国土交通省は先月公表した公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく2022年度実態調査の結果を踏まえ、特に改善が求められる事項を整理し国や地方自治体の発注機関に5日付で通知した。入契法に基づき必要な情報が公表されていない場合、違法状態となるため「直ちに是正する必要がある」と訴えた。工期設定で週休2日などの休日確保を考慮していない発注機関には早急な見直しを要請。1年後に迫る時間外労働の罰則付き上限規制を見据え、市区町村なども含めた環境整備が急務との危機感が表れた格好だ。
国の省庁や特殊法人は国交省単独、都道府県・政令市には総務省との連名で通知文書を送付した。改善の必要性が高い事項として▽入札契約に関する情報の公表▽ダンピング対策の強化・徹底▽適正な工期の設定▽スライド条項の適正な運用-を列挙。これに限らず入契法と適正化指針に基づく全般的な対応を求めた。
国交省は入契法で義務付けられている情報の公表が徹底されていない現状を重く見る。通知文書に併せて公表すべき具体的事項をリストアップし周知した。一部自治体では工事契約後の入札結果が非公表だったケースなどが確認されている。個別に情報開示請求があった場合に限り対応するケースも多い。いずれも法規定に沿った公表手続きに改めるよう求めた。
工期の設定方法は適正化指針や「工期に関する基準」に基づく対応を働き掛けた。週休2日や祝日などの休日確保を考慮し工期を設定している市区町村が48・1%にとどまるなど、国の省庁を含む多くの発注機関で工期適正化の取り組みが浸透しているとは言い難い状況にある。
建設業法で規定する「著しく短い工期の禁止」に該当する工期で請負契約を締結した場合、発注者が勧告対象になるとも注意喚起した。
ダンピング対策は低入札価格調査基準の中央公共工事契約制度運営連絡協議会(中央公契連)モデルが昨年改定されたことを踏まえた対応などを要請。円滑な価格転嫁を推進するためスライド条項の運用基準をあらかじめ策定し、受注者となる建設会社とも共有するよう促した。
source https://www.decn.co.jp/
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