斉藤鉄夫国土交通相は日刊建設工業新聞など建設専門紙の新春共同インタビューに応じ、2023年の行政運営へ抱負を語った。社会資本整備の重要性を改めて強調し「建設業者の皆さまが安心して設備投資や人材育成ができるという観点からも、中長期的な見通しの下、安定的・持続的な公共投資を推進する」との考えを表明。24年4月に控える時間外労働の罰則付き上限規制の適用を見据え「実効性ある働き方改革の推進が急務」とも訴えた。
--今後の社会資本整備・更新の方向性は。
「自然災害に屈しない国土づくりを進めるためにも、円安も生かした企業の国内投資回帰を支えるためにも、社会資本整備の役割はますます重要になってくる。経済成長の実現や国際競争力の強化、持続可能で暮らしやすい地域社会の実現のためにも必要不可欠。これらを支える道路・港湾・鉄道・空港などストック効果の高い社会資本の整備をしっかりと進めていく」
「防災・減災、国土強靱化は、5か年加速化対策後も中長期的で明確な見通しの下、継続的・安定的に進めていくことが重要だ。政府として国土強靱化基本計画の改定に向けた検討を開始した。その議論に国交省として積極的に参画していく。加速化するインフラの老朽化への対応も喫緊の課題。財源や人的資源の制約が大きい小規模な地方自治体への支援が極めて重要と認識している。(国交省の審議会が昨年12月に提言した)『地域インフラ群再生戦略マネジメント』の考え方に基づき、広域的・戦略的な観点からインフラマネジメントの推進に全力で取り組む」
--建設業の働き方改革と担い手の確保・育成に向けた展望は。
「処遇改善に向け賃金水準の引き上げや建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及促進、働き方改革のため週休2日の実現に向けた工期の適正化、生産性向上のため建設プロセス全体のICT活用などに取り組んでいる。昨年9月には建設業4団体トップとの意見交換会で、22年に『おおむね3%』の賃金上昇の実現に向け官民一体で取り組むことを再確認した。CCUS登録技能者の処遇改善を着実に進めるため、技能・経験に応じレベル別に賃金目安を示し、職種ごとに、レベルに合わせて賃金が上昇していくよう促していく」
--インフラ分野のDXをどう進めるか。
「23年をDXによる変革を一層加速させる『躍進の年』と位置付け、建設業界の皆さまとも連携し取り組みを進めていく。4月からは直轄土木工事・設計で3Dモデルを活用したBIM/CIMを原則として適用する。インフラDXのアクションプランを昨年3月に策定したが、そのネクストステージとして『インフラの作り方』や『インフラの使い方』『インフラまわりのデータの伝え方』の変革に取り組む」。
source https://www.decn.co.jp/
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