2023年4月27日木曜日

回転窓/地域の守り手の応援メニュー

 茨城県常総市に七色の「レインボーギョーザ」を提供する定食屋がある。ここでは消防団員やその家族が来店すると利用額に応じて季節の小鉢や飲み物をサービスしてくれる▼市の「消防団応援の店」の一つ。団員の士気向上と担い手確保を目的とした取り組みで、感謝の気持ちを込めて市が加盟店をPRする▼団員は他に本業を持ちながら非常勤特別職の地方公務員として、火災などの非常時に現場へ駆けつける。地域で暮らす人たちの安全・安心の確保に大きな役割を果たしている存在だ▼1960年代半ばに130万人を超えていた団員数は、2022年に80万人を下回った。総務省の消防白書(22年版)は「危機的な状況」と指摘する。政府は団員報酬が財政需要に反映されるよう地方交付税の算定方法を見直す措置などを講じているが、団員の維持と確保に多くの自治体が頭を悩ませる▼15年9月の関東・東北豪雨で3分の1が浸水した常総市。当時、約1500人の救助に当たったのは消防組織だった。消防団も建設会社もいなくなってからでは手遅れ。地域を守る担い手は地域で確保し、活動を応援し続けてほしい。
source https://www.decn.co.jp/

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