2023年4月6日木曜日

山梨県/富士山登山鉄道構想23年度から具体的検討加速、知事政策局内に推進組織

 山梨県は2023年度、富士山の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」の具体化に向けた検討を加速する。知事政策局内に富士登山鉄道推進グループを新設。今後のスケジュールなどは検討中だが、実現に向けた組織体制構築や実行主体の立ち上げ準備などを進める考えだ。
 3日の定例会見で長崎幸太郎知事が明らかにした。1月の知事選で再選したことを受け「知事選での民意を背景に、実現に向けた具体的検討を加速する」と明言。「富士山という世界の宝物をお預かりしている地元自治体の責務として、保全や活用の在り方を議論し、丁寧に進めたい」と語った。
 富士山は観光客の増加に伴い富士スバルライン(富士山有料道路)の交通量が増え、排気ガスによる環境負荷などが課題になっている。県は登山鉄道の整備に向け20年4月に富士山登山鉄道構想検討会を立ち上げた。その後、コロナ禍で住民説明会などの開催が困難になり、活動が停滞していた。ここにきて新型コロナウイルス感染症が沈静化してきたことなどから、再始動に踏み切った。
 21年2月の検討会第2回総会では、富士スバルラインに次世代型路面電車(LRT)を敷設する基本構想を了承している。当時の構想によると概算建設費用は約1400億円。実現に向け県は制度と技術の両面で課題を整理し、分科会を設置するなどして検討を具体化する方針を示している。事業方式や運営主体などは未定。
 構想案では往復1万円の運賃で年間約300万人の利用者数を想定、事業採算がとれるとの見通しを示している。収支シミュレーションの仮条件は山麓から5合目まで約28キロに路線を敷設するプラン。複線で整備し中間駅を4カ所設ける。山麓駅周辺に約16万平方メートルの敷地を確保し、車両基地やバスターミナルなどを置く。長さ30メートルの車両を48両導入すると想定。富士山の環境保全に配慮し5合目にある観光施設は、上下水道や電気設備といったライフラインと一体整備するなどとしている。



source https://www.decn.co.jp/?p=151777

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