先端建設技術センター(佐藤直良理事長)は、土木・建築関係の専門紙などを参考に直近の技術開発のトレンドをまとめた。まだ確立されておらず検証中や検証予定の新技術に関する記事を収集・分析。記事化された技術を分類ごとに整理した結果=グラフ参照=を見ると、インフラの点検・調査に活用する「構造物調査」が最も多く全体の1割以上を占めた。生産性向上や労働者の省人化につながる「情報化施工」、山間部の新設道路に活用する「トンネル工(NATM)」も上位だった。
2018~21年の4年間で新聞5紙・雑誌など31誌から計336件の記事を収集した。技術開発の最新動向をキャッチアップする目的で、新技術情報提供システム(NETIS)登録技術など既に確立された技術は対象外とした。新技術を積極的に活用したい発注者などが工事発注時、参考にできる情報として整理した。
構造物調査はドローンや光ファイバーセンサー、動画、AI、3D点群データなどを活用した技術が多い。インフラ施設の老朽化や維持管理コストの増大が社会問題化する中、維持管理業務を効率化するニーズの高まりが背景にあると考えられる。施工現場でICTなどを活用する情報化施工技術も、生産性向上を求める時代背景が影響している。
トンネル工のうちNATM技術は、リニア中央新幹線など山間部を通る鉄道や道路の新設計画があり開発機運の高まりにつながっている。これ以外に技術開発が多かった「施工管理」を対象工種ごとに見ると、トンネル工が半数以上の15件に達した。
新技術がもたらす効果を性質ごとに整理すると、▽経済性=24%▽施工性=23%▽品質=19%▽安全性=17%▽工程=12%▽環境=5%。現場の施工効率や安全性、構造物の品質を高める新技術が多く、環境面で効果が高い技術はまだ少ないことが分かった。
同センターは分析方法を一部見直した上で、今後も新技術情報の収集・分析を継続する方針。中期的な技術開発トレンドを把握し、組織内の技術力向上につなげる。
source https://www.decn.co.jp/
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