2023年1月5日木曜日

23年がスタート/ゼネコン各社トップが年頭あいさつ、変革と挑戦で飛躍の年に

2023年の幕が開けた。4日に仕事始めを迎えた企業も多く、経営トップが年頭のメッセージを社員に伝えた。資材価格の高騰や不安定な世界情勢など先行き不透明な状況が続く中、外部環境に左右されない持続的な成長に向け「変革」や「挑戦」を掲げる経営トップが目立った。=3面に各社の年頭訓示
大手ゼネコンのうち鹿島の天野裕正社長は生産性向上に向けたデジタル化を注力分野に掲げた。時間外労働の罰則付き上限規制の適用が迫る中で「多様な働き方を実現し、持続可能な企業として勝ち残るためにもデジタル化は不可欠だ。皆でその質を高めていこう」と呼び掛けた。
社会、経済の変化に合わせた「変革」を掲げるのは大林組の蓮輪賢治社長。多様な社会課題から「カーボンニュートラル(CN)」と「ウェルビーイング」をビジネスチャンスと捉え取り組みを加速する。「ものづくりへの情熱をもって変革を成し遂げる年にする」覚悟だ。
清水建設の井上和幸社長は「収益力強化と労働環境改善にスピード感をもって取り組む」と強調。時間外労働上限規制への対応を「ゴールではなく、働きがいと魅力あふれる職場づくりへの通過点」とし、労働環境と仕事量のバランスを踏まえつつ事業量の適正化や事業ポートフォリオの最適化を図る考えを示した。
新3カ年の事業計画をスタートする竹中工務店の佐々木正人社長は「フロントローディングなど新しい生産方式を着実に進め、労働時間削減と業績の回復を目指す」と力を込めた。喫緊の課題であるCNなどの取り組みも業界のリーディングカンパニーとして活動を継続するとした。10月にグループの創業150周年を迎える大成建設の相川善郎社長は、5日に行う訓示で持続的成長に向けたメッセージを発信する。
飛島建設も3月に創業140周年の節目を迎える。乘京正弘社長は「利他利己の創業精神のもと、選ばれる会社を築き将来へつないでいこう」と呼び掛けた。昨年就任した新社長のうち、竹中土木の竹中祥悟社長は「社員が健康で安心して働ける職場づくりに注力する」と決意表明。大豊建設の森下覚恵社長は「麻生グループの一員として働き方改革やDXなどを確実に推進し100年企業を目指す」とした。東亜建設工業の早川毅社長は5日に訓示を行い今後の展望などを伝える。
今年の干支(えと)は卯(う)。飛躍や向上には最適の年と言われる。経営トップの訓示からも激動の時代をチャンスと捉え、さまざまな変革や挑戦を通じて「成長の年にする」という強い決意が感じられた。

持続的な成長へ決意を語る清水建設の井上社長(清水建設提供)

source https://www.decn.co.jp/

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