◇トンネル工事は鉄建建設と大成建設
JR東日本は4日、都心部や臨海部と羽田空港(東京都大田区)を結ぶ「羽田空港アクセス線(仮称)」を6月に本格着工すると発表した。3ルートのうちJR田町駅(同港区)と東京貨物ターミナルを結ぶ「東山手ルート」、同ターミナル(同品川区)と空港を結ぶ「アクセス新線」を先行整備。第1・第2旅客ターミナルの間にある地下空間に「羽田空港新駅(仮称)」も設ける。工事延長は約12・4キロ、概算工事費は約2800億円、2031年度の開業を目指す。
羽田空港アクセス線のうち、東山手ルートはJR田町駅付近~東京貨物ターミナル間(延長約7・4キロ)を結ぶ。アクセス新線は東京貨物ターミナル~羽田空港新駅間(延長約5キロ)を接続。東山手ルートは1月31日付で鉄道施設変更認可、アクセス新線の工事施工認可は3月24日付で、それぞれ国土交通省から受けた。
東山手ルートの整備では、JR田町駅付近にある東海道線から貨物線である大汐線(現在休止中)を結ぶ「東海道線接続区間」(約1・5キロ)、「大汐線改修区間」(約3・4キロ)などで構成する。
東海道線接続区間は他路線を移設した上で、東海道線の上下区間にスペースを設けて開削トンネルやシールドトンネルを構築する。トンネル工事のうち起点側に位置する開削トンネルを鉄建建設、空港方面の開削トンネルとシールドトンネルは大成建設が担う。
大汐線から先に位置する「東京貨物ターミナル内改良区間」では、敷地内にあるJR東日本の用地に車両留置線や保守基地線(面積約2・3万平方メートル)を整備。「アクセス新線区間」は複線シールドトンネル(延長約4・2キロ、最大深度約50メートル)を設ける。羽田空港新駅は最大幅員12メートル、延長は約310メートルを想定し1面2線の島式ホームにする。アクセス新線の一部区間と新駅は国が整備する。
東山手ルートの開通により、宇都宮や高崎、常磐各線方面から羽田空港へ直接アクセスが可能になる。東京駅からの所要時間は約18分という。同日、東京都内で会見した深澤祐二社長は「インバウンドが増える中で、当社が交通の面で貢献できる。経営面でもプラスになる」と力を込めた。
東山手ルート以外は、JR大崎駅(品川区)方面の「西山手ルート」、りんかい線・東京テレポート駅(江東区)方面の「臨海部ルート」も計画されている。
source https://www.decn.co.jp/?p=151742
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