東京都内では2023年に完成を迎える大規模プロジェクトが相次ぐ。森ビルの二つの「ヒルズ」の完成をはじめ、世界から人を呼び込む国際都市としての成長に期待がかかる。インバウンドの受け入れが再開し、街に活気が戻りつつある中、東京はどのように変化していくのか。年内に節目を迎えるプロジェクトをまとめた。
港区では、森ビルが開発する「虎ノ門ヒルズエリア」と「麻布台ヒルズ」が完成を迎える。ともに総延べ面積は80万平方メートルを超え、「六本木ヒルズ」の約79万平方メートルに匹敵する規模となる。辻慎吾社長も「六本木ヒルズ級の街を1年で二つも誕生させるのは、森ビルの歴史上でも初めてのこと」と気を引き締める。
虎ノ門ヒルズエリアは、東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅と一体的に4棟の超高層ビルなどを整備している。オフィスやホテル、住宅などで構成し、総延べ約80万平方メートルの規模。プロジェクトの最後を飾る「ステーションタワー」が7月に完成する予定だ。最上部にはビジネスイベントに対応するフォーラムを開設し、国内外から人を呼び込む国際拠点を目指す。
虎ノ門ヒルズと六本木ヒルズの中間に、麻布台ヒルズが開業する。同社の開発ノウハウを結集した「ヒルズの未来形」と位置付け、3棟の超高層ビルを含む総延べ約86万平方メートルの施設群を開発している。国内最高峰となる約330メートルのメインタワーには高級住宅やオフィス、インターナショナルスクールなどを配置する。
港区の南部に位置する高輪では、東京都が「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」の23年度内の着工を目指している。都営浅草線泉岳寺駅の北側に、地下3階地上30階建て延べ約11万平方メートルの施設を整備する。高さは約145メートル。約350戸の住宅や業務施設、駅舎などを設ける。東急不動産と京浜急行電鉄の2社が特定建築者として整備を担う。基本設計は久米設計、実施設計は鹿島が担当。施工者は未定となっている。
副都心に当たる新宿区も開発が活発なエリアだ。東急らが西武新宿駅の東側に建設している「東急歌舞伎町タワー」は11日に竣工を迎える。タワーの高さは225メートルで、延べ約8・7万平方メートルの規模を誇る。新宿最大級のライブホールや劇場、映画館、ホテルで構成。インバウンドの回復を視野に、新宿の新たなランドマークを目指す。設計は久米設計・東急設計コンサルタントJV、施工は清水建設・東急建設JVが務めた。
新宿駅(新宿区)の西側では二つの超高層ビルの工事が本格化する。小田急電鉄らが進める新宿駅西口の開発計画では、10月に高さ約260メートルとなる新築ビルの工事がスタートする。設計は日本設計・大成建設JVが担当。施工者は決まっていない。現地では22年10月まで小田急百貨店が営業していた既存建物の解体が、大成建設の施工で進んでいる。事業全体の完成は30年3月となる見通しだ。
京王電鉄とJR東日本が新宿駅西南口エリアで計画する事業では、23年度に高さ230メートルのビルを建てる工事が甲州街道の南側の街区で始まる。京王百貨店新宿店の建て替えを含む複合開発。甲州街道北側の街区も含め、40年代までの長期にわたる都市再生プロジェクトが大きな節目を迎えようとしている。
source https://www.decn.co.jp/
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