2023年4月17日月曜日

回転窓/苦手克服の喜び

子供の時に嫌いだった食べ物が、大人になって好きになることがある。例えばピーマンやみょうが、レバーなど。これらがいつの頃からか苦手でなくなったという方もおられよう▼なぜ嫌いが好きに変わるのか。フードジャーナリストで歴史学博士ビー・ウィルソン氏が自著『人はこうして「食べる」を学ぶ』(原書房)に書いている▼それによると多くの国で子供たちは野菜のビートルートに拒否反応を起こしやすいが、食通の大人になると食べられるだけでなく、態度が拒否から称賛に変わる。嫌いな人は強烈な紫色をしたそれとの最初の出会いが原因であることが多いのだとか▼そして好きになった人は「たいてい外食時に思わず目を見張るような、魅力的な形での再会を果たしている」という。こうした人が大げさなほど「おいしい」を連発するのには、嫌いなものを克服した達成感があるのかもしれないとも▼今の時期は新タマネギのやわらかい実をスライスし、かつお節とポン酢をかけたオニオンスライスが何とも言えずおいしい。小欄が苦手克服の喜びを味わっているとしたらこのタマネギ。今夜も食卓の一品に加えよう。

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