戸田建設は、プレキャスト・プレストレストコンクリート(PCaPC)床版や桁など大型つり荷に対応可能な旋回制御装置を開発した。遠心力で回転運動のむらを打ち消す部品(フライホイール)を二つ搭載。回転方向や傾きを変えてつり荷を制御する。これまで1平方メートル当たり75トンまでという制限があった制御能力の3・3倍(250トン)まで対応でき、実施工で有効性を確認した。
現場では強風やクレーンの動きに伴う慣性により、作業者の意思に反してつり荷が旋回してしまうという課題があった。つり荷の制御装置は内部のフライホイールを高速回転させて得られるジャイロ効果を利用し、旋回を制御する。
開発した大型つり荷旋回制御装置「ハイパージャイアン」はフライホイールを二つ設置したのが特徴。フライホイールの傾きで旋回モーメントを発生させてつり荷を旋回させる「能動制御」と、風圧力や慣性力に対する抵抗力を生み出しつり荷の旋回位置を保持する「受動制御」を行う。
リモコン操作だけで任意の方向に旋回させる能動制御により、介錯ロープを使ったPCaPC床版の設置位置合わせに比べ設置作業が大幅に効率化できる。強風でも一定の姿勢を保てるため、つり荷と作業員の接触や道路規制範囲外へのつり荷の飛び出しも防げる。
同社が北海道江別市~岩見沢市間で施工している「道央自動車道夕張川橋(上り線)床版取替工事」(発注・東日本高速道路会社)の既設床版撤去とPCaPC床版架設に初めて適用。作業の効率化と安全性の向上を確認した。今後は軽量化や操作方法の改良を重ね、長尺で重量のあるつり荷を取り扱う工事へ積極的に適用していく。
source https://www.decn.co.jp/
0 comments :
コメントを投稿