2023年4月10日月曜日

東北整備局/北上川上流ダム再生(盛岡市)、調査・設計10業務の委託先選定へ

◇北上川ダム統合管理事務所に開発調査課新設
東北地方整備局は、盛岡市の治水安全度を高める「北上川上流ダム再生事業」に関連し、プロジェクトを所管する北上川ダム統合管理事務所の体制を強化した。北上川の流域治水で基幹事業になる四十四田ダム(盛岡市上田)堤体かさ上げの早期着工などを目指し、専門部署を設け調査・設計を着実に進める。同事務所は「四十四田ダム再生環境影響評価業務」など10件の委託先を決める。
四十四田ダムは重力式コンクリート・フィル複合形式で1968年に竣工した。堤体を2メートルかさ上げして3550万立方メートルだった有効貯水容量を4300万立方メートルにアップ。洪水調整容量を約2割増強する。御所ダムの操作規則も変更し、岩手県の中央部を北から南に流れる1級河川・北上川の治水に役立てる。
新設した開発調査課はダム再生の事業計画、事業監理、予算執行、調査・設計・検討業務などを所管する。東北整備局は2023年度に関連予算として4・9億円を計上している。本年度第1四半期(4~6月)に委託先を決めるのは▽環境影響評価(簡易公募型プロポーザル)▽環境影響調査(一般競争入札〈標準型〉)▽水理模型実験(簡易公募型プロポーザル)▽堤体材料調達計画(同)▽本体設計総合評価(同)▽本体設計(同)▽施工計画(同)▽猛禽類調査(一般競争入札〈標準型〉)▽水環境等予測評価検討(簡易公募型プロポーザル)▽事業計画等検討(同)-の10業務になる。
1月には建設技術研究所に策定を委託していた環境影響評価(環境アセス)方法書を公表している。新規事業採択時評価(2018年度)での総事業費は約300億円、10年程度の事業期間を見込んでいた。再生事業で重力ダム部、左右両岸フィルダム部をそれぞれ2メートルかさ上げする。同時に既設洪水吐き部の改良、洪水吐き部の増設も実施。事業が完了すると堤高は52メートルになり、480メートルの堤頂長は560メートルに伸びる。
同事務所は事業実施に向け、「北上川上流ダム環境影響評価技術検討委員会」を昨年3月に設置した。環境分野が専門の学識者らに助言をもらいながら方法書を策定。「四十四田ダム再生本体設計」や計画検討などの業務は日本工営に委託していた。

堤体かさ上げの完成イメージ(北上川ダム統合管理事務所提供)
source https://www.decn.co.jp/

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