2023年1月6日金曜日

大成建設/山岳トンネルB計測をLPWA無線使い自動化、安全性・生産性が大幅向上

大成建設は、山岳トンネル施工時の安定性や支保部材の規格妥当性を評価する各種計測(B計測)がケーブルレスで自動計測できるシステムを開発した。省電力で広範囲に通信が可能なLPWAの小型無線データロガーと計測器、通信親機などで構成。多チャンネルに対応し、電源の外部供給なしで各種計測データを効率的に入手できる。有線の従来方式に比べて作業時間を約70%削減でき、安全性も大幅に向上する。
自動計測システム「T-RIPPA BK」は2020年に開発した切羽前方の地山評価を行う山岳トンネル坑内計測システム「T-RIPPA」を改良。支保部材(吹き付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工)の規格妥当性を確認するB計測に対応した多チャンネル化と無線データロガーの小型・一体化を行った。
すべての計測機器と無線データロガーを計測点の1メートル以内に事前に設置して吹き付けコンクリートを打設する。各機器のケーブル配線や防護工など煩雑な作業が不要なため、安全に効率良く設置できる。
計測機器は内蔵小型バッテリーだけで1年間の連続稼働が可能。計測データはLPWA無線でトンネル坑内1キロ程度の距離まで通信可能できる。山岳トンネルの計測作業にLPWAを本格適用したのは同社が初めてという。
現在施工中の工事で1カ月以上行った実証実験では合計10チャンネル分のデータを連続計測し、安定したデータ転送が行えることを確認した。計測機器設置の作業時間は従来の電源や通信ケーブルなどを設ける方式と比べ約70%短縮できた。コストは従来方式と同等程度のため、今後はB計測を行う全国の山岳トンネル工事にシステムを採用していく方針だ。

「T-RIPPA BK」のシステム構成(大成建設提供)

source https://www.decn.co.jp/

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