2023年4月11日火曜日

関東整備局/管内4緊急治水プロジェクト事業期間延長へ、事業費も増額

関東地方整備局は管内4水系で進める緊急治水対策プロジェクトの事業期間を延長する方針を固めた。感染症拡大により十分な事前調査などが行えなかったのが主因。1~2年延長し、2025~26年の完成を目指す。総事業費は4水系を合わせて約508億円増額し、約2054億円。うち災害復旧に約385億円、改良復旧に約1668億円を充てる。同整備局は引き続き都県市区町村などと連携し、水害対策に取り組んでいく考えだ。
緊急治水対策プロジェクトは19年の台風19号災害を受け、洪水安全度を引き上げるため被害を受けた▽久慈川(茨城県)▽那珂川(同)▽入間川(埼玉県)▽多摩川(東京都、神奈川県)-の4河川で始まった。だが20年から新型コロナウイルス感染拡大で用地交渉・買収や相続関係調査、家屋移転に大きな影響が出た。十分な事前調査が行えなかった上、事業着手後に軟弱地盤が見つかるなどしたため、事業期間の延長と事業費の増加につながった。
事業内容は4水系合わせて堤防整備約41キロ、河道掘削・樹木伐採約798万平方メートル、霞堤・遊水池整備7カ所、堰改築1カ所など。
4水系のうち事業費の見直し幅が最も大きかったのが久慈川水系。事業費は約297億円増の約647億円となる。河道掘削や堤防整備、霞堤整備などを行い、19年台風19号と同クラスの出水でも越流が起きない程度の整備を目指す。事業期間は2年延長し26年度を完了目標とする。ソフト施策では防災集団移転や浸水想定地域の開発制限、越流や決壊を検知する装置の開発・設置などを盛り込んでいる。
那珂川流域は事業費を約147億円増額し約813億円。中流部に大場遊水池を新設。堤防、霞堤整備などを進める。完成予定は2年延長し26年度とする。
荒川支川の入間川は19年台風19号で越辺川との合流点付近を中心に広い範囲で決壊し、甚大な被害を出した。このため合流点付近に都幾川遊水池(仮称)の整備を目指している。河道掘削や堤防整備なども進め、支川を含めた越水防止を図る。事業費は約338億円(増額なし)。完成目標は1年延長し、25年度の予定。
多摩川は19年台風19号で東京都世田谷区や川崎市中原区などが越水し、甚大は被害が発生した。河道掘削や堤防整備のほか、中流部の大丸用水堰改築により流下能力を増やす。事業費は約255億円(64億円増)。完成目標は1年延長の25年度となった。


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