鉄建建設と山梨県大月市は14日、同社が市内を流れる真木川に整備予定の小水力発電所を、災害対策などに活用する地域協力協定を結んだ。同社にとって初の小水力発電事業となる真木川発電所は、2025年度の運転開始を予定。発電所がある真木地区に対し、災害対策や街灯設置などによる地域の安全・安心施策、青少年向けの環境教育など4項目で連携する。
計画地は大月市大月町真木松木平。計画では、標高910メートルにある真木川上流の堰堤(えんてい)付近に取水口を設け、林道下に埋設した導水管で約900メートル下流に造る発電設備に送水する。発電後の水は、下流で真木川に戻す。導水路は延長約900メートル、総落差は80メートル。最大出力176キロワット、年間発電量104万キロワット時(約260世帯分)を見込む。電力は固定価格買い取り制度(FIT制度)を利用し、東京電力に売電する予定だ。
今後、鉄建建設が県との協議や測量・設計を行い、23年秋頃をめどに事業性を評価。24年度以降は新たに設立する特定目的会社が施設を整備し、25年度の運転開始を目指す。
14日に大月市役所で協定締結式を開いた。小林信保市長は「近年は災害が激甚化しており、ソフトとハードの両面での備えが重要だ。地域の安心・安全へ大きな力を得た」とあいさつ。伊藤泰司社長は「災害対策にとどまらず、地域の安心・安全や環境教育の面で微力ながら大月市に貢献できるようにしたい」と語った。
小水力発電事業は、21年度末に県が98カ所の有望地を公表して事業者を公募。鉄建建設はこのうち真木川を候補として応募し、22年8月30日に「山梨県有林内における小水力発電推進事業者」に選ばれた。
真木川の取水地点
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