設業協会(青柳剛会長)の調査で明らかになった。「人手不足」と「従業員の時間外労働を増加させない」が理由に挙がった。20日に会見した青柳会長は「人材確保が難しい」と指摘した上で、「コンスタントな事業量の確保が大切。働いてくれる人へのインセンティブを保証する必要がある」と述べ、関係機関に対応を求める考えを表明した。 アンケートは1月10~16日に実施。回答した241社のうち、32%に相当する76社は社長が日常的に除雪車の運転や凍結防止剤の散布などを行っていた。55社は「人手不足」を理由に挙げた。青柳会長は「交代要員がおらず、全社員で行っている」と説明。建設工事など日常業務への影響を懸念した。 青柳会長によると、除雪対応は「未明に除雪作業を行い、日中は通常の工事業務に従事する過酷な労働環境になっている」という。「事業の絶対量が少なく財務状況が良くない中で、雪害など予想外の事態への対応が求められるのが地方建設業の実情だ」とも指摘した。「事業量を確保するだけでなく、現場で使命感を持って働く人にインセンティブがあるような制度を検討していきたい」と述べた。 建協は、県内で経営事項審査(経審)を受けた企業の財務状況の調査結果も公開した。2022年1月4日時点の収益性(売上高経常利益率)の中央値は3・41%だったが、本年1月6日時点で2・67%まで低下した。青柳会長は「資材高騰が大きく影響している。きめ細かい対応を行政に求めたい」と述べた。今後は「行政との意見交換などの場で、恒常的な事業量の確保を求めたい」(青柳会長)考えだ。
社長自ら除雪作業を行うことも増えている(群馬建協提供)source https://www.decn.co.jp/
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