奈良県は、興福寺(奈良市登大路町)の国宝五重塔の保存修理に向け、建物全体を覆う素屋根を設置する。当初は今月中の着工を目指し、2022年7月に設置工事の入札を公告したが、建設資材高騰の影響や追加の調査が必要になり、選定手続きがずれ込んだ。20日に「国宝興福寺五重塔素屋根建設工事」の一般競争入札を再公告した。2~4者構成のJVから30日まで参加申し込みを受け付ける。総合評価方式を適用し、2月6日まで技術提案書の提出を受ける。入札書の開札は3月8日を予定。
興福寺は藤原氏の氏寺で五重塔は730年に建てられた。5回の焼失と再建を経て、1426年ごろに現在の塔が建てられたとされる。経年劣化で屋根の傷みが著しく、瓦の状態を確認しながら全面的にふき替える。
参加資格は建築一式A等級で、代表者は県内に本店を置き、経営事項審査の建築一式工事の総合評定値が900点以上。県内に営業所を置く者も900点以上あれば参加できる。それ以外は代表者と同じ条件の構成員と県内に本店や営業所があること。入札書は2月28日~3月3日に受け付ける。
技術提案による加算点は最高22点。品質管理や安全管理、企業の施工実績を評価して落札者を決め、議決後に契約を結ぶ。
工事は仮設用仮設足場の設置。新築、電気・機械設備のほか、除却工事などを含む。敷地は約3900平方メートル。規模はS造6階建て延べ5017平方メートル。仮設足場を含めると7357平方メートルになる。基礎は直接基礎とし、屋根はガルバリウム鋼板折板葺き、外壁は防炎メッシュシート2重張りを採用する。高さは59メートルになる。工期は24年7月31日まで。設計は桝谷設計が担当。
予定価格は22億7999万2000円(税込み)。低入札価格調査制度の対象となり、調査基準価格は20億9759万円2000円(同)。前回公告時の予定価格は14億9494万4000円(同)だった。
source https://www.decn.co.jp/?p=149645
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