2023年1月13日金曜日

国交省/港湾工事PCa導入をVFMで判断、人手不足に対応へ手引骨子案

国土交通省は直轄港湾工事でプレキャスト(PCa)工法の採用基準を示すマニュアルの骨子案をまとめた。工法選択の手法として、支払いに対して得られる価値を総合的に評価できるVFM(バリュー・フォー・マネー)の考え方を採用。コストに加え工期短縮や省人化などの効果もまとめて点数で評価する。点数の合計が従来の現場打ち工法を上回った場合、コスト面で割高になってもPCaを採用できるようにする。省人化の効果が大きいPCaを積極的に取り入れ、建設現場の人手不足に対応する。
骨子案は11日に開いた外部有識者会議「港湾工事におけるPCa工法導入促進検討会」(委員長・岩波光保東京工業大学環境・社会理工学院土木・環境工学系教授)で示した。マニュアルの試行版を3月までにまとめ、23年度は試行版を使った工事を発注する。25年度までに本運用版を策定し、26年度から本格運用に移行する予定だ。
骨子案によると、VFMによる評価は▽評価項目の選定▽評価の視点の決定▽採点▽比較評価-の4段階で進める。まず国交省が提供するチェックリストを使い、現場条件に合った評価項目を選ぶ。例えば施工期間に制約が生じている場合、「コスト」と「工期短縮」の二つを選定する。
次に評価の視点を定める。コストの評価に当たっては設計費や工事費を基準にする。工期短縮の評価では設計や部材製作、現場施工といった各工程で必要になる日数を重視する方針だ。
各視点ごとに、マニュアルで定める配点表を参照しながら現場打ちとPCaの両方を採点。点数が高い工法を採用する。PCaは一般的にコスト面で現場打ちより不利だが、工期短縮や省人化といった視点で巻き返せれば、採用の可能性が十分に残ることになる。
同省は直轄港湾工事の現状を「発注しても人手不足が原因で応札者が集まらず、不調になるケースが近年相次いでいる」(港湾局技術企画課)と説明。その上で「省人化の効果が高いPCaを使う工事が増えれば、業界にとって受注機会が広がる可能性がある」(同)と展望している。


source https://www.decn.co.jp/

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