回転窓／鉄道運賃の値上げ

食料品などの値上げが続く中、鉄道各社が今春に運賃改定を行った。通勤定期券の新規購入や更新の時期と重なり、少しでもお得な買い方を探している方もおられるだろう▼運賃改定と並行し、JR東日本が国内の鉄道会社で初めて変動運賃制を導入した。ICカードで新たに発行するオフピーク定期券は、平日のピーク時間帯（駅によって異なり、東京・新橋・品川は午前7時30分～9時）に別途運賃がかかるが、それ以外の時間帯は定期券として使える▼オフピーク定期券は値上げ前の運賃と比べ約10％安く、従来の定期券は1・4％高くなる。新しい定期券の割安感は魅力的だが、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方に対する会社の理解と実践が普及の鍵になりそうだ▼国土交通省が行った鉄道の利用実態調査では、2021年の定期券販売枚数が6年前と比べ2～3割減った。コロナ下で通勤・通学客の減少がこうしたデータからも読み取れる▼厳しい経営環境が続く鉄道各社は、今回の値上げ分をホームドア設置などバリアフリー化費用に充てる。誰もが安全・安心に使える施設の整備が一層進むことを期待しよう。

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