2023年4月29日土曜日

ESR東扇島ディストリビューションセンター 完成

 ESRが川崎区東扇島で開発を進めていた国内最高層クラスの9階建てマルチテナント型物流施設「ESR東扇島ディストリビューションセンター(DC)」が完成した。ESRのワーカーファースト哲学を最高品質のアメニティ施設で表現し、地域のランドマークとしての美観を意識し、視認性や照明演出にもこわだった外観デザインとなっている。省エネ・環境品質に十分考慮しCASBEE Sクラス、BELS5スター評価を取得。免震構造・顔認証セキュリティ導入など安心・安全な施設環境を提供する。設計、施工はともに東急建設が手がけた。



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2023年4月28日金曜日

パシコンら/飛行機型UAV使った災害調査支援システム開発、早期の被害把握可能に

パシフィックコンサルタンツら3社は、飛行機型UAV(無人航空機)とAIを活用したインフラ点検支援システムを開発した。災害時などに飛行機型UAVを広域飛行させ、取得した画像からAIが斜面崩壊などの異常箇所を抽出する。画像をリアルタイムに配信することで被害状況の迅速な把握と早期の人命救助、災害復旧を実現する。
システムを開発したのは、パシフィックコンサルタンツ、飛行機型UAVを開発・製造販売するフジ・インバック(横浜市磯子区、田辺誠治社長)、AI・通信ソリューションなどを提供するUltimatrust(アルティマトラスト、東京都千代田区、小澤厳社長)の3社。
飛行機型UAVは自律飛行で30時間の連続飛行、3000キロの飛行が可能。短時間に広範囲を点検・調査できるため、滑走路、道路、鉄道、河川、海岸線といった線状の長距離インフラ点検への応用や、災害時の広域初動調査への活用を想定する。
飛行機型UAVには4Kカメラ、1億画素カメラを搭載。飛行しながら取得した画像を機内のパソコンで圧縮し、4K動画を衛星通信でリアルストリーミング配信できる。災害調査ではAI処理で斜面崩壊、インフラ構造物被害、浸水災害、被災家屋といった異常箇所を抽出。その画像を衛星通信でリアルタイムに配信し、被災状況を迅速に把握できる。
被災時には広範囲を短時間に把握する初動態勢が重要となる。被災時の異常箇所の状況を迅速に把握し、避難、人命救助、災害復旧などを支援する。
長距離インフラ構造物の一つである空港滑走路でシステムによる点検の実験を行ったところ、短時間での変状把握、効率化に有効と確認した。
システムに使う飛行機型UAV(パシコン提供)

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日建連/新4K産業へ決意新たに宮本体制2期目スタート、契約改善や時間外削減へ

宮本洋一会長をトップとする日本建設業連合会(日建連)の執行部体制が2期目に入った。27日に東京都千代田区のホテルニューオータニで開かれた定時総会・理事会で宮本会長ら代表理事の再任が決まった。1期目に続き目標に掲げるのは新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)産業への変革。宮本会長は2023年度事業計画の推進などを通じて「新4Kの魅力あふれる業界づくりに関係者一丸で取り組んでいく」と決意を新たにした。=2面に関連記事
席上、宮本会長は業界の現状を「資材の高騰や労務賃金の上昇に対する価格転嫁への懸念、気候変動により激甚化・頻発化する気象災害への対応など課題が山積している」と述べた。
喫緊の課題には直面する資材高騰と、24年4月に建設業への適用が始まる時間外労働の罰則付き上限規制への対応を挙げた。資材高騰対策では会員企業が主力とする民間工事を想定し、発注者からの要望を一方的に受け入れやすい「請け負け」の契約関係改善を強調。発注者と対等な契約関係の構築に努めた上で「特に民間工事で適正な価格と工期が設定されることを期待する」と呼び掛けた。
当面は国の中央建設業審議会(中建審)が主導する制度設計の議論を注視。請負契約の適正化に向け契約時の受発注者協議など担保する制度設計を念頭に、国土交通省有識者会議「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」が3月にまとめた提言の具体化に期待を示した。
時間外労働上限規制への対応では会員企業が順守するための第1ステップとして、23年度に上限規制の特例措置と同じ条件を1年前倒してクリアする独自の目標達成に意欲を見せた。
技能者の処遇改善を推進するツールとして建設キャリアアップシステム(CCUS)に着目。22年10月に技能者登録数が100万人を超える節目を迎えた一方、「現場での活用という意味では道半ば。一層の普及に向け国や関係団体などに働き掛けを強化する」と話した。
長期視点で十分かつ安定した公共事業量の確保にも言及。防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の後継として、スケジュールや整備費を明示した新長期整備計画の策定を求めていく。カーボンニュートラル(CN)関連ではライフサイクル(LC)全体の二酸化炭素(CO2)排出量削減を目指す。
総会では23年度の事業計画と予算を報告。22年度決算も承認した。
あいさつする宮本会長

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ひびきウインドエナジー/北九州響灘洋上ウインドファームが起工、施工は五洋建設JV

 ひびきウインドエナジー(北九州市若松区、水町豊社長〈九電みらいエナジー社長〉)は25日、北九州響灘洋上風力発電事業「北九州響灘洋上ウインドファーム」の起工式を北九州市若松区響町で行った。3月から五洋建設・日鉄エンジニアリングJVの施工で風車基礎工事に入っており今後、陸上での変電所工事などと並行して海底ケーブルの敷設や風車の据え付けなどを行い2025年度中の運転開始を予定している。事業費は約1700億円を見込む。
 神事では水町社長が鎌入れを、北九州市の武内和久市長が鍬入れを、五洋建設の清水琢三社長、ベスタス・ジャパン(東京都港区)の栗山根年社長、作業員輸送船の運航管理を行う東京汽船の齊藤宏之社長、J-POWERハイテック(東京都千代田区)の佐藤俊哉社長が鋤入れを行った。その後、祭壇に玉串をささげ、工事の安全と円滑な進捗(しんちょく)を祈念した。
 神事後、水町社長は「地域と歩む洋上ウインドファームの実現を目指す。響灘からカーボンニュートラル(CN)への新たな挑戦、地域共生の新たな取り組みとしてこの海域に洋上風力風車が並ぶ新しい景色を作っていく」、武内市長は「国内外の先端技術を駆使し大規模洋上ウインドファームを全国に先駆けて造る市の新たなシンボルとなる事業。官民を挙げて事業を最後までバックアップする」と話した。
 施工者を代表して清水社長は「工事事務所はZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証を受け工事する側もCNに寄与する。安全に確実な施工で工期内に無事故無災害で工事を完成させたい」と決意を語った。
 北九州港響灘地区の四つのエリアに定格出力9600キロワットの風車を25基建設する。基礎には杭式ジャケット基礎を採用する。発電出力は最大220メガワット。事業期間は20年。風車1基当たりの定格出力と発電出力は国内最大となる。
 風車供給・据え付け工事はベスタス・ジャパン、陸上電気工事はJ-POWERハイテック、O&M(運転・保守)拠点港工事は五洋建設・若築建設JVが担当。



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2023年4月27日木曜日

長大/フィリピンでウナギ養殖・精米事業本格化、出資会社の株式取得

 長大は26日、全額出資子会社の長大フィリピンを通じて、シンガポールのグリーン・アジア・エクイティ・ベンチャーズ(GAEV社)の株式99%を取得したと発表した。GAEV社はフィリピン・ミンダナオ島でウナギの養殖やかば焼き加工事業を手掛ける会社と、精米事業を行う会社の2社に出資している。GAEV社の株式取得によって、長大がこれまで同国で取り組んできたウナギの養殖・かば焼き加工事業と、精米事業を本格化させる。  GAEV社はカバドバラン・アクアテック・リソーシス・コーポレーション(CARC社)と、アグサン・グリーンフィールド・リソーシス・アンド・アグロテック・コーポレーション(AGRAC社)の二つのSPC(特定目的会社)に対し、それぞれ10%出資している。  CARC社はミンダナオ島カラガ地域で養鰻とウナギのかば焼き加工事業を行っている。日本製のかば焼き加工機械の設置、日系飼料メーカーの飼料やかば焼きソースの採用などで日本の技術やマネジメント手法を取り入れ、現地の生産性向上や高付加価値化を図っている。現在は主に日本に向けて活鰻を出荷したり、比国内の日本食レストランなどに出荷したりしている。日系総合商社との協働も開始している。  AGRAC社は精米事業と稲作試験や指導などを手掛ける。短粒米の試験作付けを行い、作付けマニュアルを作成済み。契約農家による短粒米の生産拡大に取り組んでいる。  GAEV社の株式取得により、これら二つの事業に本格参入する体制を整えた。今後は長大の参画により、両事業の生産効率化や高品質・高付加価値化、養鰻事業で日本や他国への販路拡大などで出資者として関与していく。  長大は現地ゼネコンのエクイパルコ社、現地企業のツインピーク社と2015年にミンダナオ地域開発に向けた包括提携の覚書を締結済み。小水力発電事業や上水供給事業をはじめ、さまざまな事業を通して地域の経済開発に取り組んでいる。
CARC社の養殖所(報道発表資料から)

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大成建設/施工管理支援システムの機能拡張、切羽作業に特化し総合管理

 大成建設は、施工現場で取得したデジタルデータを使い施工管理業務を支援するシステム「T-iDigital Field」の機能を拡張し、山岳トンネルの切羽作業に特化した総合管理基盤を構築した。トンネルの施工管理に必要な位置(人、建設機械、資機材)や材料の運搬状況、入坑管理などの情報をアプリケーションとして集約。新たに建機の二酸化炭素(CO2)排出量が可視化できる機能も追加した。  「T-iDigital Field」は建設アプリ群のデータ連携プラットフォームで、2020年に開発した。施工現場の膨大な映像やセンサーなどで取得したデジタルデータを仮想空間に集積・統合。デジタルツインを形成するなど付加価値の高い情報として工事関係者間にフィードバックしている。  トンネル工事に特化した総合管理基盤は「T-iDigital Field」をベースに、各建機の作業所要時間や坑内配置などを計測し、工程ごとの稼働状況やサイクルタイム統計データを把握、管理できる機能などを追加。建機ごとの稼働状況を監視し、CO2排出量をリアルタイムに表示する機能も開発した。  現在施工中の山岳トンネル現場で検証し有効性を確認している。各建機の稼働状況などを工事関係者間で共有することで効率的な施工管理を実現。従来施工に比べサイクルタイムを最大11%短縮できたという。  建機のCO2排出量は稼働時間と単位時間当たりの排出量を乗じて算出し、アプリで推移を表示。改善が必要な建機を把握し、環境に配慮した建機の選定や運転方法の改善につなげることができる。  同社は施工管理支援システムを土工や橋梁工事などへ適用を拡大する方針。引き続き現場のニーズを踏まえた施工支援アプリの開発にも取り組む。
施工管理支援システムの概要(大成建設提供)
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垂水中央東地区再開発10月に本体着工、神戸市に景観デザイン協議申出書提出/組合

 垂水中央東地区市街地再開発組合(神戸市垂水区、井澤順三理事長)は、JR・山陽電鉄垂水駅北側に計画している第1種市街地再開発事業について、市に景観デザイン協議の申出書を提出した。5月1日まで都市局景観政策課で計画概要を縦覧する。特定業務代行者は竹中工務店が担当。現在、既存建物の解体を進めており、10月にも本体建築工事に着手する予定だ。2026年度の完成を目指す。  事業区域は市施行の再開発ビル「レバンテ垂水」(垂水東地区)と、「ウエステ垂水」(垂水西地区)に挟まれた垂水中央地区の東側一帯(神田町137の2ほか、約0・7ヘクタール)。建ぺい率は80%で、容積率が450%。密集した老朽家屋を解体し、商業機能と共同住宅で成るRC一部S造32階建て延べ3万8652平方メートル(建築面積3412平方メートル)の新たな再開発ビルを建設する。建物の最高高さは115メートルに及ぶ。  計画によると、建物の2~31階に住戸(315戸)、32階にスカイラウンジ、屋上にヘリコプターの緊急離着場を設ける。1階は駐輪場などを置き、住宅棟を囲む形で商業店舗を配置。建物の周辺には木目調をあしらった軒下空間を形成し、歩行者動線に配慮した沿道を整備する。建物の北西角と北東角に滞留空間となる広場を設ける。  総事業費は173億9200万円。再開発コンサルタントを都市設計連合が担当し、準備組合段階で事業協力者を務めた野村不動産が参加組合員として参画している。  工期は26年5月15日まで。
再開発ビルのイメージ(公表資料から)
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回転窓/地域の守り手の応援メニュー

 茨城県常総市に七色の「レインボーギョーザ」を提供する定食屋がある。ここでは消防団員やその家族が来店すると利用額に応じて季節の小鉢や飲み物をサービスしてくれる▼市の「消防団応援の店」の一つ。団員の士気向上と担い手確保を目的とした取り組みで、感謝の気持ちを込めて市が加盟店をPRする▼団員は他に本業を持ちながら非常勤特別職の地方公務員として、火災などの非常時に現場へ駆けつける。地域で暮らす人たちの安全・安心の確保に大きな役割を果たしている存在だ▼1960年代半ばに130万人を超えていた団員数は、2022年に80万人を下回った。総務省の消防白書(22年版)は「危機的な状況」と指摘する。政府は団員報酬が財政需要に反映されるよう地方交付税の算定方法を見直す措置などを講じているが、団員の維持と確保に多くの自治体が頭を悩ませる▼15年9月の関東・東北豪雨で3分の1が浸水した常総市。当時、約1500人の救助に当たったのは消防組織だった。消防団も建設会社もいなくなってからでは手遅れ。地域を守る担い手は地域で確保し、活動を応援し続けてほしい。
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東建/学生向け就職冊子リニューアル/業界志望者と決まっていない学生に2種類作成

 東京建設業協会(東建、今井雅則会長)は学生の新規入職を促す就職冊子『ビルドALL』=写真は表紙=を作成した。建設業への就職を志望している学生には「君の手で、建物や社会を築き上げていく」、志望する業界が決まっていない学生には「自分自身のこれからの人生や人間関係・環境を築き上げていく」というメッセージを込めた。  内容や企画は建設業への就職を希望している学生向けと、志望業界が決まっていない学生向けにそれぞれ用意。表紙も2種類作成した。  志望業界が決まっていない学生向けは、建設業が社会で果たす役割や会員企業の現場で働く若手社員の本音に迫ったインタビューを掲載。若手社員のプライベートに迫った特集もあり、建設業界になじみのない学生にも読みやすい内容となっている。  新しい冊子は3年ごとに全面改訂してきた『建設就職読本』をリニューアル。2万冊程度を印刷し、会員企業や大学などに順次配布する。
就職冊子『ビルドALL』
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大阪府豊中市/23年度下水道新免幹線、第3四半期に一般競争入札公告

 大阪府豊中市は本年度、阪急電鉄豊中駅(本町1)から北側一帯の浸水を軽減する下水道幹線の第2期工事に着手する。「令和5年度下水道築造工事(新免幹線)」の一般競争入札を第3四半期に公告する予定。φ3000ミリの管渠を泥土圧式シールド工法で延長933メートル構築する。特殊マンホール工1カ所と取り込み工3カ所も施工。新免幹線第1期工事の発進立坑を本町7の稲荷山公園に設けており、ここから北東方向へ上野西2まで掘り進む計画だ。工期は37カ月を予定。2027年3月の完成を目指す。
 新免幹線の第1期工事と第2期工事で、府立豊中高校がある上野西2から本町7や阪急豊中駅前を経て、国道176号地下を進み、阪急宝塚線をくぐり玉井町4までを結ぶ。総延長は約1・9キロ。最下流部の玉井4では既設下水道管渠と放流管につなぎ、豪雨時には新免幹線の流下量が増えると、規定値を超えた雨水を放流管を経て千里川に流し込み幹線周辺の治水安全性を確保する計画だ。
 21年に工事に先行着手した新免幹線の第1期工事は、本町7から玉井町4までの区間にφ2000ミリの管渠をシールド工法で延長1017メートル整備している。24年1月の完成を見込む。
 市は1999年度から10年に一度発生する可能性がある大雨の雨水を市街地から排除する浸水対策を進めてきた。新免幹線の整備事業も浸水対策の一つ。第2期工事は第1期工事よりも仕上がり内径が大きく、雨水貯留機能を強化し、幹線一帯の浸水被害軽減に役立てる。



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2023年4月26日水曜日

大阪市/淀川連絡線跡地(都島区)開発事業者公募プロポ公告、8月8日まで応募受付

大阪市は、1982年に廃止された旧国鉄淀川連絡線跡地のうち、都島区内の約1・2ヘクタールでまちづくりを進める。都市計画道路の代替ルートとして土地を取得したが、道路計画の見直しで幹線道路として利用しないことを決定。2019年12月に跡地の活用計画を策定した。開発事業者は公募型プロポーザル方式で選定する。8月8日まで応募申込書や提案書などを受け付け、9月下旬に審査結果を公表する。

淀川貨物線は1927年から貨物専用線として使用され、市が91~94年に土地を取得した後は駐車場や駐輪場などに暫定利用している。売却対象地はJR京橋駅と都島駅のほぼ中間に位置し、南側は集合住宅、北側は一戸建て住宅が立地する。用途地域は北側の区画〈1〉が準工業地域(容積率200%、建ぺい率80%)、南側の3区画が第1種住居地域(同300%、同80%)。
活用計画に基づき、北側の区画では認可保育所が開設され、その隣に地域防災や交流の場となる区民広場を整備し、今月供用した。
跡地の開発では「子どものスポーツ・遊び場など緑地・公園等の整備」「活力ある地域社会の実現、子育て世代の誘導」など四つのコンセプトを実現できる施設計画を募る。全区画を結ぶ歩行者空間を整備し、既存の遊歩道につなげることも条件にした。共同住宅を開発する場合は良好な住環境を確保し、定住人口の増加に貢献する提案を求める。
売却地の面積は区画〈1〉が2427平方メートル(都島南通1丁目)、同〈2〉が4948平方メートル(同1丁目)、同〈3〉が1066平方メートル(同2丁目)、同〈4〉が3390平方メートル(同2丁目)。予定価格は28億4770万円。活用計画に基づいて提案を募集し、2段階審査で優秀提案を決める。
応募資格は個人または法人で、土地を取得して開発事業を行い、公共施設の整備と維持管理に責任を負えること。SPC(特別目的会社)を設立するか、SPCの設立を予定している者も応募できる。
応募者からは▽コンセプトを踏まえたまちづくり▽歩行空間▽施設計画の概要▽災害時の対応機能▽事業スケジュール-などの提案を受ける。プレゼンテーションなどを踏まえ、外部有識者でつくる選定会議の意見を参考に、市が事業予定者を決定する。
現地見学会を5月18、19日に開催する。参加希望者を都島区役所総務課宛のメール(tb0010@city.osaka.lg.jp)で同8日まで受け付ける。見学会の参加は申し込み条件にしていないが、市は「できる限り参加してほしい」としている。
問い合わせは、同区役所総務課(政策企画)(電話06・6882・9989)まで。
売却対象地(大阪市の資料を基に作成)
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大林組/「デジタルツインアプリ」開発、誰でも簡単に3Dモデル活用

大林組は高性能パソコンや特別なスキルを必要とせず、容易に建設現場のデジタルツインを構築できる「デジタルツインアプリ」を開発した。IoTなどを活用して現実空間の情報を取得し、サイバー空間内に現実空間の環境を再現。場所を選ばずに現場状況を確認できる。現場巡視やパトロールでの指摘事項と指示を、写真やファイルで共有し生産性向上につなげる。建設現場のデジタルツインを「誰でも、どこでも、すぐに」構築できる環境を整備し、業界のスタンダードにしたい考え。
デジタルツインアプリは東京大学大学院工学系研究科と共同研究した「データ・システム連携基盤」の考え方を応用し、ITサービスを提供するTISとデータ統合の仕組みを構築した。ビューアの操作性や快適性を向上させるため、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン(東京都中央区、大前広樹社長)のゲームエンジン「Unity」を活用して開発した。
デジタルツイン構築に必要な各種3Dモデルの登録から統合、描写の実施までを一つのシステムで実行できる。初めてでもすぐに使用できるよう、直感的でシンプルな操作を実現するデザインにした。高性能なパソコンがなくても、3Dモデルを快適に作動し表示する。データはすべてクラウド上に保存されるため、ネットワーク経由でデジタルツインが構築可能。リアルタイムで変わる動的情報も反映し、どこからでも実際の現場状況をデジタルツイン経由で確認できる。
現場巡視やパトロールで発見された指摘事項と是正指示を、デジタルツイン上にアノテーション(注釈)を貼ることで必要な写真やファイルとともに、関係者間で共有可能。チャットを使ったコミュニケーションを通じて指示や是正内容をデジタルツイン上で確認、保存できる。
今後、現場への適用と同アプリの改良を進める。将来的には、同アプリを大林組以外のゼネコンや専門工事会社などに展開。建設業界のDXを推進し、生産性の向上と働き方改革の実現につなげる。
デジタルツインアプリの画面(報道発表資料から)

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佐藤工業/自己充てんコンクリート活用、トンネル覆工構築システムを現場初適用

佐藤工業は高流動性のコンクリートを用いたトンネル覆工構築システムを開発し、3~4月に長野県天龍村で施工中の足瀬トンネル工事に導入した。2020年6月から実験を重ねてきた技術で、本設構造物に初適用。自己充てんコンクリートを活用し、振動締め固め作業などを省いて天端部まで打設できる。従来工法に比べ省力化・省人化を図り時間短縮を実現し、生産性向上を確かめた。

新しい工法は、佐藤工業・木下建設JVが施工する「令和3年度2災公共土木施設災害復旧工事(国)418号下伊那郡天龍村足瀬1工区」(長野県飯田建設事務所発注)のトンネル覆工のうち、10ブロック分に適用した。掘削断面積(余掘り、インバート含む)は約64平方メートル、1ブロック当たりのコンクリート量(余巻き含む)は約64立方メートル。
セントル下端に設置した圧入口から自己充てんコンクリートを圧入し、作業員3人で天端まで打設した。振動締め固めや配管切り替えの工程が不要となり、打設時間は従来より平均約1時間20分短くなった。天端部表面にしま模様が少ないきれいな出来栄えを実現し、スプリングライン下方でも表面気泡が発生しなかった。
佐藤工業は今回得た知見を生かし、セントル設備の改良や使用コンクリートの低廉化などを進めて、トンネル覆工自動化の完成度を高めたい考えだ。
実装した覆工構築システムの施工方法(報道発表資料から)

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ひびきウインドエナジー/北九州響灘洋上ウインドファームが起工、施工は五洋建設JV

 ひびきウインドエナジー(北九州市若松区、水町豊社長〈九電みらいエナジー社長〉)は25日、北九州響灘洋上風力発電事業「北九州響灘洋上ウインドファーム」の起工式を北九州市若松区響町で行った。3月から五洋建設・日鉄エンジニアリングJVの施工で風車基礎工事に入っており今後、陸上での変電所工事などと並行して海底ケーブルの敷設や風車の据え付けなどを行い2025年度中の運転開始を予定している。事業費は約1700億円を見込む。
 神事では水町社長が鎌入れを、北九州市の武内和久市長が鍬入れを、五洋建設の清水琢三社長、ベスタス・ジャパン(東京都港区)の栗山根年社長、作業員輸送船の運航管理を行う東京汽船の齊藤宏之社長、J-POWERハイテック(東京都千代田区)の佐藤俊哉社長が鋤入れを行った。その後、祭壇に玉串をささげ、工事の安全と円滑な進捗(しんちょく)を祈念した。
 神事後、水町社長は「地域と歩む洋上ウインドファームの実現を目指す。響灘からカーボンニュートラル(CN)への新たな挑戦、地域共生の新たな取り組みとしてこの海域に洋上風力風車が並ぶ新しい景色を作っていく」、武内市長は「国内外の先端技術を駆使し大規模洋上ウインドファームを全国に先駆けて造る市の新たなシンボルとなる事業。官民を挙げて事業を最後までバックアップする」と話した。
 施工者を代表して清水社長は「工事事務所はZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証を受け工事する側もCNに寄与する。安全に確実な施工で工期内に無事故無災害で工事を完成させたい」と決意を語った。
 北九州港響灘地区の四つのエリアに定格出力9600キロワットの風車を25基建設する。基礎には杭式ジャケット基礎を採用する。発電出力は最大220メガワット。事業期間は20年。風車1基当たりの定格出力と発電出力は国内最大となる。
 風車供給・据え付け工事はベスタス・ジャパン、陸上電気工事はJ-POWERハイテック、O&M(運転・保守)拠点港工事は五洋建設・若築建設JVが担当。

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回転窓/身近な草木への興味

 今年は3月の気温が高く、各地で平年より早く桜が開花した。ほかの春の花も例年より早咲きのようで、自宅のベランダにある鉢植えの藤も大型連休を待たず、見頃を終えている▼日本の植物分類学の草分け牧野富太郎博士をモデルにしたNHKの連続テレビ小説「らんまん」の放送が始まった影響なのか、植物や博士に関する書籍、冊子をよく目にする。藤について調べていたところ、フジの名付け親が博士だというエピソードを知った▼日本固有の藤は右巻きと左巻きの2種類があり、総称としての藤と区別するため、つるが右巻きを「ノダフジ」、左巻きを「ヤマフジ」と名付けたという。早速ベランダの鉢植えを観察し、花房が長く優雅な雰囲気をもつノダフジだと確認した▼気象庁の長期予報によると5月までは全国的に気温が高く、6~8月の気温も平年並みか高くなるそう。厳しい暑さに備え今年も藤などのつる植物を育て、ベランダに緑のカーテンを作りたい▼窓から入り込む日差しをさえぎり室内の温度上昇を抑える、そんな実用面もベランダ園芸の楽しみの一つ。博士の功績を知ると身近な草木への興味が膨らむ。
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20XX産業変革の潮流/野村総合研究所/カーボンニュートラルと建設業・5

 ◇コンサルティング事業本部アーバンイノベーションコンサルティング部プリンシパル・溝口卓弥
 カーボンニュートラル(CN)実現に向け、建築・土木分野でさまざまな取り組みが求められる。建築物の木造化もその有効な手段として注目を集めている。本稿では建築物の木造化に関するCNの観点からの意義や木造化の現状、今後の課題について紹介する。
 わが国における建築物の資材としては木材、鉄、コンクリートが主となる。このうち木材は製造・加工時のエネルギー消費が鉄やコンクリートに比べて少なくなり、そのため、木造建築物は鉄や鉄筋コンクリートに比べて製造時の二酸化炭素(CO2)排出量も少なくなる傾向にある。

 □資材製造や施工時のCO2、建物の木造化で排出削減へ□
 建物のCO2排出については、建物の運用時に排出される「オペレーショナルカーボン」が割合として大きい。これまで削減に向けたさまざまな対策が取られてきているが、今後は建物の資材製造や建築時のCO2排出である「エンボディドカーボン」の削減も求められ、木造化はこの実現に資するものである。
 例えば、3階建ての共同住宅を鉄筋コンクリート造から木造(CLT〈直交集成板〉パネル工法)にした場合、エンボディドカーボンを約2割削減できるという報告がある。
 また、木材を建築資材として使うことにより、その木材に含まれる分の炭素が固定されることもメリットだ。建築物が存在する数十年にわたり炭素が貯蔵されることで、その分、大気中のCO2放出を減らすことができる。
 さらに、樹木は育つにつれてCO2の吸収量が減少していくが、利用の適齢期を迎えた樹木を伐採し、植林することで、樹齢の若い木がより効率的にCO2を吸収することが可能。特に日本はCO2吸収量が大きく落ち込んだ、植林後から数十年以上が経過した樹木が多い。老齢の樹木を建築資材として活用し、若い木に置き換えていくことで、森林全体のCO2吸収量を増やすことができる。
 政府も、2010年に施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を、21年には「脱炭素社会の実現に資するための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に改正し、脱炭素の観点からも木材利用を促進していくとしている。

 □非住宅や中高層建築の普及が鍵 サステナビリティ活動、企業の認識広がる□
 わが国では、伝統的に木造の建築物が多く、特に一戸建て住宅は既に約9割が木造だ。そのため、これまで以上の木造化やそれに伴う省CO2効果を期待できる分野は、非住宅の建築物や中高層建築ということになる。従来、これらの分野は法的規制や材としての性能、あるいはコストといった点から木造化が難しかったが、近年では規制の合理化や技術開発による材の性能向上等により、徐々に木造案件(鉄骨や鉄筋コンクリートとのハイブリッド木造含む)も現れつつある。
 例えば東京海上日動の新本店ビル(20階建て)や、丸井グループの渋谷マルイ(9階建て)が木造で建て替えられる予定だ。このような象徴的な案件以外にも、さまざまな用途の中高層建築物の木造化が計画されている。木造建築が元々持つ魅力(木の暖かみのある室内空間、特徴的な外観など)に加えて、木材利用が企業のサステナビリティ活動の一環として認識され始めていることも増加の要因として考えられる。

 □マーケット拡大も課題は山積 コスト高や評価簡素化、投資枠組みなど対応□
 このような背景や状況から、非住宅あるいは中高層の木造建築マーケットは徐々に拡大していくと見られている。しかし課題も存在する。

 〈1〉コストの低減
 3階までの低層建築の場合は鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも木造のほうがコスト的に有利な場合もあるが、中高層建築については耐火性を持たせるといった観点からコストが高くなってしまうことが多い。既存案件の中には、木造化によるブランディング効果等を見込むことでコスト高を許容しているものが多いが、今後の拡大に向けては工法の標準化などによりコスト低減を図ることが求められる。

 〈2〉省CO2効果の評価の簡素化
 前述したように建築物の木造化はCO2排出量の削減につながるが、この削減効果の定量化には一定の手間がかかる。CO2排出量算定に必要な原単位データベース(DB)では木質材料の項目が限られている。記載のある値も平均的な一般値であることから、近年注目を集めているCLTなどの製品区分におけるデータの拡充などが求められる。
 なお、このような状況は木質材料に限らず、建築分野全体での課題とも言え、建築資材の原単位DBの拡充、複合材料やデータひも付けに関する情報整理が必要だ。

 〈3〉ESG(環境・社会・企業統治)投資等における評価の枠組みの検討
 木造建築の持つCNへの寄与の効果を投資につなげる枠組みも求められる。現状では木材利用による省CO2効果や炭素貯蔵効果を各事業者が算出、提示したとしても、それが必ずしも定量的に明確な事業メリットにつながるわけではない。建築事業者などが投資家や金融機関に対して訴求し、投資家などがそれを評価できるような環境が整うことで、より木材利用の機運が高まると考えられる。

 建築物の木造化はCNの観点からこのような効果を持つとともに、国産材利用が進めばわが国の地域経済の振興にもつながる。今後の環境整備の促進により、さらなる木材利用の進展を期待したい。
 (みぞぐち・たくや)都市計画分野、スマートシティ関連の調査、コンサルティングに従事。住宅・不動産分野の政策形成支援、事業戦略策定の一環として建築物への木材利用促進に取り組む。
 次回は5月17日付掲載予定



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2023年4月25日火曜日

Japanese Construction Company Kajima Opens Museum for Concrete Technologies in Tokyo

Japanese construction company Kajima opened a center to offer information on concrete technologies at its Technical Research Institute in Chofu City, Tokyo. Various concrete technologies that contribute to a low-carbon society are on display, including CO2-SUICOM, a carbon-negative concrete that absorbs carbon dioxide while hardening, and cement-based 3D printing concrete. The center is an interactive exhibition where visitors can actually see, touch and learn deeper.

The museum, KAJIMA CONCRETE BASE, is an exhibition space with a large concrete table in the center and video projection. The introduction of the facility, the history of concrete, and the technologies are presented with panels and photographs. On the walls surrounding the concrete table, a large, impressive photograph of each technology is displayed. Beneath the photo, a booklet introducing the technology, its materials, and the actual products are displayed. Visitor can also learn from a video explaining the technology at the table.

When building the center, efforts were made to reduce CO2 emissions. The sidewalk leading to the entrance is paved with blocks made with CO2-SUICOM. Compared to conventional concrete, the new blocks reduced CO2 emissions by approximately 3.3 tons.

A special website for the center has also been launched on the company’s official website. An online museum of the exhibition has been set up on the site, and visitors can tour the facilities online from anywhere in the world. (2024/04/13)



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昭和産業など/配力筋S対応の鉄筋結束ロボット開発/舗装工事などに提案

建設用金物を製造販売する昭和産業(茨城県筑西市、小林正樹社長)は、建設現場向けロボット「トモロボシリーズ」を提供している建ロボテック(香川県三木町、眞部達也社長)などが行った鉄筋材(配力筋S)に対応した鉄筋結束ロボットの共同開発に協力した。角度が60度程度ある複数の鉄筋交差部でも結束を同時に行えるのが特徴。連続鉄筋コンクリート舗装工事などに積極的に提案する。
鉄筋加工品製造販売の小財スチール(福岡市博多区、小齊康正代表)との3社で開発した。市販の手持ち電動工具を利用し、鉄筋交点を結束するトモロボシリーズの鉄筋結束トモロボを連続鉄筋工法に対応させた。配力筋Sは、鉄筋のかぶりを確保するためのスペーサー材が一体になった鉄筋材。横目地を省くため、鉄筋を斜めに配置する連続鉄筋コンクリート舗装などに使われる。
3社は鉄筋結束トモロボの本体ユニットに、左右に離れた2カ所で結束作業を行える調整機能を備え付け、配力筋Sなどを用いて斜めに組んだ鉄筋の交点を結束できるようにした。車輪を固定する距離を変更するなど、傾きが発生しても安定して走行させられたり、バランスを保持できたりするよう工夫してある。結束機の昇降や鉄筋検知に関するソフトウエアも配力筋Sに対応させた。山形県や島根県の舗装工事現場で性能を確認した。4月から製品を提供している。
ロボット使用に伴う鉄筋結束の省力化に、スペーサー設置の工程を省略できる配力筋Sの効果が加わる。眞部社長は「(腰をかがめるような)苦渋作業からの解放や過酷な環境の緩和に寄与できる技術開発ができた」とコメント。小林社長は「配力筋Sを使用すると鉄筋組み立て作業が(実績値で)約1・4~2・0倍早くなる。少しでも現場の役に立てれば」としている。
新機構を備えた鉄筋結束トモロボ(報道発表資料から)

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回転窓/春先から熱中症予防を

先週は各地で最高気温25度以上の夏日が相次いだ。気象庁によると、18日に今年全国で初めて30度以上の真夏日を熊本県水俣市(30・2度)で観測した▼季節外れの暑さに体調を崩された方も多かろう。天候不順で寒暖差が大きく、体が暑さに慣れていないこの時期は、真夏以上に熱中症への注意が必要となる。体温調節をうまく機能させるため、日頃から運動や入浴などで汗をかき、意識的に暑熱順化を進めることも熱中症予防につながる▼環境省と気象庁は、あすから「熱中症警戒アラート」を運用する。気温や湿度などを基に示す「暑さ指数」が33以上と予測された場合にアラートを発表。専用サイトなどと合わせて報道機関や民間事業者にも配信し、広く周知する▼今国会に提出された気候変動適応法などの改正案では、熱中症対策を強化するため、現行のアラートより一段上の「熱中症特別警戒情報」の創設を盛り込んだ。法的に位置付けることで国民への注意喚起を強化し、自治体と連携して効果的な対策を講じる▼気候変動による環境変化への適応は待ったなし。自助・共助・公助によって暑さ対策に万全を期したい。

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大阪府豊中市/23年度下水道新免幹線、第3四半期に一般競争入札公告

大阪府豊中市は本年度、阪急電鉄豊中駅(本町1)から北側一帯の浸水を軽減する下水道幹線の第2期工事に着手する。「令和5年度下水道築造工事(新免幹線)」の一般競争入札を第3四半期に公告する予定。φ3000ミリの管渠を泥土圧式シールド工法で延長933メートル構築する。特殊マンホール工1カ所と取り込み工3カ所も施工。新免幹線第1期工事の発進立坑を本町7の稲荷山公園に設けており、ここから北東方向へ上野西2まで掘り進む計画だ。工期は37カ月を予定。2027年3月の完成を目指す。
新免幹線の第1期工事と第2期工事で、府立豊中高校がある上野西2から本町7や阪急豊中駅前を経て、国道176号地下を進み、阪急宝塚線をくぐり玉井町4までを結ぶ。総延長は約1・9キロ。最下流部の玉井4では既設下水道管渠と放流管につなぎ、豪雨時には新免幹線の流下量が増えると、規定値を超えた雨水を放流管を経て千里川に流し込み幹線周辺の治水安全性を確保する計画だ。
21年に工事に先行着手した新免幹線の第1期工事は、本町7から玉井町4までの区間にφ2000ミリの管渠をシールド工法で延長1017メートル整備している。24年1月の完成を見込む。
市は1999年度から10年に一度発生する可能性がある大雨の雨水を市街地から排除する浸水対策を進めてきた。新免幹線の整備事業も浸水対策の一つ。第2期工事は第1期工事よりも仕上がり内径が大きく、雨水貯留機能を強化し、幹線一帯の浸水被害軽減に役立てる。
新免幹線事業概要図(豊中市ホームページの図を基に作成)

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大林組/3Dプリンター建築完成、建築基準法対応は国内初

大林組が東京都清瀬市の同社技術研究所内に建設していた3Dプリンターを使った建屋が完成した。セメント系材料を使った3Dプリンター建築物として、建築基準法に基づく国土交通大臣認定を取得している国内初の建物。3Dプリンターで常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」を充てんし、床版や壁を構築した。空調、衛生、電気設備を設け、耐久性、構造、環境性能の評価を行う。3Dプリント技術のPR施設としても公開する。

3Dプリンター建築「3dpod」は、独自開発した常温硬化型超高強度繊維補強コンクリートで地上構造部材をすべて3Dプリンターで建設した。平屋で床面積は約27平方メートルの規模。曲面を多用し、通常の建築物と同様の利用を想定したデザインにした。壁を複数層にしたことでケーブルや配管ダクトを配置でき、空調や照明、洗面などを設けている。
3Dモデルで設計・製作フローを構築し、建築・構造・設備の各設計と施工を連携させた。最少材料で最大の空間が得られるようにも設計。床版(基礎、屋上階)は外部で製作し、3Dプリンターを据え付けて壁を構築した。屋上階の床版を架設して、再び3Dプリンターで壁を築いた。天井のスラブは別の場所で事前にプリントし、力が分散するよう、力の流れに沿った形状の突起(リブ)を設けている。鉄筋や鉄骨を使わなくても強度を確保した。
3Dプリンターは、建設業で複雑な曲面などデザイン性の高い形状を製造できるだけでなく、材料を現地に運ぶだけで済み、建設時の二酸化炭素(CO2)排出量の削減や、自動化施工による省人化などの効果が期待される。同社は今後、今回の大臣認定の取得で得たノウハウを活用し、複数階や面積規模を拡大した構造物の建設につなげる。将来的には3Dプリンターを使った宇宙空間での建設など幅広い可能性を追求していく。
3dpodの外観
内部は空調、衛生、電気設備を備える
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CCUS事業者登録10月から更新手続き、5年ごと必要/振興基金が対応呼び掛け

建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、5年ごとに必要となる事業者登録の更新手続きを10月に開始すると発表した。2019年4月の本格運用前、先行的な申請受付期間だった18年5月~19年3月に登録した事業者が対象となる。以降も更新期を迎える事業者にメールなどで事前周知し、確実な更新対応を働き掛けていく。

19年3月までに登録した事業者は一律で有効期限を24年3月末として扱う。更新手続きは新規登録時と同じようにインターネットか認定登録機関で対応。更新料として資本金額に応じた所定の事業者登録料を支払ってもらう。登録内容に変更がある場合、記載事項の変更と最新の証拠書類の提出が必要となる。更新作業に1カ月程度かかるため、有効期限満了1カ月前の2月末まで申し込みを受け付ける。
19年4月以降に登録した事業者は、登録日から5年後の月末を有効期限とする。有効期限満了の6カ月前から1カ月前まで更新手続きに対応してもらう。
例えば19年4月に登録した事業者は23年11月~24年3月末に申請を受け付ける。有効期限6カ月前を迎えた事業者には振興基金がメールで案内する。更新手続きに入らないまま有効期限2カ月前、1カ月前を迎えた事業者には再度案内し、積極的に更新対応を促す。
CCUSの登録状況は3月末時点で技能者は114万0762人、事業者(一人親方除く)は14万7850社。官民で構成するCCUS運営協議会が3月の総会で決定した23年度事業計画では更新事業者0・7万社の目標を掲げた。振興基金はCCUSの現場活用により能力評価制度を推進する意義を強調し、更新手続きへの協力を呼び掛けている。

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回転窓/期待高まる北陸新幹線

 ウェブサービスなどを手掛けるドワンゴ(東京都中央区、夏野剛社長)が、22~30日にイベント「ニコニコ超会議2023」を開く。オンラインとリアルを融合したサブカルチャーの祭典となる▼アイドルやコスプレなどの企画が並ぶ中、工事が進む北陸新幹線の金沢駅~敦賀駅間をテーマにした配信が実施される。鉄道建設・運輸施設整備支援機構らの協力を得て、小松駅や福井駅など新駅舎6駅を巡るロケを生放送するという▼本年度末に予定する開業を前に、沿線地域では準備が進む。福井県は、開業に向けた受け入れ態勢の整備やPRなどが担当の新幹線開業課を設置している。「新幹線開業ウェルカムダンス」を制作し、ダンス指導の出前教室なども展開中だ▼アフターコロナでインバウンドが戻ってきた中、新幹線の延伸は北陸地域にとって大きな力になる。今後は敦賀駅から新大阪駅までの整備実現に注目が集まる▼沿線地域の理解や大都市部での施工などクリアすべき課題はあるが、太平洋側に加えて日本海側に高速鉄道ネットワークが構築される意義は大きい。多くの関心と感謝を集めての早期完成を期待したい。



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2023年4月24日月曜日

仙台市/本庁舎整備事業、外装・外構計画など考え方まとまる

仙台市は本庁舎整備事業に関連し、外装・外構計画や滞留空間の考え方をまとめ、21日開催の市議会総務財政委員会に報告した。市の顔となる新庁舎の外装は明るいグレー系の基調色とし、周辺環境と調和するシンプルなデザインにする。新庁舎の屋上頂部に「市章」を設置。低層部の外壁面に大型デジタルサイネージを配置し、情報を発信する。日射負荷抑制やビル風抑制といった環境配慮に加え、設備機器などのメンテナンス通路としての機能を備えたバルコニーを高層部まで立体的に展開する。
敷地内には四つの広場を配置する。敷地の南東角に勾当台公園市民広場と一体的に連続する広場を設ける。高層棟と低層フロアの中央には屋根付きの広場を配置。北東角に低層棟の玄関口として交差点に開かれた広場を設置する。もう一つは2期の北側に低層棟に囲まれた青空広場を設ける。
市は環境配慮として第2期工事の建物で木造ハイブリッド構造の実現を目指す。エントランスホールなどの内装を木質化し、カーボンニュートラル(CN)の取り組みも発信する。基本・実施設計は石本建築事務所・千葉学建築計画事務所JVに委託している。第1期工事は11月の入札公告を予定。先行して議会棟や低層棟、噴水広場の解体を本年度第2四半期(7~9月)に開始する。
南側から見た新本庁舎の完成イメージ(仙台市議会総務財政委員会資料から)
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細田工務店、安井杢工務店/湯川秀樹氏旧宅の改築着手、設計は安藤忠雄建築研究所

日本初のノーベル賞受賞者である物理学者・湯川秀樹博士の旧宅の改築工事に、長谷工グループの細田工務店(東京都杉並区、野村孝一郎社長)と、安井杢工務店(京都府向日市、安井洋社長)が着手した。物件は京都大学が所有。安藤忠雄建築研究所が設計を担う。博士ゆかりの部分を復元したり残したりしつつ、主屋西側に木造棟を増築し、賓客対応の機能を持たせる。
所在地は京都市左京区下鴨泉川町6の5。邸宅は木造2階建て、改築後は延べ358・18平方メートルの規模。1933年に建てられ、湯川博士が57年頃から家族と住み晩年まで過ごした。博士の親族から引き渡しを受けた長谷工コーポレーションが、2021年8月に母校の京都大学に寄付した。改築工事も寄付の一部として実施する。工期は23年4月~24年3月を予定。
整備では建物外部を補修・補強し、内部は博士が住んでいた頃の状態に復元する。特に博士のゆかりを感じさせる部分を核として座敷や書斎兼応接室、主庭の風景などを保存する。土蔵や一部の塀、植栽も残すことで昭和初期の近代洋風住宅の屋敷構えを受け継ぎ、下鴨泉川町の景観になじませる。同時に新たにロビーや大学の賓客対応に必要な機能を備えた新棟を増築する。
座敷からの主庭のイメージ(報道発表資料から)
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竹中土木、岐阜工業/覆工コンクリ、打設前の巻き立て空間測定を効率化

竹中土木と岐阜工業(岐阜県瑞穂市、宗像国義代表取締役)は、トンネル覆工コンクリート打設前に行う巻き立て空間の測定が効率化できるシステムを開発した。防水シートが地山に密着せずに浮いた状態でも、セントルの妻側に装備した鋼製フラットバーをワイヤ伸縮式油圧シリンダー(センサー付き)を使いシート側に押し上げることで巻き立て空間が測定、記録できる。
フラットバーは妻型枠の一部としても利用可能。先端にはゴム製の緩衝材を設け防水シートの破損を防ぐ構造を採用している。フラットバーの伸縮操作はタブレット端末で行えるように工夫。測定した数値は管理用パソコンや職員のタブレット端末、ウェブにも表示され、現場事務所など遠隔地からの確認も可能だ。
従来は狭いセントル内を行き来して巻き立て空間の測定と写真撮影を2人1組で実施していたが、フラットバー表面に写真撮影用のスタッフを取り付けることで1人で行えるようにした。
竹中土木が福井県内で施工中のトンネル工事に試行導入し実証実験を行った結果、施工管理が効率化できることを確認した。
今回の実証実験はセントルの妻側を対象に行ったが、今後は中間部への適用も検討する方針。合わせて写真撮影装置と測定データの施工管理システムとの連携など、さらなる効率化に向けた開発を継続していく。
システムの概要(報道発表資料から)
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文化庁/建築文化検討会議開く、座長が建築文化振興法制定を提案

文化庁は21日、建築家や学識者らで構成する「建築文化に関する検討会議」(座長・後藤治工学院大学理事長)の会合を東京都内で開いた。建築文化を文化領域の一つとして確立し、建築物単体だけではなく、それを取り巻く風景や街並みを含め、保存や活用の方向性を探る。会合で後藤座長は「建築文化振興法」の制定を提案。近代建築物の維持・保存、継承を後押しするため、同法に基づき指定された建築物を再利用する場合、交付金や補助金で助成率を上乗せするといった優遇措置も案として示した。
5月25日に開かれる次回会合で検討会議の報告書案を提示し、6月初旬までに報告書を決定する予定だ。政府が同月にもまとめる2024年度予算編成方針などを示す「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)への反映を目指す。
会合で同庁は報告書の方向性を提示。それを踏まえ有識者が意見交換した。
同庁は、3月に決定した「文化芸術推進基本計画(第2期)」に「建築文化の振興」が盛り込まれたと説明。建築を文化として捉える流れが政府の中でできつつあるとした。
後藤座長は「建築文化は国土交通省や農林水産省など他省庁と連携の深い点が、ほかの伝統文化との最大の違いだ」と指摘。そうした性質を踏まえ、文化芸術に関する既存の法律に建築文化を組み込むのではなく、建築文化に特化した振興法の整備を提言した。あくまでも討議の中で意見が出た段階で、法整備の方針が固まったわけではない。ただ文化庁の担当者はこの提案に対し「(建築文化を振興していく上で)確かに法律は必要になってくると思う」と前向きに受け止めている。
国内の近代建築物を巡る課題として、建築、維持、取り壊しの循環スパンが短い点が指摘されている。会合では取り壊しを抑制するため税制の在り方や地域でのルール作りも論点となった。
委員として参画する建築家の隈研吾氏は、近代建築が取り壊される制度的な課題として、既存不適格建築物と相続税を挙げた。経済面の話も含め、適切な保存・活用を促すための指針の必要性を訴えた。
検討会議委員の集合写真
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回転窓/大凧に願いを込めて

埼玉県春日部市の江戸川河川敷で5月3日と5日に「春日部大凧(だこ)あげ祭り」が開かれる。コロナ禍で中止や無観客での開催が続き、近くで大凧を見られるのは4年ぶりとなる▼大きさは縦15メートル×横11メートル、重さ800キロ。100人以上の引き手が力を合わせて空に揚げる光景は壮観だ▼江戸時代に養蚕の豊作を占うために数十個の凧を揚げ始めたのが起源という。そして端午の節句に子供の健やかな成長を祈願する祭りに。凧は徐々に大きくなり、明治中期には現在の大きさになったという▼二つの大凧にそれぞれ書く文字がある。2023年は「平和」と「世界」。コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻など、混沌(こんとん)とした社会情勢の中で皆に共通した願いが込められる▼もうすぐゴールデンウイーク(GW)。大手旅行会社は今年のGWの国内旅行者数(1泊以上)が、コロナ禍前の19年と同水準になると推計する。観光需要の回復が景気浮揚を後押しするよう期待したい▼春日部大凧あげ祭りでは二つの小凧(縦6メートル×横4メートル、重さ150キロ)も揚げられる。それらに書かれた「成長」と「挑戦」の文字も薫風の空に映えるだろう。

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サークル/梓設計eスポーツ部/楽しむ姿勢を大事に大会にも挑戦

コンピューターゲームの対戦競技「eスポーツ」が盛り上がりを見せている中、会社公認の部として2021年ころ発足した。eスポーツ施設プロジェクトで設計・監理を手掛けた時、社内にeスポーツのプレーヤーがいることが分かったのがきっかけだ。
現在は約25人が所属。メインで楽しんでいるのは、舞台となっている孤島で生き残りを目指す「PUBG Mobile」というゲームで約10人が参加している。遠隔からプレーする支社の部員もいる。
練習は不定期だが、企業同士の練習試合には、ほぼ毎週取り組んでいる。今後は社内の参加者を増やしていく方針だ。年に数回開かれる大きな大会に積極的に参加しており、他社のeスポーツ部とのゲーム内交流も深めている。企業対抗戦を通して出会った企業との合同合宿も見据える。
企業対抗戦で上位を目指しているが、楽しむ姿勢を大事にしている。代表を務めるアーキテクト部門の岩瀬功樹アソシエイトは「eスポーツにはたくさんタイトル(ゲーム)があり、社内に名プレーヤーが眠っていると思う。ほかのタイトルも盛り上げていきたい」と意気込みを見せる。
大きな大会にも積極的に挑戦している
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奈良市/佐保小に新校舎建設、鼓阪小と統合5月に設計プロポ公告

 奈良市は、市中心部に位置する若草中学校区の教育環境を改善するため、鼓阪小学校(雑司町)と佐保小学校(法蓮町)の統合を計画している。統合校の校舎は佐保小の敷地内に計画しており、早ければ5月に設計業務の委託先を選定する公募型プロポーザルの手続きを始める。本年度は設計作業を進め、2024年度の着工、26年4月の開校を目指す。
 同市は、児童や生徒が集団の中で多様な考えに触れ、一人一人の資質や能力を伸ばせるよう学校規模の適正化を進めている。鼓阪小は児童数が減少傾向にあり、各学年1クラスの過小規模になっている。一方、佐保小はピーク時に比べて減少しているものの、近年は250~280人台を維持し、今後も250人前後で推移すると見込まれている。
 両校を統合することで開校時の児童数は500人程度に増え、各学年2~3クラス、計17クラスになる模様だ。
 佐保小の既設校舎は老朽化が進んでいるため、統合校の校舎は新築する。建設場所は既設校舎南側のグラウンドが想定されるが、市は基本設計を進めながら建物の配置や規模などを固める。
 プロポーザルで委託先を選定するのは「佐保小学校校舎建設に伴う建築設計業務」。5月にも公募手続きを開始し、6月末に最優秀提案を決める予定だ。現在、募集要項を検討しており、詳細な業務内容は仕様書で示す。13日に開かれたプロポーザル方式採否審査会でプロポーザルの採用が決定した。
 市は、統合計画や通学路などについて住民に説明するとともに、学校関係者や保護者、PTAの意見を参考に校舎づくりや教育課程などを検討する予定だ。
 若草中学校区にある鼓阪北小学校(青山)については、一人一人の子どもに合わせて学びをつくる「HOP青山」(青山)と連携させる。



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2023年4月21日金曜日

全建/22年災害対応状況調査/各地で地域建設業が奮闘、SNSでも活躍発信

2022年も全国で猛威を振るった自然災害。春から秋にかけての出水期には台風や大雨による風水害が広い範囲で発生し、各地のインフラなどに大きな被害をもたらした。秋以降は高原病性鳥インフルエンザが大流行。過去最多の発生件数を大幅に上回るペースで更新し続けている。全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)によると、都道府県建設業協会・支部や会員企業らが発災直後から災害・防疫活動に現場最前線で対応。過酷な作業環境下で「地域の守り手」としての使命を果たした。
全建が都道府県協会・支部や会員企業らによる22年の主な災害対応状況をまとめた。23年も毎月発行している広報誌『全建ジャーナル』に掲載し紹介する予定。建設業の魅力をPRする戦略的広報の一環として、3日に開設したSNS(インターネット交流サイト)の公式ツイッター@zenken_net(https://twitter.com/zenken_net)でも発信していく。
22年7月に宮城県の広い範囲で土砂災害や堤防決壊などの被害をもたらした大雨災害。宮城県建設業協会(千葉嘉春会長)の会員企業が国道4号に流出した土砂の撤去や決壊した出来川堤防の緊急応急作業、国道349号の道路流出復旧に当たった。同13~28日の全体的な災害復旧活動で延べ作業人数は2933人に上る。
8月には新潟県の各地で大雨災害による甚大な被害が相次ぎ発生した。新潟県建設業協会(植木義明会長)は同5~26日、大沢川から流出した流木や土砂の撤去に延べ作業人数281人を投入した。県の指示を受け同10日~9月下旬には土石流の影響で埋没、損傷した上江沢川の流路や砂防施設を緊急復旧した。
水害対応では青森県建設業協会(鹿内雄二会長)が決壊した大和沢川の堤防を応急復旧し、流域に広がる農地の被害を抑えた。宮崎県建設業協会(藤元建二会長)は台風14号による延岡港海岸の漂着物を撤去。道路復旧では、北海道建設業協会(岩田圭剛会長)が遠別中川線ののり面復旧、山梨県建設業協会(浅野正一会長)が土砂崩落した北杜富士見線の応急復旧、秋田県建設業協会(北林一成会長)が国道105号の土砂撤去や仮設道路の設置にそれぞれ当たった。
豪雪地帯の除雪対応では、富山県建設業協会(竹内茂会長)が23年1月23日、夜を通して国道8号の除雪に当たった。鳥インフルエンザの防疫対応は現在も進行中。全建は栃木、埼玉、茨城、長崎の各協会が対応した埋却場所の掘削や埋却作業の様子を紹介する予定だ。
全建は公式ツイッターで「22年度災害・防疫対応を振り返る」と題し、各協会の災害対応の様子を発信中。頻繁に更新している。
ツイッターでも災害対応の活躍を発信(全建提供)

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先端建設技術センター/技術開発のトレンド分析、構造物調査が最多

先端建設技術センター(佐藤直良理事長)は、土木・建築関係の専門紙などを参考に直近の技術開発のトレンドをまとめた。まだ確立されておらず検証中や検証予定の新技術に関する記事を収集・分析。記事化された技術を分類ごとに整理した結果=グラフ参照=を見ると、インフラの点検・調査に活用する「構造物調査」が最も多く全体の1割以上を占めた。生産性向上や労働者の省人化につながる「情報化施工」、山間部の新設道路に活用する「トンネル工(NATM)」も上位だった。
2018~21年の4年間で新聞5紙・雑誌など31誌から計336件の記事を収集した。技術開発の最新動向をキャッチアップする目的で、新技術情報提供システム(NETIS)登録技術など既に確立された技術は対象外とした。新技術を積極的に活用したい発注者などが工事発注時、参考にできる情報として整理した。
構造物調査はドローンや光ファイバーセンサー、動画、AI、3D点群データなどを活用した技術が多い。インフラ施設の老朽化や維持管理コストの増大が社会問題化する中、維持管理業務を効率化するニーズの高まりが背景にあると考えられる。施工現場でICTなどを活用する情報化施工技術も、生産性向上を求める時代背景が影響している。
トンネル工のうちNATM技術は、リニア中央新幹線など山間部を通る鉄道や道路の新設計画があり開発機運の高まりにつながっている。これ以外に技術開発が多かった「施工管理」を対象工種ごとに見ると、トンネル工が半数以上の15件に達した。
新技術がもたらす効果を性質ごとに整理すると、▽経済性=24%▽施工性=23%▽品質=19%▽安全性=17%▽工程=12%▽環境=5%。現場の施工効率や安全性、構造物の品質を高める新技術が多く、環境面で効果が高い技術はまだ少ないことが分かった。
同センターは分析方法を一部見直した上で、今後も新技術情報の収集・分析を継続する方針。中期的な技術開発トレンドを把握し、組織内の技術力向上につなげる。
記事化された新技術の分類ごとの割合(先端建設技術センター資料から)

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東亜建設工業/岸壁点検に水中ドローン活用、画像から構造物形状を3Dモデル化

東亜建設工業は、水中ドローンで撮影した写真画像から構造物の形状を3Dモデル化する技術を岸壁の点検作業に試験的に導入した。実用性の検証を行った結果、多少の濁りがある海域でもオルソ画像(真上から見たような傾きのない画像)への変換が可能で、対象物の寸法などが正確に計測できることを確認した。

港湾構造物の維持管理は主に潜水士が潜水調査を行ってきたが、コストや時間がかかる上、劣化箇所の局所的な写真撮影にとどまり全体の把握が難しかったという。水中ドローンに搭載したカメラ画像を使った測量技術を活用することで水中構造物の調査の効率化と低コスト化が期待できる。
検証では潜水士が撮影した写真や、水上からカメラを水中に降ろして撮影した写真でも構造物の形状を高品質に3Dモデル化できることを確認した。
同技術の活用で港湾構造物の破損や変形、亀裂の有無、水生生物の付着状況などが正確に把握できる。定期的な調査に使うと構造物の経時変化も把握できるため「港湾構造物の維持管理に非常に有効な手段」(同社)としている。
今後は写真撮影を行っている水中ドローンの自動制御や後処理で実施する解析作業のリアルタイム化に加え、水中ドローンに搭載した非接触センサーで岸壁の劣化状態を計測するなど、維持管理の効率化に取り組んでいく考えだ。
多少濁りがある海域でもオルソ画像を生成(報道発表資料から)

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住友不ら/八重洲二丁目南地区(東京都中央区)、パラスポーツテーマに施設整備

住友不動産らが東京都中央区の八重洲二丁目南地区で計画している開発プロジェクトの詳細が明らかになった。施設は延べ約13・5万平方メートル、高さ約230メートルを想定。東京五輪・パラリンピックのレガシー(遺産)継承に力を入れる方針で、施設内にはパラスポーツをテーマとした情報発信拠点やバリアフリーに配慮したホテルなどを整備する。2024年度に着工し28年度の完成を目指す。

プロジェクトの詳細は内閣府地方創生推進事務局が14日に開いた東京圏国家戦略特別区域会議東京都都市再生分科会で報告された。
計画地は八重洲2の8ほか(敷地面積8830平方メートル)。東京駅八重洲口の南側に位置し、外堀通りと鍛冶橋通りが交差する鍛冶橋交差点に面する。14年に営業を終了した「八重洲富士屋ホテル」を住友不動産が取得し、周辺の地権者と共同で事業化を検討してきた。
建物は地下3階地上39階建て延べ13万5200平方メートルの規模で計画。地下1階にはパラスポーツをテーマにした情報発信拠点や交流スペース、広場、店舗などを入れる。北側に隣接する八重洲二丁目中地区の再開発ビルや、東側にある複合施設「東京スクエアガーデン」と接続する地下通路も建設し、東京駅から続く歩行者ネットワークを形成する。
1階部分は区画を南北に区切り、中心には東西を貫く貫通通路を整備。北側の区画はアトリウムや店舗スペースにする。アトリウムの面積は約2000平方メートルで、災害時には約1200人の帰宅困難者を受け入れる。南側はパラスポーツ関連団体などの受け入れを見据えて大型バスの発着場を設ける。地上部分の低層部はバリアフリーに配慮したホテル、中高層部はオフィスとする。
鍛冶橋通りは西に約600メートル進むと皇居の馬場先門に突き当たり、沿道は並木道になっている。周辺環境に配慮し、鍛冶橋通りに面する計画地北側は緑豊かな広場として整備する。
施設の完成イメージ(内閣府資料から)

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回転窓/期待高まる北陸新幹線

ウェブサービスなどを手掛けるドワンゴ(東京都中央区、夏野剛社長)が、22~30日にイベント「ニコニコ超会議2023」を開く。オンラインとリアルを融合したサブカルチャーの祭典となる▼アイドルやコスプレなどの企画が並ぶ中、工事が進む北陸新幹線の金沢駅~敦賀駅間をテーマにした配信が実施される。鉄道建設・運輸施設整備支援機構らの協力を得て、小松駅や福井駅など新駅舎6駅を巡るロケを生放送するという▼本年度末に予定する開業を前に、沿線地域では準備が進む。福井県は、開業に向けた受け入れ態勢の整備やPRなどが担当の新幹線開業課を設置している。「新幹線開業ウェルカムダンス」を制作し、ダンス指導の出前教室なども展開中だ▼アフターコロナでインバウンドが戻ってきた中、新幹線の延伸は北陸地域にとって大きな力になる。今後は敦賀駅から新大阪駅までの整備実現に注目が集まる▼沿線地域の理解や大都市部での施工などクリアすべき課題はあるが、太平洋側に加えて日本海側に高速鉄道ネットワークが構築される意義は大きい。多くの関心と感謝を集めての早期完成を期待したい。

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国交省/宇宙無人建設革新プロジェクト/技術研究開発12件決定

国土交通省は、文部科学省と連携し推進する「宇宙無人建設革新技術開発推進事業(宇宙建設革新プロジェクト)」で2023年度に技術研究開発に取り組む12件を決定した。すべて既存の選定プロジェクトの継続・移行分となる。25年度までに基盤技術の開発を終え、30年ごろまでの実用化を目指す。
12件すべてで複数年度の実施を視野にR&D(技術研究開発)を進める。うち3件はFS(実現可能性の検証)の段階から移行した。技術の特性ごとに分類すると、無人建設(自動化・遠隔化)技術が8件、建材製造技術が1件、簡易施設建設技術が3件。
内閣府が主導する「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」の一環。世界に先駆けて月面拠点を建設するため、無人化施工などで優先的に開発すべき技術・水準を明確化し集中投資する。地上で行われる通常の建設工事にも知見を生かす。
12件は次の通り。▽テーマ概要=実施代表者。
▽自律遠隔施工技術の宇宙適用=鹿島▽自律施工のための環境認識基盤システム=清水建設▽月面適応のためのSLAM自動運転技術=大成建設▽トータル月面建設システムのモデル構築=有人宇宙システム▽デジタルツイン技術を活用した月面建設機械=コマツ▽月面の3D地質地盤図作成に向けた測量・地盤調査法=立命館大学
▽索道技術を利用した災害対応運搬技術=熊谷組▽回転切削圧入の施工データを活用した設計施工の合理化=技研製作所▽月資源を用いた拠点基地建設材料の製造・施工方法=大林組▽月面インフレータブル居住モジュールの地上実証モデル構築=清水建設▽月面での展開構造物の要件定義・無人設営=大林組▽月の縦孔での滞在開始用ベースキャンプの最小形態と展開着床機構=東京大学。

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大阪府池田市/阪急池田駅周辺基本計画策定に着手、プロポ参加表明4月26日まで受付

 大阪府池田市は阪急電鉄池田駅(栄町1)周辺で地権者や関係機関が持続可能な官民連携の街づくりを実現するための基本計画づくりに着手する。「阪急池田駅周辺の基本計画策定及びせせらぎモールの詳細設計」の委託先を決める公募型プロポーザルを公告した。同業務で駅北広場(約9300平方メートル)と駅南広場(約4600平方メートル)の再整備案デザインを検討し、駅南広場に設けている水が流れるエリア「せせらぎモール」再整備実施設計を行う。参加表明は26日、提案書は5月12日まで受け付け、6月上旬に結果を通知する。
 参加できるのは建設コンサルタント登録規程(旧建設省告示)に基づく「都市計画及び地方計画部門」の登録企業。
 同業務のうち、広場2カ所で▽駅周辺の交通計画検討▽バリアフリー動線検討▽必要な機能整理と導入施設仕様検討▽整備コンセプトと重要業績指標(KPI)検討▽各施設のレイアウトとデザイン検討、与条件の確認調査▽イメージパース作成(3枚程度)-は共通して実施。
 駅南広場については、将来的なモビリティの導入を含む広場の交通施設レイアウトの検討と、せせらぎモール(約1500平方メートル)の基本設計を行う。
 せせらぎモールの実施設計では、実施設計図と数量計算書を作成し、概算工事費を算出。水景施設の下水処理水活用方針や水景施設のデザインを検討し、実施設計を取りまとめる。
 委託期間は2024年3月31日まで。委託上限額は5100万円(税込み)。
 阪急池田駅は1910年に阪急電鉄の前身「箕面有馬電気軌道」開通時に開業した。86年に高架化が完了。駅西側にある室町は、同社が郊外住宅地開発を行った場所で、私鉄初の郊外住宅地開発事業だった。
 市は同駅を多様な人材の集積や投資を引きつける街づくりの核に位置付けている。駅周辺の安全性や交通結節機能のほか、市民サービス機能と滞在時の快適性の向上を進める方針だ。



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2023年4月20日木曜日

国交省/23年度のプロジェクト・プラトー取り組み方針、ユースケース22件を開発

国土交通省は3D都市モデル「Project PLATEAU(プロジェクト・プラトー)」の2023年度の取り組み方針を固めた。民間事業者と連携し、22件のユースケース(利活用場面)開発に着手。新たに70自治体の都市モデルも追加し、全国200都市まで拡大する。官民の各事業者が自律的に都市モデルを作成し、活用する「エコシステム」の構築を目指す。
ユースケースでは22件を採択した。都市計画関連では、日建設計らが「地下埋設物を活用した都市開発DX」と題して、地下埋設物モデルの効率的な作成手法を検討。BIMモデルとの連携システムを開発し、埋設物の照会作業を後押しする。モビリティ・ロボティクス分野では、竹中工務店らが「屋内外の水平及び垂直移動を可能とする自律運航モビリティシステムの開発」に着手する。
地方自治体の都市モデルの整備や活用に向けた支援にも力を入れる。事例集やユースケース開発ガイドといった資料を提供し、事業を後押しする。
補助制度も昨年度に引き続き実施する。48団体、104都市が参画。浸水のシミュレーションによる防災対策の検討や、人流データを活用した都市計画の立案など幅広い分野に活用してもらう。各自治体のニーズを民間事業者と共有し、新たな事業につなげるマッチングイベントも開催する。
プロジェクトの一覧は国交省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi03_hh_000101.html)で確認できる。
地下埋設物を活用した都市開発DXのイメージ(国土交通データプラットフォームから)

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大阪府池田市/阪急池田駅周辺基本計画策定に着手、プロポ参加表明4月26日まで受付

大阪府池田市は阪急電鉄池田駅(栄町1)周辺で地権者や関係機関が持続可能な官民連携の街づくりを実現するための基本計画づくりに着手する。「阪急池田駅周辺の基本計画策定及びせせらぎモールの詳細設計」の委託先を決める公募型プロポーザルを公告した。同業務で駅北広場(約9300平方メートル)と駅南広場(約4600平方メートル)の再整備案デザインを検討し、駅南広場に設けている水が流れるエリア「せせらぎモール」再整備実施設計を行う。参加表明は26日、提案書は5月12日まで受け付け、6月上旬に結果を通知する。
参加できるのは建設コンサルタント登録規程(旧建設省告示)に基づく「都市計画及び地方計画部門」の登録企業。
同業務のうち、広場2カ所で▽駅周辺の交通計画検討▽バリアフリー動線検討▽必要な機能整理と導入施設仕様検討▽整備コンセプトと重要業績指標(KPI)検討▽各施設のレイアウトとデザイン検討、与条件の確認調査▽イメージパース作成(3枚程度)-は共通して実施。
駅南広場については、将来的なモビリティの導入を含む広場の交通施設レイアウトの検討と、せせらぎモール(約1500平方メートル)の基本設計を行う。
せせらぎモールの実施設計では、実施設計図と数量計算書を作成し、概算工事費を算出。水景施設の下水処理水活用方針や水景施設のデザインを検討し、実施設計を取りまとめる。
委託期間は2024年3月31日まで。委託上限額は5100万円(税込み)。
阪急池田駅は1910年に阪急電鉄の前身「箕面有馬電気軌道」開通時に開業した。86年に高架化が完了。駅西側にある室町は、同社が郊外住宅地開発を行った場所で、私鉄初の郊外住宅地開発事業だった。
市は同駅を多様な人材の集積や投資を引きつける街づくりの核に位置付けている。駅周辺の安全性や交通結節機能のほか、市民サービス機能と滞在時の快適性の向上を進める方針だ。
業務区域図

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高知県四万十町/文化的施設建設を建築・設備分離発注、7月にも入札公告

高知県四万十町は、旧町役場庁舎跡地(茂串町3)に計画している文化的施設の建設工事を建築と電気設備、機械設備に分けて発注する。7月にも施工者を決める一般競争入札を公告する。9月議会で工事契約の承認後、10月に着工し、2024年11月の完成を目指す。設計はスターパイロッツ・建築設計群無垢JVが担当した。
図書館や美術館の入るメイン棟はRC・S一部SRC造2階建て、アプローチ棟・線路棟はW造平屋で、延べ床面積は合わせて約2000平方メートルを想定している。工期は約14カ月を見込む。敷地面積は約4400平方メートル。
2億円以上の工事はJVに発注する内規があり、入札参加資格の詳細は6月の指名審査会で固める。14年3月に完成した本庁舎工事を参考にするとしている。同工事の建築は3者で構成する県内JVに発注した。
23年度当初予算に21億0032万円を計上した。うち建築に伴う工事費に17億2636万9000円を充てる。
完成イメージ(実施設計から)

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回転窓/日々学び直し

文章を書く仕事柄、どう使うのかと戸惑う用語によく出会う。最近は「リスキリング」と「リカレント」の使い分け。本紙ではどちらも「学び直し」と訳を付け表記している▼資料に記された方を当たり前のように使ってしまうが、意味や文脈を踏まえると、もう一方が適していることも。言葉の意味と用法を理解し、きちんと使い分けて適切に用いるよう心掛けたい▼職種を問わず学び続けるには学び方を身に付けておく必要があるが、東京大学らの研究グループが気になる調査結果を公表した。小学4年~高校3年を対象にした調査で「上手な勉強の仕方が分からない」と答えた割合が2019年以降増加し、22年は7割近くに上ることが分かった▼研究グループはコロナ禍で体験から学ぶ機会が減り、試行錯誤や挑戦も少なくなったため、学習方法が身に付きにくくなったと分析。こうした変化が小学生に顕著に表れているそうだ▼コロナ禍は生活や仕事、学習といったさまざまなものに影響を与え、ソーシャルディスタンスなど新しい言葉を生んだ。それも時代とともに変化するだろう。日々学び直しだと肝に銘じたい。


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国交省/駐車場施策ガイドラインを改定/都市部での整備の在り方提示

国土交通省は都市部で整備する駐車場の在り方を示した「まちづくりと連携した駐車場施策ガイドライン」を改定した。都市開発の状況やニーズに応じて駐車場の必要な量や機能を確保。稼働率が低い駐車場は他用途への転換を検討し、土地の有効活用によって街のにぎわい創出を後押しするよう求めている。
指針では定期的に駐車場の需給状況を調査し適切な量を確保する必要があると指摘。その上で稼働率が低い駐車場は他用途への転換を促している。一方、駐車場が不足する地域では新たに整備するだけではなく、自転車や公共交通機関の利用も促す需要の調整が重要になるとした。
駐車目的に応じて駐車場に付加すべき施設機能も提案した。例えば通勤利用では公共交通手段が限られる場所などへの優先的な整備が求められる。配達や荷さばきといった業務利用では目的地への距離や高低差を極力減らし、歩行者との交錯を防ぐ工夫が必要になるとした。


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丹青社/アート・工芸作品プラットフォームで都内に常設ギャラリー開設

丹青社は、アート・工芸作品を扱うプラットフォーム「B-OWND(ビーオウンド)」の常設ギャラリーを開設する。阪急メンズ東京(東京都千代田区)の7階にアートギャラリー「B-OWND Gallery」を設置。29日にプレオープンし、5月31日にグランドオープンを迎える。同プラットフォームとして初めての常設ギャラリーとなる。
これまでは主にオンラインで作品を販売してきた。常設ギャラリーでは、参加アーティストによる作品を展示して販売する。アーティストと共創したNFT(非代替性トークン)アート作品の展示や販売も予定する。こけら落とし企画展として、5月31日~6月6日に古賀崇洋個展「NEOWABI-SABI」を開く予定だ。
「B-OWND Gallery」イメージパース(報道発表資料から)

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回転窓/近づく自動運転社会

 高速道路で大きく変わったものと言えば、多くの人でにぎわう商業施設となったSAが一つに挙げられよう。地域や場所ごとに特徴あるSAは楽しく、休憩施設としての利用に加えてご当地グルメやショッピングを満喫できる▼よく訪れるSAで普通車用駐車マスの位置が変更されていた。障害者用や大型車用のスペースを拡充し、電気自動車(EV)に必要な充電設備も新設したのが理由。車両の普及とともに充電インフラの整備も着実な進展を見せる▼政府が先月末、新東名高速道路の一部区間に自動運転用レーンを設けると発表した。自動運転トラックを対象に、2024年度にも100キロ以上にわたる区間で運行できるようにする方針だ▼等間隔に置いたセンサーやカメラなどで路面と車両の状況をリアルタイムに把握し、地図や3D空間のデータベースと組み合わせて安全に走行させる。地域限定など一定条件の下、運転手が不要となる「レベル4」の自動運転を想定しているという▼自動運転の実現には車両の開発と併せて、安全走行を支えるインフラの整備が欠かせない。そうしたさまざまな変化を注視していこう。



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2023年4月19日水曜日

中建審が総会/8月に制度改正の大枠、持続可能検討会提言具現化へ基本問題小委で検討

中央建設業審議会(中建審、大久保哲夫会長)の総会が18日に東京都内で開かれ、先月公表された有識者会議「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」の提言をベースとした法制度の整備・改正に向けた議論が本格スタートした=写真。中建審と社会資本整備審議会(社整審)産業分科会建設部会に設置する合同の基本問題小委員会で5月から詳細検討に入り、8月をめどに制度設計の大枠を固める。建設業法の改正が必要な事項などが含まれる提言の内容を法制度にどう落とし込むか、今後の議論の推移に注目が集まる。
総会では国土交通省が建設業行政の最新動向を紹介しつつ、提言で示された論点を説明。新・担い手3法の制定時を例に挙げ、今後は基本問題小委で制度検討に当たる流れを踏襲する方針を示した。基本問題小委を5月から月1回のペースで開き、検討課題ごとに詳細を詰める。8月ごろに中間まとめを決定し、中建審に報告。これを受け国交省が必要な制度整備・改正に取り掛かる段取りとなる。
基本問題小委の委員の選任案も明らかにした=2面に一覧。建設業関係の学識者を中心に、幅広い専門分野や他産業の視点を取り入れて提言をまとめた検討会メンバーの多くも名を連ねる。建設業界の主要団体の幹部らに加え、不動産業界や住宅業界の関係者も参加する。
検討会の提言では請負契約の透明性向上を通じ受発注者の協議プロセスを確保する方策や、労務費の圧縮を伴う低価格競争や著しく短い工期を制限する方策などが列挙された。例えば建設業法で規定する契約時の記載事項の内容を充実させ、価格変動への対応の在り方を明確化する。
建設業法の「不当に低い請負代金の禁止」「著しく短い工期の禁止」の両規定では現状、受注者や下請が自らの意思で低価格や短工期で受注することは制限されていない。検討会では最低限必要な労務費の水準として「標準労務費」を中建審が勧告することを提言。基本問題小委では標準労務費の考え方などで合意を取ることになりそうだ。

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建築学会/23年大賞に石野久彌・嘉納成男・中島正愛の3氏、学会賞も決まる

日本建築学会(田辺新一会長)は、2023年の大賞や学会賞などを決定した。建築に関する学術・技術・芸術の発展に貢献した個人会員をたたえる大賞には、終身正会員の石野久彌氏(東京都立大学名誉教授)と、名誉会員の嘉納成男氏(早稲田大学名誉教授)、中島正愛氏(小堀鐸二研究所社長、京都大学名誉教授)の3人が選ばれた。=12面に大賞を除く各賞の詳細
学会賞は論文部門8件、作品部門3件、技術部門2件、業績部門3件を選定。教育賞5件(教育業績1件、教育貢献4件)、著作賞5件、作品選奨10件、奨励賞15件、文化賞3件、作品選集新人賞15件(17人)も選んだ。
大賞の石野氏は「環境建築のための建築設備・環境工学研究と設計技術の発展への貢献」が高く評価された。嘉納氏は「工程計画と管理における数理科学的手法の開発とそのICT化の促進に関する学術的貢献」、中島氏は「大型耐震実験手法の開発と耐震解析・設計の高度化に関する一連の研究と国際貢献」の業績が受賞につながった。
大賞や学会賞などの贈呈式は5月30日に東京都港区の建築会館ホールで開く通常総会後に実施する。奨励賞と作品選集新人賞の表彰式は、京都大学吉田キャンパス(京都市左京区)で9月12~15日に実施する23年度日本建築学会大会に合わせて開く予定だ。
石野 久彌氏(いしの・ひさや)1973年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程満了、日建設計入社。81年宇都宮大学工学部助教授、86年東京都立大学工学部助教授、93年同教授、95年米イリノイ大学アーバナ・シャンペン校客員教授、2008年東京都立大学名誉教授。著作に『見る・使う・学ぶ環境建築』など。兵庫県出身、78歳。
嘉納 成男氏(かのう・なるお)1970年早稲田大学理工学部建築学科卒、83年同助教授、88年同教授、90年4月~91年3月米スタンフォード大学土木学科客員教授、2018年早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科名誉教授。著作に『建築工事における施工シミュレータ:設計BIMと施工BIMとの橋渡し』など。兵庫県出身、75歳。
中島 正愛氏(なかしま・まさよし)1981年米ペンシルベニア州リーハイ大学大学院土木工学専攻博士課程修了、建設省(現国土交通省)建築研究所入り。88年神戸大学工学部助教授、92年京都大学防災研究所助教授、2000年同教授、04年兼防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターセンター長、11年京都大学防災研究所所長、17年同名誉教授、同年小堀鐸二研究所社長。著作に『自然災害と防災の事典』(分担)など。滋賀県出身、71歳。

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建コン協、橋建協/鋼橋のデータ連携実装で共同宣言、国交省と3者で推進

建設コンサルタンツ協会(建コン協、野崎秀則会長)と日本橋梁建設協会(橋建協、高田和彦会長)は18日、鋼橋のデータ連携実装に向けた共同宣言の署名式を行った。東京都千代田区の中央合同庁舎3号館の国土交通省インフラDXルームで野崎会長と高田会長がそれぞれ宣言書に署名。国交省の吉岡幹夫技監、森下博之官房参事官(イノベーション)も立ち会った。2023~24年度の2年間で鋼橋上部工の設計段階と施工段階のデータ連携を推進する。
野崎会長は「今回の宣言のキーワードはデータ連携だ。これによりDXの真の目的である生産性向上と働き方改革につながると期待している」と意気込みを語り、高田会長は「データ連携の取り組みで働き方改革も進めば、若い人にとって魅力ある業界になるのではないか」との期待を示した。吉岡技監は「両協会がトップランナーとして鋼橋を対象にデータ連携することが重要だ。発注者としても協力し、一緒に取り組みを進めていきたい」と述べた。
データ連携の実装に当たっては、設計側で扱う「自動設計システム」と、施工側で扱う「生産情報システム」を共通のデータフォーマット「設計情報属性ファイル」で連携可能とする仕組みの実装を目指す。同時にベンダーのソフト開発を促進する。実装に向けては両協会とベンダーで構成する活用検討ワーキンググループ(WG)を設置し、その下に設計タスクフォースと施工タスクフォースを設置する。
23年度から直轄土木の業務・工事でBIM/CIMが原則適用される。原則適用に当たっては、鋼橋の自動設計システムから施工へのデータ連携が課題の一つに挙げられており、国交省と両協会で構成するプロジェクトチーム(PT)で、この課題に対応することを決定。今回の共同宣言に至った。
署名式に参加した(右から)高田会長、吉岡技監、森下参事官、野崎会長

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神宮外苑地区再開発(東京都港区、新宿区)/第二球場解体に着手、施工は安藤ハザマ

三井不動産ら4者が、神宮外苑地区(東京都港区、新宿区)で計画する再開発事業が本格始動した。事業予定地に立つ明治神宮第二球場やゴルフ練習場を含む既存施設の解体工事が3月に始まった。施工は安藤ハザマが担当し、2024年4月末に完了する予定だ。再開発事業では神宮球場や秩父宮ラグビー場などを建て替え、総延べ約55万平方メートル超の施設群が誕生する。
再開発事業は三井不、伊藤忠商事、明治神宮、都市再生機構が計画する。計画地は新宿区霞ケ丘町3の1(敷地面積2万8381平方メートル)。東京メトロ銀座線外苑前駅から徒歩約7分に位置する。解体するのは神宮第二球場とゴルフ練習場などで、規模はRC・S造4階建て延べ約1万平方メートル。解体後の跡地にラグビー場棟(延べ約7万6700平方メートル)を新設する。
第二球場とゴルフ練習場に続いて解体する秩父宮ラグビー場の跡地にホテルを併設した野球場(延べ約11万5700平方メートル)を建設する。伊藤忠商事の本社ビルなどが入る高層オフィスビル2棟(総延べ約34万平方メートル)も計画する。高さは約185メートル超を見込む。25年3月に新築工事に着手。35年11月の全体完成を目指す。総事業費は約3490億円を見込む。
全体の完成イメージ(報道発表資料から)
解体着手した明治神宮第二球場(18日撮影)
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NTT都市開発/神戸アリーナプロジェクトが起工、設計・施工は大林組

NTT都市開発が神戸市中央区のウオーターフロント地区に計画する「(仮称)神戸アリーナプロジェクト」が18日に起工し、地鎮祭が開かれた。規模はS・SRC造7階建て延べ約3万2000平方メートル。設計・監理と施工を大林組が担当、CM(コンストラクションマネジメント)を山下PMCが担当する。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催に合わせ、同2月の竣工と同4月の開業を目指す。
建設地は新港町130の2ほか(敷地約2万3700平方メートル)。神戸市が進める再開発の一環として、20年度にNTT都市開発ら3者グループが「新港突堤西地区(第2突堤)再開発事業」の優先交渉権者に選定されていた。
施設の収容人数は関西圏最大級の約1万人で、メインアリーナとスタンド観覧席、飲食・物販店舗などを備える。プロバスケットボールチーム「西宮ストークス」の本拠地をはじめ、スポーツ興行や音楽興行などに対応可能な最先端施設となる。運営はOne Bright KOBE(ワン・ブライト・コウベ、神戸市中央区、渋谷順社長)が手掛ける。
神事には辻上広志NTT都市開発社長や長谷川憲孝神戸市港湾局長、大林組の村田俊彦取締役兼副社長執行役員大阪本店長ら多数が出席。辻上社長が鋤、村田本店長が鍬を入れ、工事の安全を祈願した。
辻上社長は「当施設はスポーツとエンターテインメント、デジタル技術を融合し、新たな価値を創出する拠点になる。この絶好のロケーションから、神戸に新たな交流とにぎわいを生み出したい」と述べた。村田本店長は「当社の技術力を結集し、全力でプロジェクトに取り組んでいく。スタートダッシュを切って、工期内の無事完成に努める」と決意を語った。
松田浩一所長(大林組)の話
「神戸市が別途発注する周辺整備工事と連携し、関係者一体となって高品質な建物を完成させる」。
アリーナ施設の完成予想(報道発表資料から)

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回転窓/海洋プラごみと向き合う心

ある漁港でのこと。雨の日の翌朝、地元の釣り人が何かをたも網ですくい上げようとしていた。針にかかった魚ではない。よくみると水面に浮いていたペットボトルで、どこから流れ着いたのか多くのビニールも目に付いた▼この漁港のある自治体は、海洋ごみを巡る若年層の教育に力を入れている。環境団体と連携し、座学の後に生徒が海岸でごみ拾いをする授業などを実施。住民向けの講座も充実させるという▼広島での主要国首脳会議(G7サミット)に先立ち、札幌市で16日まで開かれた気候・エネルギー・環境相会合で、海洋プラスチックごみを2040年までにゼロとする目標が確認された。19年の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で合意した50年までの達成を早める▼ごみの処理・リサイクル施設の整備が各国で進み、目標達成を早められる見方が広がったのだそう。対策に積極的な姿勢を見せる狙いもあると配信記事が伝えていた▼生態系への影響が懸念される中、目標達成が前倒しされたのは歓迎したい。ただ川や海に捨てる人がいなければごみは出ない。拾う心より捨てない心。人の良心が試される。

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千葉県横芝光町/横芝光IC周辺37ヘクタールに産業用地整備、全体事業費68億円

 千葉県横芝光町は、銚子連絡道路横芝光IC周辺に広がる37・14ヘクタールの土地を複合施設用地や産業用地として整備する。土地は銚子連絡道路を境界として南側(18・8ヘクタール)と北側(18・34ヘクタール)の区域に分ける。企業進出ニーズの高い南側を第1期事業区域、北側を第2期とした。土地区画整理事業を想定した場合の第1、2期合わせた全体事業費は約68億円規模となる見込みだ。
 17日に事業展開の計画やスケジュール案などをまとめた「横芝光IC周辺産業用地整備基本計画」を公表した。対象は同IC周辺のA~F地区計41・88ヘクタールの土地。A・E地区を第1期事業区域、C・D・F地区を第2期事業区域に設定した。B地区(4・74ヘクタール)は高速道路用地で土地利用計画は定めないとしている。
 第1期事業の概算事業費は約39億円と試算した。同期事業スケジュール案によると、2023年度は上期に関係権利者の合意を形成する「(仮称)まちづくり協議会」を組織する。24年度末に土地区画整理事業組合の設立か開発同意を目指す。
 開発事業者は事業化検討パートナーとして9月ごろに公募し、23年度内に選定する見通し。選定後は町と協働で法手続きや関係権利者の同意、事業構造などを検討する。最終的な開発事業者は24年度に公募するという。産業団地としての供用開始(建築工事着手)は29年度を目標にした。
 第1期事業区域の調査設計は25~27年度、公共工事や造成工事は27年度~30年度前半を予定している。第2期事業区域は第1期の進捗(しんちょく)と空港直結道路の整備時期などを踏まえて事業化時期を検討する。
 同IC周辺は国道126号などが交差する広域交通の結節点となる。同町は利便性を生かした複合拠点整備や事業化に向けた具体的な土地利用の検討を進めていた。



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2023年4月18日火曜日

戸田建設/PCaPC床版など大型つり荷の旋回制御、フライホイール二つ搭載

戸田建設は、プレキャスト・プレストレストコンクリート(PCaPC)床版や桁など大型つり荷に対応可能な旋回制御装置を開発した。遠心力で回転運動のむらを打ち消す部品(フライホイール)を二つ搭載。回転方向や傾きを変えてつり荷を制御する。これまで1平方メートル当たり75トンまでという制限があった制御能力の3・3倍(250トン)まで対応でき、実施工で有効性を確認した。
現場では強風やクレーンの動きに伴う慣性により、作業者の意思に反してつり荷が旋回してしまうという課題があった。つり荷の制御装置は内部のフライホイールを高速回転させて得られるジャイロ効果を利用し、旋回を制御する。
開発した大型つり荷旋回制御装置「ハイパージャイアン」はフライホイールを二つ設置したのが特徴。フライホイールの傾きで旋回モーメントを発生させてつり荷を旋回させる「能動制御」と、風圧力や慣性力に対する抵抗力を生み出しつり荷の旋回位置を保持する「受動制御」を行う。
リモコン操作だけで任意の方向に旋回させる能動制御により、介錯ロープを使ったPCaPC床版の設置位置合わせに比べ設置作業が大幅に効率化できる。強風でも一定の姿勢を保てるため、つり荷と作業員の接触や道路規制範囲外へのつり荷の飛び出しも防げる。
同社が北海道江別市~岩見沢市間で施工している「道央自動車道夕張川橋(上り線)床版取替工事」(発注・東日本高速道路会社)の既設床版撤去とPCaPC床版架設に初めて適用。作業の効率化と安全性の向上を確認した。今後は軽量化や操作方法の改良を重ね、長尺で重量のあるつり荷を取り扱う工事へ積極的に適用していく。
道央自動車道夕張川橋(上り線)床版取り換えに初適用(戸田建設提供)

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神戸市/JR神戸駅西側広場再整備イメージパース公表、地下街大屋根をリニューアル

神戸市は14日、JR神戸駅前西側広場(中央区相生町)の再整備イメージパースを公表した。ロータリーを再編し、市内初となる地下タワー式駐輪場を整備するほか、地下街「デュオこうべ」の吹き抜け空間を覆う大屋根をリニューアルする。
駐輪場は北側(元町駅側)に地下タワー式(約400台〈2基〉)と、地下平面式(約260台)を計画。南側(兵庫駅側)に地下タワー式(約700台〈3基〉)を設ける。ロータリーは北側(タクシー)と南側(バス)の2カ所を再編し、広場の歩行者空間は植栽を行う。地下街の大屋根には木材を採用し温かみのある景観を創出、近隣の湊川神社や伝統的な駅舎と調和させる。
地下駐輪場は2026年春ごろの供用開始を予定し、現在は設計・施工一括(DB)事業者の選定手続きを進めている。26年度に広場の再整備工事、27年度に大屋根のリニューアル工事を進め、現駅舎開業100年に当たる30年度に全面完了する予定だ。
駅前広場の再整備イメージ(神戸市提供)

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オリエンタル白石/短編映画「ROADING…」に協賛/ものづくりの熱い思い描く

建設業の魅力を発信する短編映画『ROADING…』が完成した。業界全体が安全に働ける環境づくりに力を注ぎ、働く人たちが熱い思いを持って社会インフラを造り守る姿を描いている。多くの人に建設業に興味を持ってもらうきっかけをつくる。22日に東京都内で開かれる第1回ミラーライアーフィルムズ・フェスティバルで上映される。
企画はオリエンタル白石の子会社で建設業専門のプロモーション会社。建設業を人気職業にするためエンターテインメントを通じてイメージアップや認知度向上などを図り、業界を活性化させるプロジェクトの一環。オリエンタル白石も短編映画に協賛している。
主人公ゴウを若手俳優の山下幸輝さん、祖父アキラを小堺一機さんが演じる。建設系VR(仮想現実)ゲームで世界ランク2位の腕前を誇る孫と、最先端の建設現場を見せるきっかけを与える祖父との心の交流を描く。メガホンは西遼太郎氏が取った。
ポスター(報道発表資料から)
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日建設計/大阪オフィスを5月に移転、オーナーと連携してCN対策実証

日建設計は大阪オフィスを銀泉備後町ビル(大阪市中央区)に移転し、5月8日に業務を開始する。部門別だった執務空間をアクティビティごとに再編成し、部門を超えた偶発的な出会いを生み出す。ビルオーナーである銀泉(大阪市中央区、成田学社長)と連携してカーボンニュートラル(CN)対策の実証実験を行う。窓改修による環境性能向上や滞在状況に応じた照明制御などに取り組む。オーナーとテナントが連携して既存ビルのCNを進める事例として広く発信する。
移転後のオフィスのコンセプトは「PLAYs」。人とのコミュニケーションを前提にABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を再構築し、「さまざまな“PLAY”が働くにつながる場所」を目指すとした。人と人がコミュニケーションするサロンや、デジタルツールを介してコミュニケーションするラボなど交流の切り口によってフロアを編成した。一部に外部開放エリアも設ける。さまざまな出会いから熱気のあふれるオフィスを実現していく。
CNの実証実験では、開かない仕様になっている窓を開くように改修し自然換気を増強して、エネルギー効率化や感染症対策の性能を高める。室内の二酸化炭素(CO2)濃度に応じた外気量制御や、季節・時間帯に応じた廊下空調の可変化も行う。滞在人員に応じて照明を自動停止して勤務者の移動を促し、快適性と環境共生の両立も図る。
移転後の新住所は、〒541-8528 大阪市中央区瓦町3の6の5 銀泉備後町ビル5~8階。電話番号は従来通り。
移転先の銀泉備後町ビル(報道発表資料から)

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回転窓/デジタル社会の回りもの

金は天下の回りもの--。金銭は常に世の中を巡り、1カ所にとどまっていないことを示す。お金のない人のところにも、いつかは回ってくるという励ましの意味も持つ▼物々交換で経済が成り立っていた古代の日本では米や塩、布などがお金の代わり。国内初の金属の銭貨が造られたのは7世紀後半とされる。江戸時代には貨幣制度を統一し、3代将軍・徳川家光が銅銭「寛永通宝」を造って金・銀・銅による三貨制度を確立した▼明治時代に入ると、新しい単位「円」を導入し、従来の4進法を10進法(円・銭・厘)に改めた。近代以降、政府や日本銀行が経済の状況によって通貨の発行量などを管理・調整している▼現在、紙幣や硬貨と同じように使えるデジタル通貨の発行に向けた検討が各国で進む。日本でも「デジタル円」について、財務省が有識者会議を設置し、制度設計の論点整理に向けた議論を始める。日銀の技術的な実証実験などを踏まえ、実現可能性を探るという▼キャッシュレスが広がり、お金のデジタル化は急速に進展している。回り方を変えていくならば、持続的な経済成長につながるよう巡ってほしい。

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働き方改革―適正工期の確保/国交省が労働局同行で元請訪問支援、違反事例に危機感

国土交通省は民間発注工事も含めた工期の適正化に本腰を入れる。時間外労働の罰則付き上限規制の適用まで1年を切る中、建設業法に規定する「著しく短い工期の禁止」に違反する恐れがある行為に対し、行政指導を行う初のケースが明らかになった。こうした事例も念頭に、労働基準監督機関を抱える厚生労働省と連携した動きを強化。都道府県労働局が同行する形で、個別の元請企業を訪問支援する新たな取り組みに着手する。=2面に関連記事
著しく短い工期の禁止は2020年10月施行の改正業法で規定。中央建設業審議会(中建審)作成の「工期に関する基準」を踏まえ、違反行為があった発注者や元請に国交相らが勧告できる。ただし、これまでは同法に基づく行政指導の実績がなかった。国交省の通報窓口に相談を寄せたとしても、契約相手との関係悪化を恐れ、行政指導を望まなかったり詳細な確認に応じなかったりするからだ。
初の行政指導となったのは、勧告には至らないが「注意喚起」を行ったケースだ=表参照。建設専門紙各社の取材に応じた国交省不動産・建設経済局建設業課建設業適正取引推進指導室の山王一郎室長によると、元請が下請に工期のしわ寄せを行っていることが認められた。
資材価格高騰の影響で発注者との契約金額交渉が長引き、当初工期を圧迫。さらに雨天や機械故障で工事進捗(しんちょく)が遅れ、工期延長を現場側が求めたが、会社の判断として発注者に持ちかけなかった。その結果、工期の終盤に「4週0休」となる典型的な突貫工事となったという。
こうした事例は氷山の一角に過ぎない。時間外規制適用を目前に控え、元請や発注者に法制度を周知し自主的な改善を促していく必要性を山王室長は強調する。元請各社の支店や現場所長を直接訪問してヒアリングする「モニタリング調査」の一環で、本年度は適正工期の確保に特化した調査を新たに計画。労働局担当者が同行し、下請へのしわ寄せ状況などに目配せする。
都道府県別に労働局が主催する「建設業関係労働時間削減推進協議会」は、民間発注者を含めた組織体として役割を強化。構成員として従来の地方整備局や建設業団体だけでなく地元の経済団体などを新たに加え、地域の建設関係者全体で意思疎通する機会とする。


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四国電力ら/波方ターミナル(愛媛県今治市)をクリーンエネルギー供給拠点へ整備

 四国電力ら7社は、愛媛県今治市にある石油・液化石油ガス(LPG)などの物流基地「波方ターミナル」をクリーンエネルギーの供給拠点として整備する検討に乗り出す。既存のLPGタンクをアンモニアタンクに転換。2030年までに年間約100万トンのアンモニアを取り扱うハブターミナルの実現を目指す。
 四国電力と太陽石油、大陽日酸、マツダ、三菱商事、波方ターミナル、三菱商事クリーンエナジーは14日、「波方ターミナルを拠点とした燃料アンモニア導入・利活用協議会」を設置することに合意したと発表した。三菱商事と四国電力が共同で事務局を務める。
 協議会では30年を目標に、スケジュールや法規制上の課題の整理や効率的な波方ターミナルの活用、需要拡大策などを検討する。愛媛県と県内の今治、西条、新居浜、四国中央各市がオブザーバーとして参画する。
 波方ターミナルは三菱商事と一部石油関連設備を太陽石油が保有し、波方ターミナルが運営している。国内外から持ち込まれる年間約100万トンのLPG・石油類製品を扱っている。40年間にわたりエネルギー拠点として活動してきた実績がある。アンモニアタンクに転用可能な複数の大規模低温LPGタンク(4万5000トン/基)や大型船を着桟できるバースなど、地域のアンモニア需要に早期に対応できるための設備を備えている。
 政府による50年カーボンニュートラル宣言以降、火力発電所のアンモニア混焼利用や一般産業での熱電利用、水素ステーションでのアンモニアクラッキング(アンモニアから水素を取り出す)技術など、アンモニアに対する期待は高まっている。四国・中国地域で効率的なサプライチェーン(供給網)構築に向け、ハブとなる供給拠点として波方ターミナルが重要な役割を担うことになりそうだ。



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2023年4月17日月曜日

回転窓/苦手克服の喜び

子供の時に嫌いだった食べ物が、大人になって好きになることがある。例えばピーマンやみょうが、レバーなど。これらがいつの頃からか苦手でなくなったという方もおられよう▼なぜ嫌いが好きに変わるのか。フードジャーナリストで歴史学博士ビー・ウィルソン氏が自著『人はこうして「食べる」を学ぶ』(原書房)に書いている▼それによると多くの国で子供たちは野菜のビートルートに拒否反応を起こしやすいが、食通の大人になると食べられるだけでなく、態度が拒否から称賛に変わる。嫌いな人は強烈な紫色をしたそれとの最初の出会いが原因であることが多いのだとか▼そして好きになった人は「たいてい外食時に思わず目を見張るような、魅力的な形での再会を果たしている」という。こうした人が大げさなほど「おいしい」を連発するのには、嫌いなものを克服した達成感があるのかもしれないとも▼今の時期は新タマネギのやわらかい実をスライスし、かつお節とポン酢をかけたオニオンスライスが何とも言えずおいしい。小欄が苦手克服の喜びを味わっているとしたらこのタマネギ。今夜も食卓の一品に加えよう。

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四国電力ら/波方ターミナル(愛媛県今治市)をクリーンエネルギー供給拠点へ整備

四国電力ら7社は、愛媛県今治市にある石油・液化石油ガス(LPG)などの物流基地「波方ターミナル」をクリーンエネルギーの供給拠点として整備する検討に乗り出す。既存のLPGタンクをアンモニアタンクに転換。2030年までに年間約100万トンのアンモニアを取り扱うハブターミナルの実現を目指す。

四国電力と太陽石油、大陽日酸、マツダ、三菱商事、波方ターミナル、三菱商事クリーンエナジーは14日、「波方ターミナルを拠点とした燃料アンモニア導入・利活用協議会」を設置することに合意したと発表した。三菱商事と四国電力が共同で事務局を務める。
協議会では30年を目標に、スケジュールや法規制上の課題の整理や効率的な波方ターミナルの活用、需要拡大策などを検討する。愛媛県と県内の今治、西条、新居浜、四国中央各市がオブザーバーとして参画する。
波方ターミナルは三菱商事と一部石油関連設備を太陽石油が保有し、波方ターミナルが運営している。国内外から持ち込まれる年間約100万トンのLPG・石油類製品を扱っている。40年間にわたりエネルギー拠点として活動してきた実績がある。アンモニアタンクに転用可能な複数の大規模低温LPGタンク(4万5000トン/基)や大型船を着桟できるバースなど、地域のアンモニア需要に早期に対応できるための設備を備えている。
政府による50年カーボンニュートラル宣言以降、火力発電所のアンモニア混焼利用や一般産業での熱電利用、水素ステーションでのアンモニアクラッキング(アンモニアから水素を取り出す)技術など、アンモニアに対する期待は高まっている。四国・中国地域で効率的なサプライチェーン(供給網)構築に向け、ハブとなる供給拠点として波方ターミナルが重要な役割を担うことになりそうだ。
LPG・石油類製品を扱う波方ターミナル(報道発表資料から)
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大成建設/天井照明照度測定を自走ロボットで無人化、帳票も自動作成

大成建設は建物竣工前性能検査に含まれる天井照明の照度測定を自走ロボットで無人化し、帳票が自動作成できるシステムを開発した。照明位置が記載されたCAD図面を専用アプリに入れ、タブレット端末で測定点を指定するだけでルートを自動算出し測定する。これまで手作業だった測定、帳票作成の時間が大幅に短縮できる。2023年度から活用を始める。
照度測定は日射の影響を受けない夜間に行う必要があり、時間的な制約の中で測定の自動化と迅速化が課題だった。開発した「T-iDigital Checker」は市販の自走ロボットに測定機器や制御機器、バッテリーなどを搭載する。
天井照明の位置が記載された図面を記録したアプリの画面で測定したい照明または範囲を指定すると、ルートを自動で割り出し測定を始める。ロボットは搭載したカメラで照明配置を認識して自己位置を確認。ルート上の障害物を回避しながら連続測定を行い、測定後は開始位置に戻る。
照度計の受光部が外れる構造を採用し、照度測定の高さが異なる一般照明(床面から75センチ程度)と非常照明(床面)の双方に対応。一般照明の測定はアームを伸ばした先端部に取り付け、非常照明の測定時はロボット下部に設けた治具(スライド式)に付け替える。
照度測定記録を基に測定範囲内の図面や測定位置、照度結果を記載した帳票が自動作成でき、手作業に比べて人的ミスを防げる。床面積約500平方メートルのオフィスで照度測定・記録と帳票作成の時間を試算した結果、手作業の約50分を約5分に短縮できるという。
一般照明測定時〈左〉と非常照明の測定時(大成建設提供)
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鉄建建設、山梨県大月市/真木川発電所活用で協力協定、25年度に小水力発電運転開始

鉄建建設と山梨県大月市は14日、同社が市内を流れる真木川に整備予定の小水力発電所を、災害対策などに活用する地域協力協定を結んだ。同社にとって初の小水力発電事業となる真木川発電所は、2025年度の運転開始を予定。発電所がある真木地区に対し、災害対策や街灯設置などによる地域の安全・安心施策、青少年向けの環境教育など4項目で連携する。
計画地は大月市大月町真木松木平。計画では、標高910メートルにある真木川上流の堰堤(えんてい)付近に取水口を設け、林道下に埋設した導水管で約900メートル下流に造る発電設備に送水する。発電後の水は、下流で真木川に戻す。導水路は延長約900メートル、総落差は80メートル。最大出力176キロワット、年間発電量104万キロワット時(約260世帯分)を見込む。電力は固定価格買い取り制度(FIT制度)を利用し、東京電力に売電する予定だ。
今後、鉄建建設が県との協議や測量・設計を行い、23年秋頃をめどに事業性を評価。24年度以降は新たに設立する特定目的会社が施設を整備し、25年度の運転開始を目指す。
14日に大月市役所で協定締結式を開いた。小林信保市長は「近年は災害が激甚化しており、ソフトとハードの両面での備えが重要だ。地域の安心・安全へ大きな力を得た」とあいさつ。伊藤泰司社長は「災害対策にとどまらず、地域の安心・安全や環境教育の面で微力ながら大月市に貢献できるようにしたい」と語った。
小水力発電事業は、21年度末に県が98カ所の有望地を公表して事業者を公募。鉄建建設はこのうち真木川を候補として応募し、22年8月30日に「山梨県有林内における小水力発電推進事業者」に選ばれた。
伊藤社長〈右〉と小林市長
真木川の取水地点
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斉藤鉄夫国交相/大阪のIR区域整備計画を認定、29年秋~冬ごろ開業目指す

大阪で日本初のIR(統合型リゾート)誕生へ--。斉藤鉄夫国土交通相は14日、大阪府らが昨年4月に提出したIR施設の区域整備計画を認定した。1兆円超を投じ、大阪市此花区の夢洲地区に総延べ77万平方メートルの複合観光施設を整備する計画。政府はこれに対し、施設全体のスケールや交通アクセス改善への取り組み、経済波及効果を評価。一方で、地盤沈下対策といった課題への対応を府らに求めた。IR施設は早ければ2029年秋~冬ごろの開業を目指す。=2、8面に関連記事
整備計画は外部有識者で構成する国の審査委員会の審査で、1000点満点(認定基準は600点以上)中657・9点を獲得し、同委から「認定し得る計画」として評価された。それを受け斉藤国交相は、14日に首相官邸で開かれたIR推進本部(本部長・岸田文雄首相)の意見聴取を経て、計画を認定した。同日の閣議後会見で、斉藤国交相は「今後、計画の実施状況をしっかり確認していく」と語った。
大阪府・市、大阪のIR施設の整備・運営を担うSPC(特定目的会社)の「大阪IR」(大阪市北区)が整備計画を作成した。大阪IRは日本MGMリゾーツ(東京都千代田区、エドワード・バウワーズ社長)やオリックスらが設立。大林組や竹中工務店、大和ハウス工業など20社も出資している。府・市、大阪IRの3者は年内にも事業実施協定を締結する見通しだ。
建設予定地は人工島の夢洲にある49・2万平方メートルの敷地。初期投資額1兆0800億円のうち、建設関連に7800億円を充てる。IR施設は、6000人以上が収容可能な国際会議場施設(延べ3・7万平方メートル)、日本の伝統文化を発信する魅力増進施設(延べ1・1万平方メートル)、カジノ施設(延べ6・5万平方メートル)などを備える。
斉藤国交相は認定に当たり、カジノやIR全体の建築デザインについて、国の審査委員会の意見に留意しながら詳細設計や建設を進めるよう注文を付けた。液状化対策や土壌汚染対策の検討、地域との関係構築やギャンブル依存症対策の徹底なども求めている。
長崎県が大阪府らと同時期に提出した佐世保市でのIR区域整備計画は継続審査とした。
政府はIR実施法で認定地域を最大3カ所としているが、長崎県の認定時期や追加募集の有無は未定という。
夢洲地区で計画されるIR施設のイメージ(MGMリゾーツ・インターナショナル、オリックス提供)
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鹿島/コンクリート技術の発信拠点開設、「見て・触れて・深く知る」コンセプト

 鹿島は12日、東京都調布市にある技術研究所西調布実験場内にコンクリート技術の発信拠点を開設した。製造過程で二酸化炭素(CO2)を吸収して固まるカーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」やセメント系3Dプリンティングをはじめ、低炭素社会への移行に貢献するさまざまなコンクリート技術を展示。実際に「見て・触れて・深く知る」ことができる体験型の展示空間となっている。
=1面参照
 コンクリートの総合ミュージアム「KAJIMA CONCRETE BASE」は施設中央に大きなコンクリートテーブルを設置し、映像を投映するなど美術館のような空間を演出。導入となる施設案内やコンクリートの歴史、技術の内容をパネルや写真で紹介している。
 コンクリートテーブル周囲の壁面には通常の技術紹介パネルではなく、各技術の印象的な写真1枚を大きく掲示。写真の下には該当技術を紹介する冊子や構成材料、実物を展示している。動画起動用キューブを配備し、見学者が知りたい技術のキューブをテーブルの所定位置に置くと、該当技術の説明動画が自動で流れ始める。映像と音声で見学者の理解を深める。
 施設開設に当たりCO2削減にも取り組んだ。施設入り口に通じる歩道はCO2-SUICOMで作製したブロックを敷設。通常のコンクリートで作製した場合と比べ約3・3トンのCO2削減を実現した。
 同社公式ホームページにも特設サイトを公開した。サイトと展示施設で技術をさらに詳しく発信する。サイトに展示施設のオンラインミュージアムを設け、世界中どこからでもオンライン見学できる。
 今後、新技術や時々の旬な技術、社会から求められている技術を取り上げる。展示内容は入れ替えるなどして施設とサイトを定期的に更新し、コンクリート技術をPRしていく。
 研究所内にあるためセキュリティー上、一般公開はしていないが、近隣の小学校や学生に「土木の日(11月18日)」に特別公開したい考え。関係者らにも足を運んでもらい、ニーズや課題を引き出して技術開発につなげていく。



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2023年4月14日金曜日

関東整備局/田中調節池再整備に新規着手、総事業費は470億円

関東地方整備局利根川上流河川事務所は、新規事業化された「田中調節池」の再整備に着手する。越流堤と囲繞(いぎょう)堤のかさ上げや、越流堤の移設などにより洪水調節容量を現在の約6100万立方メートルから約7200万立方メートルに増やす。総事業費は約470億円。2023年度は地質調査や設計を進め、工事用道路の建設にも着手する予定。35年度までの完成を目指す。
田中調節池は利根川右岸の千葉県柏市、我孫子市にまたがる約1175ヘクタールの広大な敷地。洪水時の利根川下流部の河道流量を減らす目的で1933年に建設が始まり、65年に完成した。越流堤は延長約450メートル。排水門(青山水門)は幅4メートルの門を三つ備える。洪水時は、対岸の茨城県側にある稲戸井調節池、上流の菅生調節池と合わせて洪水調節機能を発揮する。
19年台風19号(東日本台風)が発生した際、3調節池を合わせて9000万立方メートル以上の水を一時的にため込み、下流の水位低下に貢献した。しかし下流部の一部で浸水被害が発生。利根川の河川整備計画に定めた目標河道流量に対し、流下能力が不足している部分があり、早期の河川改修が必要となっている。東日本台風では田中調節池が3調節池の中で最も貯水率が低く、能力を十分に発揮できていないと指摘された。
関東整備局は田中調節池の囲繞堤と周囲堤をかさ上げし、下流にある越流堤をより上流に移すことで洪水調節能力を高める。新規事業採択時の資料によると、工事内容は築堤1万5500メートル、排水門の改築1カ所、樋門・樋管の改築6カ所、越流堤移設1カ所、排水路整備4460メートルとなっている。築堤に用いる土砂は対岸の稲戸井調節池掘削で発生したものを活用する。
工事費の合計は251億5000万円。うち築堤に82億8000万円、越流堤移設に89億8000万円を見込む。維持管理費は50年間で135億4300万円と試算している。
現在の田中調節池越流堤
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東北整備局/魅せる映像で人材確保促進、ユーチューブに建設業PR動画アップ

東北地方整備局が建設産業の将来を担う人材の確保で広報活動に力を注いでいる。北上川下流河川事務所は、事務所の若手職員と直轄工事を指揮する現場代理人が登場する動画を作成。動画投稿サイトのユーチューブにアップし、迫力のある映像などで最前線で奮闘する技術者の姿や仕事のやりがいを紹介している。
東北整備局が民間と協力し人材確保のPR動画を作ったのは初めて。リーダー役を務めたのは東北整備局吉田川緊急治水対策出張所の三浦英晃所長。建設業の果たすべき使命や役割を多くの人に知ってもらうことが「携わる人々のやりがいや誇りにつながる」との思いが胸中にあった。
動画のタイトルは「『明日のために』~未来の働き方にチャレンジ~」。北上川下流河川事務所の管理課に在籍していた佐々木遥香さん(現在は新庄河川事務所工務第二課)と、吉田川二子屋地区外掘削護岸工事で現場代理人を務めた丸本組(宮城県石巻市)の高橋哲矢氏が登場し、現場での苦労や工事で活用したAIなどの先端技術を紹介している。
若者の興味を引くには迫力のある映像が不可欠になる。吉田川流域が白鳥の越冬地で有名なことから、マイクロドローンで渡り鳥目線の迫力ある映像を撮影。ムービーカメラで撮った現場見学会の様子なども盛り込むなど、細部にわたって工夫を凝らしている。
撮影と編集は丸本組とトライポッドワークス(仙台市青葉区)が担当。丸本組の山岸邦亘技術支援部長によると、「テロップだらけの作品ではなく映像で魅せることに気を使った」という。動画づくりを「発注者と本音で意見交換できたことが一番の収穫だった」と述懐する。「建設業の大切さややりがい、かっこよさが詰まっている」と関係者の評判は上々で、「モチベーションがアップする動画だ」「ドローン映像が圧巻だった」といった感想もあるそうだ。
「貴重な経験ができた。映像を家族に見てもらい感動を共有した」と話すのは出演者の佐々木さん。高橋氏も「普段見せることがない仕事をする姿を子どもや両親に知ってもらうことができ良い経験になった」と語る。PR動画は情報の発信側にとっても自分自身を振り返る良い機会になっている。
将来を担う人材をどう育てるかは官民に共通する大きな課題。民間では産業間、企業間で人材の獲得競争が年を追うごとに熾烈(しれつ)になっている。「本省からの依頼もあり動画を作った。学生に見てもらうなど活用策を探りたい」と東北整備局企画部の岩渕敦総括技術検査官は意気込む。建設業のイメージを高めるリブランディング、“映える”映像や画像など広報活動のキーワードは多種多彩。型にはまらず心に響く情報を届け続けるには、柔軟な発想と行動力が求められていると言えそうだ。
動画視聴は国土交通省北上川下流河川事務所チャンネル(@user-xo1qu1uq5c、https://www.youtube.com/watch?v=EiStxBAvpGo)へ。
動画のサムネイル(ユーチューブから)
(左奥から時計回りで)三浦英晃所長、岩渕敦総括技術検査官、山岸邦亘部長、佐々木遥香さん、高橋哲矢氏
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回転窓/熊本地震から7年

「夜には明かりがともり、町の未来を照らす灯台のような建物となる」。新庁舎が完成した熊本県益城町の西村博則町長が、3月の落成式でこう述べていた▼2016年に起きた熊本地震の前震から14日で7年となる。2日後には本震が発生。同町では、28時間以内に震度7の揺れが2度も起きて、甚大な被害が生じた▼関係者の努力で復興事業は着実に進展している。蒲島郁夫知事は5日の会見で「創造的復興で県の財産を増やす。その上に新たな発展が始まってくる」と強調。半導体産業の集積などを通して成長を目指す考えを示した▼記憶を継承する取り組みも続く。県は点在する震災遺構などを連携させた回廊型のフィールドミュージアムを整備中だ。今夏には、南阿蘇村に体験・展示施設が開業する。震災遺物の展示や語り部との交流により、地震の教訓や熊本の魅力を発信していく▼目指すのは、地震など災害と共にある暮らしを「自分事化」してもらうこと。日本列島は、自然が豊かな一方で災害リスクも大きい。どう備えていくべきかは、全国に共通する課題だ。粘り強く考え、対応を続ける姿勢が求められている。
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キャタピラー/「リビルド」で建機の寿命延長、主要部分をタイムリーに再生

キャタピラーが建設機械の主要部分を適切なタイミングで再生し、長期間の利用を可能にする「リビルド事業」に注力している。使い慣れた建機の寿命を延長し、新車購入よりも大幅にコストを低減する。最新機能へのアップグレードも可能だ。部品を再利用することでSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献する。メリットを広く周知し、新たな選択肢として提案していく。
「CAT認定リビルド」は、独自基準に沿って主要コンポーネントを再生修理し耐用期間を延ばすサービス。▽油圧ショベル▽ホイールローダー▽ブルドーザー▽ダンプトラック-などが対象。価格は、新車のおおむね50%以下を目安としており、顧客の設備投資負担を軽減する。オプションで最大5年間の延長保証も用意している。
修理にかけられる予算や期間、修理後の想定利用期間などに応じて選択肢を提示する。修理期間を短くするために新品のエンジンに交換したり、再生した「リマンエンジン」を導入してコストを抑えたりするなど幅広いメニューを用意している。新車同等の性能や生産性を維持できるほか、人を検知するアラート機能を追加するような性能向上も可能だ。ただ修理する建機の製造時期や状態によって、かかる費用や追加可能なオプションが異なってくる。
同社によると、平均で約65%の部品を再利用しているという。海外では30年前の建機も、リビルドしながら現役で活躍している。建設機械サービス事業部の今井一洋日本・アジア地域アフターマーケットセールスマネージャーは「(リビルド事業が)国内もこの2年で3倍強に伸びている。コスト削減や持続可能な社会への貢献の面から、新たな選択肢としてリビルドの文化を形成していきたい」と話す。
リビルド事業のイメージポスター(キャタピラー提供)
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万博協/未来社会の実験場施設着工へ、大阪市此花区夢洲で起工式開く

 2025年日本国際博覧会協会(十倉雅和会長)は、博覧会(大阪・関西万博)開幕2年前に当たる13日、大阪市此花区夢洲の会場で起工式を開いた。岸田文雄首相をはじめ関係者255人が参加。代表者が鍬を入れ、工事の安全を祈った。=2面に詳しく
 岸田首相は「命に向き合う万博に大きな期待が寄せられている。機運を高めるために全力で取り組む」とあいさつ。十倉会長は「世界に誇れる万博にする」と決意を表明した。
 万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催。
 会期は25年4月13日から10月13日まで。会場面積は約155ha。
岸田首相や十倉会長らが鍬を入れ、施設整備が本格化する=13日、大阪・夢洲の会場で
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建コン協、橋建協/鋼橋上部工の設計・施工データ連携推進、ベンダー交え共同開発

 建設コンサルタンツ協会(建コン協、野崎秀則会長)と日本橋梁建設協会(橋建協、高田和彦会長)は、鋼橋の設計段階と施工段階のデータ連携を共同で推進する。設計側で扱う「自動設計システム」と施工側で扱う「生産情報システム」を共通のデータフォーマットで連携可能とする仕組みの実装を目指す。システムベンダーとも協働する体制を作り、データ連携を前提としたソフト開発も促進する。
 18日には両協会の会長が出席し、国土交通省が立ち会う形でデータ連携のシステム実装に向けた共同宣言の署名式を開く予定だ。
 背景には国交省直轄土木業務・工事で2023年度に始まったBIM/CIM原則適用がある。国交省は継続的にBIM/CIMの課題解決につなげるため、関連業界団体と連携した複数のプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、より高度なデータ活用を目指す方針を1月に表明。その一つに国交省と両協会が構成員となり、鋼橋の自動設計システムと生産情報システムの効率的なデータ連携を検討する「橋梁製作システムPT」の設置が決まった。
 こうした動きを踏まえ両協会はPTを円滑に進めるとともに、ベンダーも含めた業界横断でデータ連携のシステム実装に向けた共同開発に取り組むことで合意した。
 具体的には鋼橋上部工の自動設計システム内のデータベースに保存されている設計結果や数量の数値情報を共通データフォーマット化し、それぞれ「設計情報属性ファイル」に取り込む。それを生産情報システムに出力し、後工程の積算や自動原寸・生産計画などに活用する。そのために必要なソフト開発も促す。
 共同開発の実施体制として両協会とベンダーで構成する作業部会を設置し、活動方針の業界間調整や情報共有に当たる。その傘下で設計段階と施工段階の2チームに分かれ、設計チームでは3Dモデルの利活用を目的としたニーズ調査や実装推進、試行業務の調整・分析などを実施。施工チームではシステム実装や効果検証に取り組む。当面は4月からの2年間を共同開発期間に設定する。
データ連携のイメージ(両協会発表資料から)
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西脇多可事務組合/新ごみ処理施設DB+O、エスエヌ環境テクノロジーJVに

 西脇多可行政事務組合(兵庫県西脇市)は、「(仮称)西脇多可新ごみ処理施設建設工事」の公募型プロポーザルで、エスエヌ環境テクノロジー・美樹工業JVを優先交渉権者に決めた。次点は三機工業・村本建設JVだった。事業方式は設計・施工を一括発注し、運営・維持管理を長期包括委託する「DB+O方式」。供用開始から25年が経過する「みどり園」(西脇市富吉南町262)に代わる新ごみ処理施設を、兵庫県多可町に整備する。2026年度の稼働開始を目指している。
 建設予定地は多可町役場から西約1・8キロに位置し、翠明湖の北端に接する谷あいの敷地1・9ヘクタール(多可町中区奥中・奥畑)。用途地域の指定はなく、建ぺい率60%、容積率200%。施設整備に先行して造成工事を別途実施する。
 新ごみ処理施設はエネルギー回収施設(可燃ごみ処理施設)とリサイクル施設で構成する。処理能力はそれぞれ日量52・6トン(ストーカ式、日量26・3トン×2炉)、日量7・5トン。
 このほか事務所と啓発施設を備えた管理棟を整備する。エネルギーの余熱利用は、回収率10%以上の温水利用とし、場内外で有効活用する。プラント排水も全量処理を行い再利用する。
 業務範囲は▽施設の設計・施工▽土木・各種設備・外構など付帯工事▽関係官公庁との各種手続き▽施設の試運転-など。
 工期は26年3月31日。
 竣工から3年間は、施設の維持管理をDB事業者に随意契約で委託する予定。



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関東整備局/田中調節池再整備に新規着手、総事業費は470億円

 関東地方整備局利根川上流河川事務所は、新規事業化された「田中調節池」の再整備に着手する。越流堤と囲繞(いぎょう)堤のかさ上げや、越流堤の移設などにより洪水調節容量を現在の約6100万立方メートルから約7200万立方メートルに増やす。総事業費は約470億円。2023年度は地質調査や設計を進め、工事用道路の建設にも着手する予定。35年度までの完成を目指す。
 田中調節池は利根川右岸の千葉県柏市、我孫子市にまたがる約1175ヘクタールの広大な敷地。洪水時の利根川下流部の河道流量を減らす目的で1933年に建設が始まり、65年に完成した。越流堤は延長約450メートル。排水門(青山水門)は幅4メートルの門を三つ備える。洪水時は、対岸の茨城県側にある稲戸井調節池、上流の菅生調節池と合わせて洪水調節機能を発揮する。
 19年台風19号(東日本台風)が発生した際、3調節池を合わせて9000万立方メートル以上の水を一時的にため込み、下流の水位低下に貢献した。しかし下流部の一部で浸水被害が発生。利根川の河川整備計画に定めた目標河道流量に対し、流下能力が不足している部分があり、早期の河川改修が必要となっている。東日本台風では田中調節池が3調節池の中で最も貯水率が低く、能力を十分に発揮できていないと指摘された。
 関東整備局は田中調節池の囲繞堤と周囲堤をかさ上げし、下流にある越流堤をより上流に移すことで洪水調節能力を高める。新規事業採択時の資料によると、工事内容は築堤1万5500メートル、排水門の改築1カ所、樋門・樋管の改築6カ所、越流堤移設1カ所、排水路整備4460メートルとなっている。築堤に用いる土砂は対岸の稲戸井調節池掘削で発生したものを活用する。
 工事費の合計は251億5000万円。うち築堤に82億8000万円、越流堤移設に89億8000万円を見込む。維持管理費は50年間で135億4300万円と試算している。



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2023年4月13日木曜日

大阪広域生コン協組/先端技術研究開発プロジェクトが起工(大阪市住之江区)

大阪広域生コンクリート協同組合(木村貴洋理事長)が大阪市住之江区で計画している「(仮称)大阪広域協組先端技術研究開発プロジェクト」が12日、起工した。同協組の役員・組合員や工事関係者らによる起工式と着工記念祝賀会が現地で開かれ、工事の無事竣工を祈願した。設計・監理は梓設計、施工はフジタが担当。2025年3月31日の竣工を目指す。
午前10時30分から行われた起工式には関係者約70人が出席。地鎮行事として梓設計の有吉匡社長が苅初の儀、大阪兵庫生コンクリート工業組合の木村理事長が穿初の儀、フジタの浅川正幸代表取締役専務執行役員が鍬入れの儀を行った後、玉串をささげて工事の安全を祈願した。
着工記念祝賀会には来賓を含め約180人が出席。冒頭、木村理事長は「当協組は今年30年目に入る。このプロジェクトで今後の近畿の発展のために吉となる建物を建てたい。次世代のコンクリート業界に向けて今後の発展を目指していく」とあいさつした。
有吉社長は「この建物が大阪広域協組の発展やイノベーションにつながれば」と語った。浅川代表取締役専務執行役員は「大変重要な施設の施工を担当させていただき光栄だ。工期内に満足してもらえる建物をお引き渡しすることを誓う」と決意を述べた。
プロジェクトの建設地は同市住之江区南港北1の6の2の敷地約1万3580平方メートルで、規模はRC造地下1階地上4階建て延べ1万2945平方メートル。新施設は事務所棟と研究棟(プラント含む)の構成で、生コンクリート業界の未来を見据えた最先端の技術研究・開発拠点としての役割を担う。
高岡伸彰所長(フジタ)の話
「コンクリートの打設・管理を重点に置き高品質の建物を造りたい。万博関連の工事と時期が重なり大変だが、工期内に納めるよう精いっぱい頑張っていく。大規模プロジェクトで注目されている現場だけに無事故無災害で進めたい」。
外観パース(大阪広域生コン協組提供)

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日本国土開発/仙台のワーケーション施設で新入社員研修、四足歩行ロボの使い道は?

日本国土開発は10~12日の3日間、仙台市泉区にあるキャンプ&ワーケーション施設「泉ピークベース」で新入社員研修を実施した。自社開発し昨年7月にオープンした施設で新入社員が講義を受けたり、グループワークに取り組んだりしている。グループワークのテーマは「自律四足歩行ロボットの活用方法」。米ボストンダイナミクス製で今夏に導入を予定している「スポット」の使い道を検討。各グループが考えをまとめ、経営陣にプレゼンテーションするという。
今春は40人の新入社員を迎えた。ピークベースでの研修は昨年度に続いて2回目。ゴールボールの日本代表で強化合宿に参加している1人を除き、39人が参加した。本年度は、中期経営計画で重要項目に掲げている建設DXや業務改善に関連し、近く導入する四足歩行ロボの活用方法を柔軟な発想で考えた。3日間寝起きを共にし課題をクリアすることで、同期の絆を強める狙いもある。
仙台での研修を終えた後は、茨城県つくば市にある研究開発拠点「つくば未来センター」へ場所を移し、昨年6月に始動したDX推進室の担当者が自社の取り組みを講義。新入社員はグループごとにスポットの活用方法や建設DXの将来でアイデアをまとめ、経営陣に14日披露する。
四足歩行ロボを操作する新入社員。固定観念にとらわれず、仲間同士で活用方法を考える=12日、仙台市泉区の泉ピークベースで

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岐阜県土岐市/泉北部レクリエーションゾーン活用事業、民活導入視野に手法検討

岐阜県土岐市は、泉北部レクリエーションゾーン活用事業の基本計画書をまとめた。地域資源の活用や新たな交流人口の発掘を目指し、キャンプ場や宿泊施設、イベント広場、コワーキングスペースなどレクリエーション活動の拠点を整備する。官民連携も視野に入れており、整備手法が固まれば設計などの業務に入りたい考えだ。当初予算に約2億1000万円を新規計上している。2025年度の一部供用を目指す。
対象エリアは、中央自動車道土岐ICの北側市有地。少年支援の家や市営キャンプ場として利用していたが、いずれも廃止。現在は地域住民の散策エリアになっている。市は約90ヘクタールの森林エリアを対象に活用可能な平場を洗い出し、約3・7ヘクタールが有効活用できるとした。
計画では、▽観光案内・体験提供・物販▽コワーキングスペース▽イベント広場▽公園空間・散策路▽キャンプ場・宿泊施設▽アクセス道路・インフラ・駐車場-の機能を整備する方針を示し、まず観光案内や物販、カフェ、コワーキングスペースが入るセンター棟、オートキャンプサイト(2カ所、計80サイト程度)、トレーラーハウスサイト、駐車場などを整備するとした。
市は、建物や敷地造成、駐車場の設計費に約2億1000万円を計上。第1四半期中に委託する予定だったが、民間活力導入も検討中。このため、事業手法を早期に固め、設計の委託方法や整備スケジュールなど改めて調整する考えだ。
活用事業エリア図(土岐市資料から)
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