俳人で編集者の武田櫻桃(1871~1935年)は、大正3(1914)年発行の児童雑誌「少年世界」(20巻6号)で100年後の東京を予測している▼「東京を覆える蒼空は群鴉(ぐんあ)の如くに飛行機が縦横に飛翔しているは更なり」。東京は電車や自動車でなく、飛行機が主要な交通手段になっていると予想した(大倉幸宏著『100年前から見た21世紀の日本』新評論より)▼未来予測はさらに続く。上空を飛行機が飛び交う都市で、人とモノの移動を自動電気昇降機や架空索道が補う。今で言えばエレベーターやエスカレーター、ロープウエーである(同)▼武田が描いた未来とは異なり、現在も電車と車が中心の都市交通に変わりないが、ここにきて車の自動運転技術の進展が著しい。日本の公道で「レベル4」の自動運転走行を解禁する改正道交法が1日施行された。全ての運転操作を特定の条件下でシステムが行うレベルで、政府は2025年度をめどに40カ所以上でレベル4実現を目標に掲げているという▼「空飛ぶクルマ」にも期待は膨らむ。100年後の都市交通とは…。想像力を働かせた予測で未来に近づきたい。
source https://www.decn.co.jp/
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