2023年4月18日火曜日

回転窓/デジタル社会の回りもの

金は天下の回りもの--。金銭は常に世の中を巡り、1カ所にとどまっていないことを示す。お金のない人のところにも、いつかは回ってくるという励ましの意味も持つ▼物々交換で経済が成り立っていた古代の日本では米や塩、布などがお金の代わり。国内初の金属の銭貨が造られたのは7世紀後半とされる。江戸時代には貨幣制度を統一し、3代将軍・徳川家光が銅銭「寛永通宝」を造って金・銀・銅による三貨制度を確立した▼明治時代に入ると、新しい単位「円」を導入し、従来の4進法を10進法(円・銭・厘)に改めた。近代以降、政府や日本銀行が経済の状況によって通貨の発行量などを管理・調整している▼現在、紙幣や硬貨と同じように使えるデジタル通貨の発行に向けた検討が各国で進む。日本でも「デジタル円」について、財務省が有識者会議を設置し、制度設計の論点整理に向けた議論を始める。日銀の技術的な実証実験などを踏まえ、実現可能性を探るという▼キャッシュレスが広がり、お金のデジタル化は急速に進展している。回り方を変えていくならば、持続的な経済成長につながるよう巡ってほしい。

source https://www.decn.co.jp/

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