2023年5月31日水曜日

東京都/斜面構造物の経年劣化対策強化、のり枠や擁壁などに対象拡大

東京都は山間道路近くの斜面に設置した崩落防止構造物の経年劣化対策を強化する。これまで対策を講じていたグラウンドアンカーに加え、のり枠、モルタル吹き付け、擁壁などにも対象を拡大。設置された場所や年数などを調べ、老朽化対応が必要な構造物の洗い出しを進める。併せて点検時に用いるマニュアルも策定する予定だ。
都は自然災害が激甚化し多発する中、都民の安全安心な生活を支えるため経年劣化対策の対象構造物を広げる必要があると判断した。2023年度予算でグラウンドアンカー以外の構造物の基礎調査やグラウンドアンカーの改修などの経費に約7億2000万円を確保した。
基礎調査は22年度に開始しており、「1年や2年では終わらない」(都担当者)ため23年度も継続する。対象地域は、奥多摩町や檜原村がある西多摩地域のほか、八王子市などがある南多摩地域、島しょ部など。のり枠、モルタル吹き付け、擁壁などの施工箇所や設置年数などを精査する。
都はグラウンドアンカー以外の構造物を点検する時に使うマニュアルも整備。国や高速道路会社も斜面に設置した構造物の点検を行っているという。「いろいろな点検基準がある。東京都の実態に適した内部で検討している」(同)。
グラウンドアンカーは18年度から順次改修している。23年度の改修箇所数は明らかにしていないが、24年度までに累計42カ所で工事に着手する計画だ。現場では既存のグラウンドアンカーを残置し、近くに新たなグラウンドアンカーを打ち込む方法などを採用している。
都は防災対策のレベルを上げる「TOKYO強靱化プロジェクト」(22年12月策定)で、土砂災害に対する安全性を高めるため、「既設斜面対策施設の経年劣化対策の推進」を掲げている。
グラウンドアンカーを設置した斜面(東京都提供)

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政府/半導体・デジタル産業戦略改定案、北海道と九州でデータセンター整備補助

政府は30日、半導体やデジタル産業の成長戦略となる「半導体・デジタル産業戦略」の改定に向けた最終案を有識者会議に示し、了承された。情報処理量を増やすため、国内にある8割超が東京圏と大阪圏に集中するデータセンター(DC)の建設を地方に分散し推し進める。再生可能エネルギーの発電量が多い北海道と九州で優先度が高いと判断。DCを建設する場合、施設や設備にかかる費用の半額を補助する。2023年度から4年間の国庫債務負担行為として予算計上した総額455億円の範囲内で支援を重点化する。
同戦略の改定は21年6月の策定以降、今回が初めて。国内で半導体を生産する企業の売上高を30年に計15兆円超と、20年実績の3倍に引き上げる目標を掲げる。目標達成には今後10年間で官民合わせ10兆円の追加投資が必要になると試算。さらなる情報処理量の増加に対応し基盤となるデジタルインフラの整備を集中的に支援していく方針だ。最終的な改定戦略は6月中旬にも公表する。
デジタルインフラの整備は半導体・デジタル産業戦略の一環として、経済産業、総務両省の有識者会議が同日公表した政策提言「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合中間とりまとめ2・0」に基づいて推し進める。
柱はDCの新規立地の地方分散。東京圏と大阪圏に続く第3、第4の中核拠点として北海道と九州が持つ土地の広さや再エネのポテンシャルなどに着目。政府は23年度から集中かつ重点的な財政支援策を展開し、優先度の高いと判断したDCの新規立地を後押しする。
国内全体ではDCの電力消費量が増大している。北海道と九州では洋上風力発電事業のさらなる拡大も見込まれており、地産地消の自然エネルギーによって賄える効果も期待する。
デジタルインフラ整備に関する有識者会議の政策提言によると、20年代半ばから低遅延の通信サービスが実装される地域のニーズに適正した規模や機能を持つ、分散型のDCを順次整備していくよう提言。30年ごろからは地産地消のエネルギー活用を柱とする超低消費電力や、超高速処理を特徴とするオール光ネットワーク技術の活用を可能とする分散型のDCを整備することも求めており、政府はこれに準じて対応していく。


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西松建設/創立150周年PRにビーバーくん積極活用/公式LINEスタンプ発売など

西松建設は2024年の創立150周年に向け、社内で40年以上親しまれる名物キャラクター「西松ビーバー」(通称ビーバーくん)でPR活動を積極展開する。公式サイトには紹介ページを設置。若年層に訴求しようと、2日には公式LINEスタンプ(120円)を発売した。6月からは北陸製菓(金沢市、高崎憲親社長)の米菓「ビーバー」とコラボレーションする。
ビーバーくんは動物のビーバーがモチーフ。1981年に当時の社員の妻が描いた社内用ポスターに初登場した。国内外で掲示物や現場の垂れ幕などに広く用いられ、社員に長く愛されてきたが、明確な管理部署がなく呼称や姿形が安定していなかった。同社は15年に著作権者から正式に権利を譲受。名前と通称を設定し、元のノスタルジーな雰囲気を残しつつ、よりかわいらしい姿にリニューアルした。
ビーバーくんLINEスタンプ(西松建設提供)

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回転窓/メロディー道路と国際会議

栃木県が日光市の国道120号・いろは坂にメロディー道路(音響付加型凍結抑制舗装)を整備して話題となっている。車が一定速度で走行すると音楽を奏で、冬季は路面の溝に充てんした材料の効果で凍結を抑制する▼いろは坂の付近に多く生息するニホンザルと日光東照宮の「三猿」にちなみ、楽曲には海外でも認知度の高いゴダイゴの「モンキー・マジック」を採用した。4月末に全面開通し、利用者の評判は上々のようだ▼日光市ではG7サミット(先進7カ国首脳会議)に伴う男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が6月24、25日に開かれる。政府主催の国際会議が栃木県で行われるのは初めてという▼昨秋の開催地決定以降、県は歓迎機運の醸成と地域のアピールに余念がない。関連事業を進める協議会を立ち上げ、プロモーションビデオを制作。駐日大使と外国メディアを日光の社寺や華厳の滝に案内したり、いちご狩りも楽しんでもらったりした▼メロディー道路の施工には女性の現場監督も従事した。国際会議を通じた男女共同参画の推進と地域の魅力発信とともに、建設業で働く女性の活躍が広く知れ渡ってほしい。


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日建設計/東京ビルで6月19日から「イラスト名建築ぶらり旅」原画展開催

日建設計は画文家である宮沢洋氏の描くイラスト原画展を6月19日から、同社東京ビル(東京都千代田区)で開く。ウェブメディアのnoteで連載中の企画「イラスト名建築ぶらり旅」の書籍化を記念した展覧会となる。中之島図書館など同社とつながりのある20の歴史的名建築を、ユーモアあふれるイラストで表現している。
時間は午前9時10分~午後5時。会期は7月14日まで(土日祝日は休館)。


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JR東海/リニア中央新幹線高架橋(山梨県富士川町)を初公開、施工は名工建設JV

JR東海はリニア中央新幹線の建設事業に関連して30日、高架橋の建設現場を報道陣に初公開した。公開したのは山梨県富士川町で建設している高架橋。名工建設・早野組JVが施工しており、現在はコンクリート打設が完了した段階にある。JR東海山梨東工事事務所の中川隆広所長は取材に対し「地域や自治体にご理解いただき、工事を着実に進めてこられた。まだまだ工事は続くが改めて気を引き締め、早期開業に向けて全力で取り組む」と話した。
「山梨県内高架橋ほか新設工事(利根川公園交差部)」の現場を公開した。施工ヤードの所在地は小林1778(敷地面積約1万2600平方メートル)。甲府市内に建設予定の山梨県駅から西に約10キロの位置にある。元々は町立体育館など町有施設があった土地で、ヤードの周辺には住宅が立ち並ぶ。
ヤード内では高架橋(延長約76メートル、幅約16メートル)の建設が進展している。工事は2020年7月に着工し、同9月に下部工、22年4月に上部工に着手。今年1月までにコンクリート打設を終えた。現在は住宅地の中に、高さ約21メートルの巨大なコンクリート構造物が出現している状況だ。今後は9月28日の工期末までにヤード内を片付ける。
橋桁の上にはリニア車両の走行空間「ガイドウェイ」や、周辺への騒音を低減する「防音防災フード」などを設置するための鉄筋が突き出ている。電線類を通すための配管も備わり、設備工事を見据えた準備が着実に進んでいる。
施工地を管理していた町がいち早く施設の移転に同意したため、山梨県内区間の中で同工事が先行する結果となった。周辺住民にも工事の進展状況や今後の予定などを定期的に回覧し、理解の醸成に努めた。
同社によると同工事は高架橋工事の中でも一般的な部類で、先行着手したのは施工方法や品質管理の面でノウハウを蓄積する目的もあったという。中川所長は「若手社員が実際に携わり、いい経験になった。今後他の高架橋工事で活躍できるだろう」と期待を込めた。
高架橋
橋桁の上には設備工事への準備施設が備わる

JR東海/リニア中央新幹線高架橋(山梨県富士川町)を初公開、施工は名工建設JV

 JR東海はリニア中央新幹線の建設事業に関連して30日、高架橋の建設現場を報道陣に初公開した。公開したのは山梨県富士川町で建設している高架橋。名工建設・早野組JVが施工しており、現在はコンクリート打設が完了した段階にある。JR東海山梨東工事事務所の中川隆広所長は取材に対し「地域や自治体にご理解いただき、工事を着実に進めてこられた。まだまだ工事は続くが改めて気を引き締め、早期開業に向けて全力で取り組む」と話した。
 「山梨県内高架橋ほか新設工事(利根川公園交差部)」の現場を公開した。施工ヤードの所在地は小林1778(敷地面積約1万2600平方メートル)。甲府市内に建設予定の山梨県駅から西に約10キロの位置にある。元々は町立体育館など町有施設があった土地で、ヤードの周辺には住宅が立ち並ぶ。
 ヤード内では高架橋(延長約76メートル、幅約16メートル)の建設が進展している。工事は2020年7月に着工し、同9月に下部工、22年4月に上部工に着手。今年1月までにコンクリート打設を終えた。現在は住宅地の中に、高さ約21メートルの巨大なコンクリート構造物が出現している状況だ。今後は9月28日の工期末までにヤード内を片付ける。
 橋桁の上にはリニア車両の走行空間「ガイドウェイ」や、周辺への騒音を低減する「防音防災フード」などを設置するための鉄筋が突き出ている。電線類を通すための配管も備わり、設備工事を見据えた準備が着実に進んでいる。
 施工地を管理していた町がいち早く施設の移転に同意したため、山梨県内区間の中で同工事が先行する結果となった。周辺住民にも工事の進展状況や今後の予定などを定期的に回覧し、理解の醸成に努めた。
 同社によると同工事は高架橋工事の中でも一般的な部類で、先行着手したのは施工方法や品質管理の面でノウハウを蓄積する目的もあったという。中川所長は「若手社員が実際に携わり、いい経験になった。今後他の高架橋工事で活躍できるだろう」と期待を込めた。



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2023年5月30日火曜日

デジタルで建設をDXする・97/樋口一希/デジタル化を先導した2氏の新たな挑戦

BIMに象徴される建設業のデジタル化を先導してきた人材が代替わりの時期を迎えている。デジタル技術運用の知見とノウハウを次世代に伝えるべく活動をスタートさせた浅野博光氏(びむてく工房代表取締役)と原行雄氏(アートヴィレッヂ代表取締役)の新たな挑戦を報告する。

□BIMによる3次元設計への移行支援などコンサルティングを行う「びむてく工房」を創業□
浅野氏は1978年に奥村組に入社。工事管理、構造設計、意匠設計、CAD支援ソフト開発などに携わり、建築設計部長などの要職を経て2014年からはBIMの導入・普及を担当した。22年11月に奥村組を定年退職し、今年2月にBIMの導入と運用全般にわたるコンサルティングを行う「びむてく工房」を創業した。奥村組のBIM状況については、連載「BIMのその先を目指して」第86・87回(進展する奥村組のBIM運用)で報告している。3月3日開催のBIMセミナーでの講演「人それぞれのBIM」を通じて、BIMの現況を踏まえた今後の活動への指針を聴いた。
1983年にCAD導入に立ち会い、約15年間で完全にCADに移行したが、手描き手法をデジタル化しただけで設計手法は変わらなかった。その間にCADオペレーターという職能も登場し、手描き図面は消滅していった。一方、BIM元年といわれた2009年から14年が経過してもCADからBIMに置き換わってはいない。CADからBIM、2次元図面から3次元BIMモデルへと移行するためには設計手法を変えなければならない。
CAD導入時と異なり、設計手法そのものの変革が求められている現在、〈1〉設計者自らがBIMを使う〈2〉建築知識を有したオペレーターを育成する〈3〉BIMソフトをより使いやすく継続的に改良していく-必要がある。びむてく工房では、それら設計手法の変革に向けた支援を行い、BIMによる建築プロセス全般の生産性向上に貢献していく考えだ。

□BIMによるデジタル版建築設計資料集成の構築を進めるなど施工図事務所の職域を拡張□
施工図事務所は、設計情報を施工情報に翻訳し、架橋する重要な役割を果たす。BIMによりデジタル化された建物情報を設計から施工へとつなげる中でアートヴィレッヂは職域を広げている。アートヴィレッヂのBIM運用については、連載「BIMの課題と可能性」第56~58回(深化する施工図事務所の職能)においても報告している。
大手組織設計事務所と協働してデジタル版建築設計資料集成ともいえるプロジェクトを進めている。建築設計資料集成は、建築にまつわる情報を網羅した標準図面・詳細図集だ。紙媒体のため検索性は限定的で、拡大縮小・回転はできず、2次元表現のため情報の見える化にも限界がある。建てるBIM=施工BIMで培った知見とノウハウを用いて、設計事務所の仕様に準拠した建築設計資料集成をBIMによる3次元モデルでデジタル化している。
BIMモデルの詳細度を定義するLODは、一般的にはレベル100=企画設計モデル、200=基本設計モデル、300=実施設計モデル、400=施工図モデルとされるが、ここでは原寸値(1/1)でモデル生成している。これによって設計者は工程の最上流の段階で、設計の射程を伸延してリアルな施工の実相までを視野に入れることができる。
BIMサービスプロバイダーとの協働にも着手した。施工図では、設計図書を基にコスト、品質、工期などを精査し、サブコンや現場職人など関係者に指示するための情報を付加する。意匠・構造・設備間で設計図書通りには施工できないケースが生じた際、関係者間でBIMモデルによって重ね合わせ調整などを行って協議する。
このように施工図事務所には、設計図書を読み取り、施工図(モデル)に必要な情報を補い、付加する高度な能力が求められる。BIMによる施工図(モデル)構築を実践する中で、アートヴィレッヂは、関係者間の総合調整機能の重要性に着目し、実務の精度を向上するべくBIMサービスプロバイダーとの協働を進めている。
〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)



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三井不/国内最高木造オフィスビル建設に11月着手、設計施工は竹中工務店

三井不動産は木造で国内最大・最高層の規模となるオフィスビルの建設に11月着手する。建物は延べ約2万8000平方メートルの規模を計画。高さは84メートルとなり、現存する木造建築物として国内で最も高い東寺の五重塔(約55メートル)を大きく上回る。設計・施工は竹中工務店が担当している。2026年7月の完成を目指す。
計画名は「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」。建設地は東京都中央区日本橋本町1の3(敷地面積2502平方メートル)。建物はW・S造地下1階地上18階建て延べ2万7826平方メートルの規模となる。基礎工法は杭基礎を採用する。
構造材には1000立方メートルを上回る量の木材を使用する予定。主に三井不のグループ会社が、北海道で保有している約5000ヘクタールの山林から調達する。主要な構造部材には竹中工務店が開発した耐火集成材「燃エンウッド」を採用して火災時の安全性を高める。
木材の活用により建築時の二酸化炭素(CO2)排出量は、同規模の一般的なオフィスビルと比べて20%程度抑えられる見通し。竣工後は賃貸オフィスのほか、三井不が日本橋エリアを中心に展開しているライフサイエンス事業の拠点などとして運用する方針だ。
同社は「ワーカーや来館者などに木造ならではのぬくもりと安らぎを与え、都心の街づくりの新たな価値創造や景観を生み出す、魅力あふれる場になることが期待される」としている。
オフィスビルの完成イメージ(報道発表資料から)

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鉄道運輸機構/北陸新幹線金沢~敦賀間軌道工事が完了、芦原温泉駅で締結式開く

2024年春の開業を予定する北陸新幹線金沢~敦賀間(約125キロ)の軌道工事が完了し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は27日、福井県あわら市の芦原温泉駅構内でレール締結式を開いた。両駅間が1本のレールでつながり、東京から敦賀までの約580キロが結ばれた。両駅間には五つの駅があり、途中の構造物は高架橋や橋梁、トンネルが大部分を占める。秋にも検測車などを使った総合監査・検査を行う。
式典には斉藤鉄夫国土交通相、鉄道運輸機構の藤田耕三理事長、福井県の杉本達治知事、石川県の馳浩知事、両県選出の国会議員、沿線市町の首長ら74人が出席した。
藤田理事長は「工事は最終段階を迎えている。一層の緊張感を持って準備を進め、来年春の開業を迎えたい」とあいさつ。同機構北陸新幹線建設局の綿貫正明局長による工事施工報告に続き、斉藤国交相は「関東や関西、日本各地、さらに世界との交流がますます促進し、観光、ビジネスの両面で活性化することが期待される」と述べた。
杉本知事は「福井県では初めての新幹線。県民挙げて盛り上げたい。安全に工事を進め、確実に開業してほしい」と話しつつ、早期の全線開業を期待。馳知事は「北陸3県が1時間でつながる。一日も早く新大阪までの全線開業を目指したい。北陸は一つだ」と団結を呼び掛けた。
式典では斉藤国交相や杉本知事、馳知事ら33人が約25メートルの区間に一定間隔で立ち、「えい、えい」の掛け声とともにレンチを回してボルトを締めた。北陸新幹線建設局の横山拓広福井鉄道軌道建設所長と増田竜也敦賀鉄道軌道建設所長がレールを点検し、綿貫局長に報告した。
安全を祈願して、軌道工事を担当した名工建設、広成建設、東鉄工業、大鉄工業、シーエヌ建設、三軌建設の現場代理人8人がレールを清めた後、テープカットとくす玉開披でレール締結を祝った。最後につながったばかりのレールに軌道モーターカーがゆっくり進むと、会場から歓声が沸き上がった。
金沢~敦賀間のレール敷設は20年4月から始め、昨年10月に完了。微調整を経て、この日で固定を終えた。ロングレールを採用し、白山車両基地~加賀温泉駅間は約31キロ、加賀温泉~福井駅間は約30キロに上る。
工事の進捗(しんちょく)状況は土木と軌道が100%、駅舎は9割まで仕上がった敦賀駅を除き全て完成。電気工事は全体で8割程度まで進んでいる。
引き続き、敦賀駅の仕上げや設備工事を進めるとともに、構造物や線路を点検する監査・検査を実施。総合監査・検査や国交省による完成検査を経て、JR西日本が乗務員の訓練運転に入る。
金沢~敦賀間は12年6月に工事実施計画の認可を得て、同8月に着工した。区間内に小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふの5駅を置き、デザインは地元自治体が示したコンセプトを基に、地域の伝統や文化、歴史などを反映した。
工事延長は114・6キロ。このうち高架橋は59・2キロで全体の約52%(59・2キロ)を占める。トンネルは新北陸トンネル(19・8キロ)や加賀トンネル(5・5キロ)、第2福井トンネル(3・5キロ)など12本。橋梁は手取川橋りょう(558メートル)、第2竹田川橋りょう(311メートル)、九頭竜川橋りょう(414メートル)など298カ所に設置した。
レール締結
線路を走る軌道モーターカー
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回転窓/カツオの旬

初夏の季節感を表現した句として知られる〈目には青葉 山ほととぎす 初鰹(はつがつお)〉(山口素堂)。この時期に視覚・聴覚・味覚の観点から人々が好んだものを詠んでいる▼カツオの旬は一年に2回ある。春から夏にかけて黒潮に乗って北上する初鰹、秋に南下するものを戻り鰹などと呼ぶ▼産地と言えば、郷土料理のたたきが有名な高知を思い浮かべる。総務省の家計調査で、1世帯当たりのカツオの年間消費量(2020~22年平均)は高知市が金額・量(7425円/4182グラム)ともに1位。2位の福島市(3151円/1647グラム)以下を大きく引き離す▼都道府県別の漁獲量(農林水産省21年調査)で高知県は1万8894トンの3位。1位の静岡県(8万6020トン)は遠洋漁業の基地である焼津漁港を中心に、冷蔵・加工施設が多く、東京や名古屋など大消費地に近いこともトップの要因のようだ▼太平洋の中西部海域全体でのカツオの資源量は今のところ維持されているという。資源枯渇に将来陥らないよう、関係国らが長期的な管理目標の設定で昨年末に合意した。持続可能な漁業で日本の食文化を守ってほしい。


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ミズノ/人工芝が多数のスポーツ施設に採用/利用シーンや競技に合わせて開発

ミズノの人工芝がドームやスタジアムなどスポーツ施設に多く採用されている。選手のプレーやスポーツごとのボールの反発などを分析し、利用シーンや競技に合わせた人工芝を開発。スポーツ選手のプレーや観客が観戦する際の景観性に貢献している。開発した野球用人工芝「MS CRAFT BASEBALL TURF-V」が、2023年シーズンからベルーナドーム(埼玉県所沢市)で採用。耐久性や選手のパフォーマンス向上に一役買っている。
同社の人工芝の施工実績は3月末時点で、累計150万平方メートルに上る。中でも野球用人工芝の「MS CRAFT BASEBALL TURF」シリーズは国内各地のプロ野球球場で採用されており、トップシェアを誇る。
新開発のMS CRAFT BASEBALL TURF-Vは耐久性が従来の1・7倍になり、より長期間の使用が可能。スパイクで人工芝が切れにくくし、マイクロプラスチックの発生を抑制する効果も期待できる。屋外で使用した場合に懸念される太陽光の照り返しも従来比で48%減少。景観とともに、観戦時の見やすさをアップさせた。人工芝のしなやかさや厚みも改良し、着地時にかかとにかかる衝撃を11%減らした。足への負担を軽減する。
新しい人工芝の感想を西武ライオンズの栗山巧選手は「(ズボンにパイルが)付いていない。感触はよかった。スムーズに入っていけそうだし摩擦が少なそうなので、思い切って怖がらずプレーできると思う」と話した。
MS CRAFT BASEBALL TURF-Vの断面
人工芝の改良ポイントを確かめる栗山選手
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愛知県/豊橋浄水場再整備に着手、想定事業費最大320億円

 愛知県は29日、豊橋浄水場(豊橋市東小鷹野)の再整備に着手すると発表した。老朽化している施設や設備を敷地内で全面的に更新する。民間の技術力やノウハウを活用し、カーボンニュートラル(CN)への配慮や革新的な技術を導入した次世代型浄水場とするため、PFI手法の採用を想定している。更新の想定事業費は300億~320億円。2025年度に設計・施工に着手し、段階的に整備する。整備完了は34年度を見込む。
 同浄水場は、1967年に豊橋市の浄水場として完成、70年に県へ移管された。豊橋、豊川、新城の3市へ給水している。計画送水量は1日当たり10万4900立方メートル。敷地面積は2万5782平方メートル。主要構造物の劣化や耐震性の不足など課題を抱える。このため県は21~22年度、あずさ監査法人に委託し、再整備に向けたPFI可能性調査を行った。
 整備で課題を解消するとともに、隣接する豊橋市小鷹野浄水場との連携強化や再生エネルギー発電施設の設置、AI技術の導入による運用の効率化などを目指す。浄水処理方式は急速ろ過方式や膜ろ過方式を想定するが、幅広く技術提案を募る。整備後の能力は8万8000立方メートル。
 施設を稼働しながらの更新となるため、何度も切り替え工事が必要。高度な施工能力・現場管理能力が求められるため、PFI方式を採用する。
 事業方式はBT(建設・移管)+コンセッション(公共施設等運営権)が、BTO(建設・移管・運営)方式よりもCNや市町との連携による浄水場の運営など、民間事業者の自由度が高い提案に期待できるとしたが、詳細な検討を進め決定する。
 予算確保後、PFI事業者選定のためのアドバイザリー業務を委託する。



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2023年5月29日月曜日

小田急電鉄/鶴川駅(東京都町田市)改良・南北通路整備、6月着手へ

小田急電鉄が、東京都町田市にある小田急線鶴川駅の駅改良と南北自由通路の整備を6月に着手する。事業費は自由通路が約28億円、駅の改良が約58・5億円で総事業費は86億円余を見込む。駅舎にエスカレーターなどを新設し、利便性を大幅に高める。2027年度末の使用開始を目指す。同社は26日付で町田市と工事施行協定を締結した。

鶴川駅の所在地は能ケ谷1の6の3。島式ホーム1面2線と単式ホーム1面1線の計2面3線のホームを持つ。1日の平均乗降人員は22年度時点で5万7563人に上る。駅舎は線路の北側にあり、陸橋を経由してホームに出る構造だ。
南北自由通路はS造で延長約120メートル(幅員約10・5メートル)の規模で、ホームの直上に設ける。架線などの鉄道関連設備が設置してある部分は小田急電鉄、列車運行に影響のない箇所を町田市が工事発注する。施工者は近く決定する予定だ。
小田急電鉄が発注する駅改良工事は各ホームにエスカレーター2基とエレベーター3基、ホームドアを設ける。同時に南北にそれぞれ設置されている改札を1カ所に集約する。規模はS造で床面積は約880平方メートルを見込む。近く施工者を決定する。
同日、小田急電鉄はプロサッカークラブ「FC町田ゼルビア」を運営するゼルビア(藤田晋社長)と地域交流拠点施設の整備に向けた連携協定を締結した。町田市を含む3者が、現在の北口改札付近に施設を整備。駅周辺のにぎわい創出を図る。南北自由通路・駅改良工事完了時期と同じ28年度の完成を目指す。
駅構内のイメージ(報道発表資料から)
南北自由通路の完成パース(報道発表資料から)
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四国整備局/新日下川放水路(高知県)工事完了、6月1日に運用開始へ

四国地方整備局高知河川国道事務所が2018年4月から高知県日高村といの町に建設を進めてきた新日下川放水路(延長約5・3キロ)の放水路トンネルなどの工事が完了した。通水可能となったことから、6月1日に運用を開始する。
日高村の浸水被害を軽減するため戸梶川から仁淀川に洪水を流す総延長5130メートルのトンネル放水路を建設した。呑口側の延長2850メートルは鹿島、吐口側の同2280メートルは熊谷組・大豊建設JVが施工を担当した。
日高村が周囲堤の建設、高知県が河川改修を実施。新たな放水路の運用開始により、14年8月の台風と同規模の洪水が発生しても、日高村での床上浸水被害がゼロとなることが期待される。今後は23年度末の全体完成に向け、既設の日下川放水路との接続部や呑口導水路上段部などの工事を進めていく。
放水路トンネル吐口側の内部(熊谷組・大豊建設JV提供)

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戸田建設/茨城県常総市の地域社会拠点街開き、農業6次産業化のモデルに

戸田建設は26日、茨城県常総市と官民連携事業で進めてきた農業6次産業化を軸とした地域社会拠点「アグリサイエンスバレー常総」の街開きセレモニーを行った。農業施設や物流拠点、道の駅に続き、27日には戸田グループが運営する商業施設「TSUTAYA BOOKSTORE常総インターチェンジ」が開業し主要な施設が整った。
市が進める「アグリサイエンスバレー」構想は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)常総IC周辺の約45ヘクタールが対象。農地を集約し大区画化すると同時に、生産から加工、流通、販売まで一貫した事業施設を整備する。戸田建設は構想段階から参画し、市と地権者の3者で官民連携協定を締結。土地区画整理事業の業務代行者としても参画した。
「TSUTAYA BOOKSTORE」は県内初となる。規模はS造平屋2977平方メートル。BOOK&CAFEを中心に「親と子」「生活」「食」がテーマのライフスタイルを提案する。施設内ではTODA農房が栽培したイチゴや地元の野菜、フルーツを使ったジェラートも味わえる。
農業事業を手掛ける「たねまき常総」が敷地約7ヘクタールに整備した日本最大級のミニトマト生産拠点(年間収穫量約1000トン)では5月下旬から出荷を始める。
街開きセレモニーで戸田建設の植草弘執行役員副社長が「100を超える自治体などに関心を持っていただいている。農業の6次産業化モデルとして全国にも展開したい」とあいさつ。神達岳志市長は「農業を基幹産業とする常総市から新しい日本の農業の在り方を発信していく」と意気込みを語った。
関係者がテープカット(左から3人目が植草副社長、4人目が神達市長)
「TSUTAYA BOOKSTORE常総インターチェンジ」外観
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BIM教育普及機構ら/能力評価へ資格制度創設/6月から2級試験

コンピュータ教育振興協会(ACSP、大高敏男代表理事)とBIM教育普及機構(BIMEO、佐野吉彦理事長)は、BIMの技術と知識を評価する民間資格制度「BIM利用技術者試験」を創設した。初弾として、BIM初学者を対象とする2級(筆記試験)を6月に始める。BIM能力を見える化することで、BIMの普及や技術レベル向上、処遇改善などにつなげる。
ACSPが主催し、BIMEOが協力する。2級試験はコンピューターを使用したCBT試験で随時実施する。6月19日から申し込みを受け付ける予定だ。BIMEOによる「BIMの教科書・改訂版」が対策用テキストとなる。
2024年度にBIM指導者などのハイレベルを対象とする1級と、主体的にモデリング業務が行えるミドルレベルの準1級を開始する予定。実技試験で、年に2回行う。
BIM人材の育成では、国土交通省らの建築BIM推進会議で「BIMマネージャー(仮称)」が検討課題となっている。将来的には、マネジメントを担う人材の検定実施を目指す。
東京都内で会見した佐野理事長は「次の時代を形成するためのBIM人材を育てる第一歩だ。能力の認定により業務報酬も主張できるようになる」と指摘。大高代表理事は「本質的に使える技術者を増やして社会に貢献する」と述べた。
詳細はホームページ(https://www.acsp.jp/bim/)へ。
握手する大高代表理事と佐野理事長〈右〉

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回転窓/「道の駅」30周年に思う

野菜や肉、米、スイーツなどをよく購入している道の駅は、わが家にとって生活に身近なショッピングモールと言える。子どもたちが遊べる施設もあるところなどは、家族連れにも人気のスポットだ▼道の駅の制度が創設されたのは1993年。今年で30周年を迎えた。地域の活性化やにぎわいづくりに果たす役割は大きく、これまでに1204カ所が登録されている▼制度創設のきっかけは90年1月にさかのぼる。建設省(現国土交通省)が企画し広島県で開かれた中国・地域づくり交流会シンポジウムで「道路にもトイレや休憩機能のある駅があってもよいのではないか」と参加者から提案されたことが始まりという▼休憩、情報発信、地域連携の三つの機能を併せ持つのが道の駅であり、近年は防災機能の強化も図られている。国交省は3月、道の駅などの防災拠点について、災害時に電源や通信機能が確保できる技術の実装を後押しするため、道路管理者が技術導入を決める際に参考となるガイドライン案をまとめた▼各地に定着する道の駅がこれからもどのように発展していくのか。利用者の一人としても期待している。


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四国整備局/新日下川放水路(高知県)工事完了、6月1日に運用開始へ

 四国地方整備局高知河川国道事務所が2018年4月から高知県日高村といの町に建設を進めてきた新日下川放水路(延長約5・3キロ)の放水路トンネルなどの工事が完了した。通水可能となったことから、6月1日に運用を開始する。
 日高村の浸水被害を軽減するため戸梶川から仁淀川に洪水を流す総延長5130メートルのトンネル放水路を建設した。呑口側の延長2850メートルは鹿島、吐口側の同2280メートルは熊谷組・大豊建設JVが施工を担当した。
 日高村が周囲堤の建設、高知県が河川改修を実施。新たな放水路の運用開始により、14年8月の台風と同規模の洪水が発生しても、日高村での床上浸水被害がゼロとなることが期待される。今後は23年度末の全体完成に向け、既設の日下川放水路との接続部や呑口導水路上段部などの工事を進めていく。



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2023年5月26日金曜日

東洋建設・大林東壽次期社長が会見/「守りから攻め」に転換、企業価値を最大化

東洋建設の次期社長(6月下旬就任予定)に内定した大林東壽取締役兼専務執行役員が24日に東京都内で会見し、今後の経営方針を明らかにした。大林次期社長は4月にスタートした5カ年の中期経営計画を確実に実行し「企業価値を最大化する」ことを使命と捉え、「守りから攻めに転じて確固たる経営基盤を築いていく」考えを示した。
中期計画では連結売上高2350億円以上、営業利益150億円以上などを目標に掲げ「(新体制での)着実な実行が株主や企業の価値向上に寄与することを理解いただきながら目標達成に努める」と強調した。 大林次期社長は土木一筋に歩んできた約40年の豊富な経験と知識を生かし柱となる土木と建築、海外、洋上風力の各事業に注力。「基幹事業の土木は海洋土木を一層強化し、建築はリニューアルにも力を入れ収益を追求する」と話した。洋上風力はケーブル敷設船の建造や基礎施工の技術開発など現状の取り組みに触れ「大きな収益の柱に成長させたい」と意欲を見せた。
資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)」が提案しているTOB(株式公開買い付け)や企業価値向上策などに対して「相いれない部分も多い」として反対を表明。「対話をしながら真摯(しんし)に対応していく」とした。
相談役に就任予定の武澤恭司社長は「就任時は厳しい時代だったが、社員の頑張りで収益を高め、財務基盤の強化を達成できた」と9年間を振り返り、大林次期社長には「温和な外見だが信念が強い。守りから攻めへの転換に最もふさわしい人物だ」と経営手腕に期待を寄せた。
大林次期社長〈右〉と武澤社長

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回転窓/日本海中部地震40年

15分から3分へ--。地震が発生して津波警報などが発令するまでの時間を、40年前と今とで比べたものだ▼1983年5月26日に日本海中部地震が発生した。秋田県を中心に死者・行方不明者が104人に上り、うち100人は津波が原因とされる▼日本海中部地震の教訓を伝えようと、秋田地方気象台がホームページで情報発信している。当時は日本海に津波は来ないなどの俗説が広がっていた。地震の揺れが収まった後に海岸で昼食を取り始めた遠足中の小学生も犠牲に。この地震をきっかけに気象庁は、津波警報などの迅速化に取り組んだ▼インターネットやスマートフォンが普及している現在は、さまざまな確認手段がある。利便性が高まった今でも、情報伝達の1分の差が生死を分けることがあろう。情報を踏まえた的確な行動が重要であることは言うまでもない▼災害列島の日本だが、一つの場所で連続して発生するケースは少ない。「自分だけは大丈夫」と危険な思い込みを避けるためには他の地域での教訓を学び続ける姿勢が大事。高い防災意識を維持しつつ、ソフト・ハード両面から備えを進めていきたい。

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鹿島/社宅の敷地で警察のイベントに協力

鹿島は社宅「鹿島ドーミー南長崎」(東京都豊島区)の敷地で4月16日、目白警察署主催のイベントに協力した。2022年に続き2回目の開催。町会を通じて周知するなどした。イベントには地域住民や社宅、単身寮に住む社員と家族など約70人が参加。警察官による巡回連絡カードの受け付けや詐欺予防、自然災害時の避難、自転車のヘルメット着用の説明が行われた。
警視庁のシンボルマスコット「ピーポくん」も駆け付けた。子ども用の制服を着てパトカーや白バイと一緒に写真撮影するなど子ども連れの家族でにぎわった。子どもたちは、パトカーの運転席や後部席に座るなど貴重な体験をした。サイレン・赤色灯の点灯に歓声を上げるなどイベントを楽しんだ。
ピーポくんと写真撮影(鹿島提供)

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森トラスト/長崎市の歴史的建造物をホテルに再生、施工は大成建設ら24年開業へ

 森トラストは長崎市にある歴史的建造物「旧マリア園」を高級ホテルとして再生する。旧マリア園はカトリック系女学校として1898年に建てられた建物。赤れんがの外観や、アーチ型の窓などが特徴だ。建物の個性を生かしつつ、長崎に根付いた異国文化も内装に取り入れ、異国情緒あふれたホテルを目指す。設計を安井建築設計事務所、施工は大成建設らが担当。2024年冬の開業を予定している。
 森トラストの伊達美和子社長らが24日に東京都内で記者会見して発表した。伊達社長は「唯一無二の建造物をホテルにし、歴史や文化を世界に発信する。多様な歴史と文化を合わせ、滞在した人の好奇心や感性を刺激するような場所にしていきたい」と意気込みを語った。
 旧マリア園の所在地は南山手町12の17(敷地面積5505平方メートル)。世界遺産「旧グラバー邸」や「大浦天主堂」の至近に位置する。建物はれんが造地下1階地上3階建て延べ4561平方メートルの規模。近年は児童養護施設として使用され、施設の移転に伴って17年、同社が建物を取得して活用を検討していた。
 今後は建物を改修し、英IHGホテルズ&リゾーツ社のホテルブランド「ホテルインディゴ」を冠した「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」としてリニューアルする。70室を設ける。施工は▽大成建設▽三晃空調▽関電工▽フジテック▽アドヴァンテック-の5社が担当する。



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2023年5月25日木曜日

外神田一丁目南部地区再開発(東京都千代田区)/区が都計決定手続き再開

東京・千代田区は外神田一丁目南部地区で再開発準備組合らが計画している事業の実現に向け、都市計画決定(区決定)に向けた手続きを再開する。民間施設のほか、清掃事務所などの公共施設も一体的に建て替える事業。使い勝手などの面から一部住民の合意が得られず、2020年度を予定していた都市計画決定(区決定)を延期していた。計画案の内容を見直し、6月に改めて縦覧する。今夏ころの決定を目指す。
計画地は外神田1(区域面積約1・9ヘクタール)。JR秋葉原駅から中央通りを挟んで西側に位置し、神田川に接する。区域は国道17号を挟んで南北に分かれ、北側のA街区に延べ約10万2700平方メートル、高さ約170メートルの再開発ビルを建てる。南側のB街区にはホテルや共同住宅などが入る延べ約1万3250平方メートルの施設を整備する。
区域内にある千代田清掃事務所や、公営葬祭場の万世会館も計画建物内に再配置する。ただ清掃事務所が再開発ビルの5階に移ることなどに対し、使い勝手の悪さを指摘する声が上がった。区は20年12月を予定していた区都市計画審議会での報告や地区計画素案の縦覧を見送り、以降は公聴会などを開いて住民意見を聴取していた。
新たな都市計画案は6月5~29日に景観・都市計画課で縦覧し、同日まで一般の意見を受け付ける。準備組合には事業協力者として野村不動産が参画。コンサルタントは日建設計と都市設計連合が務めている。
事業完了後のイメージ(千代田区の公表資料から)

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大林組/万博大屋根モックアップ、組み上げから解体まで試験施工終える

大林組は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のシンボル施設「大屋根(リング)」のモックアップを、会場が設けられる大阪市此花区夢洲に組み上げて解体するまでの一連の試験施工を終えた。4月には貫(ぬき)構造の梁と柱を「リユース解体」する方法で分離し、資材を再利用する可能性を検証した。
大屋根は内側の高さが12メートル、外側は20メートルで、バンク状。幅は約30メートル。リングの直径は約650メートル、一周約2キロの世界最大級の木造建築物になるという。
モックアップには柱9本を含む68本の集成材を使用。高さが20メートルになる外側2スパンを試験的につくった。幅・奥行きとも7・2メートル。組み上げられてから約4カ月間、太陽の光や風雨にさらすことで耐候性などを確認した。
同社の関係者によると、解体は基本的に、組み上げの逆の手順で進めていった。まず屋根を含む「上部ユニット」を分割し取り外す。移動式クレーンで上部ユニットの重量を支え、地上から12メートルのレベルで柱をチェーンソーで切断していった。その後、分割された高さ8メートル、重さ12トン弱の上部ユニットを慎重に地上へ降ろした。
地上では「斜めサポート」という資材でつり下ろした上部ユニットを補強し、柱と直交する梁を横へと安全・迅速に抜く作業を行った。
次の解体作業は、上部ユニットが取り外された後に残る下部ユニット。転倒防止用の資材を柱間に備え付けて、柱の足下を切断した。「用」の字に似た柱梁の平面ユニット3枚をつくり、地上に横に倒した状態で梁を順次抜いていった。
大屋根などパビリオンワールド(PW)施設整備事業3工区を担うのは大林組JVを含む3JV。モックアップをつくることで大屋根に関わる関係者間で知見の共有ができたという。
同社関係者は「安全性を重視し、組み上げから、リユース解体までを試行できた。リングの実現に向けてさらに準備を進める」と語る。会場では大屋根の基礎工事に着手。7月ごろには巨大木造建築物の組み上げが始まる。
リユース解体作業(大林組提供)

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森トラスト/長崎市の歴史的建造物をホテルに再生、施工は大成建設ら24年開業へ

森トラストは長崎市にある歴史的建造物「旧マリア園」を高級ホテルとして再生する。旧マリア園はカトリック系女学校として1898年に建てられた建物。赤れんがの外観や、アーチ型の窓などが特徴だ。建物の個性を生かしつつ、長崎に根付いた異国文化も内装に取り入れ、異国情緒あふれたホテルを目指す。設計を安井建築設計事務所、施工は大成建設らが担当。2024年冬の開業を予定している。
森トラストの伊達美和子社長らが24日に東京都内で記者会見して発表した。伊達社長は「唯一無二の建造物をホテルにし、歴史や文化を世界に発信する。多様な歴史と文化を合わせ、滞在した人の好奇心や感性を刺激するような場所にしていきたい」と意気込みを語った。
旧マリア園の所在地は南山手町12の17(敷地面積5505平方メートル)。世界遺産「旧グラバー邸」や「大浦天主堂」の至近に位置する。建物はれんが造地下1階地上3階建て延べ4561平方メートルの規模。近年は児童養護施設として使用され、施設の移転に伴って17年、同社が建物を取得して活用を検討していた。
今後は建物を改修し、英IHGホテルズ&リゾーツ社のホテルブランド「ホテルインディゴ」を冠した「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」としてリニューアルする。70室を設ける。施工は▽大成建設▽三晃空調▽関電工▽フジテック▽アドヴァンテック-の5社が担当する。
ホテルの完成イメージ(報道発表資料から)

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回転窓/行幸先の閘門

荷を運ぶ水路や船着き場の河岸など、江戸時代から水運の町としても発展してきた東京。今も水運施設は重要な役割を担う▼自然災害の激甚化・頻発化を受け、水運施設を非常時にもどう生かすか。国土交通省が緊急物資の搬送などに役立つ施設の機能維持と、非常時の運用を見据えた平常時の在り方を議論している▼天皇陛下が22日、東京都江戸川区の荒川ロックゲートなどを視察された。同ゲートは最大3メートルの水位差となる荒川と旧中川を行き来するための閘門。関東地方整備局荒川下流河川事務所が管理し、最大長55メートル、最大幅12メートル、最大高4・5メートル以内の船が通過できる▼災害時の救援活動を想定し、阪神大震災クラスの地震にも耐えられるよう設計された初めての閘門だ。東日本大震災でも補修が必要な被害は発生しなかった▼視察では関東整備局が施設の概要や災害時の役割などを説明。陛下からはゲートの仕組みなどについての質問があった。職員の労をねぎらうお言葉もいただき、幹部の一人は視察後に「胸が一杯になりました」と話した。今回の施設訪問を機に、インフラの大切さがより多くの人に伝わってほしい。


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建設・測量生産性向上展が開幕/遠隔操縦や電動化建機などPR、26日まで

建設機械などの最先端技術を紹介する建設・測量生産性向上展「CSPI-EXPO」(主催=建設・測量生産性向上展実行委員会)が24日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕した。建機メーカーや建機レンタル、測量機器メーカー、ゼネコンなど402社が出展。建機の遠隔操縦ソリューションや電動建機をはじめ、生産性や安全性の向上につながる製品や技術などを各社がPRする。会期は26日まで。
コマツは子会社のEARTHBRAIN(東京都港区、小野寺昭則社長)と共同開発した遠隔操作用コックピットを出展。「安全を重視する顧客などから引き合いがきている」(同社)状況で、量産化を見据える。日立建機は遠隔・自動化に対応した油圧ショベルのベースマシンを、2023年度内に予定する販売開始に先駆けて展示している。コベルコ建機は建機の遠隔操作サービス「K-DIVE」や、今秋販売を予定する低価格タイプの3Dマシンガイダンス(MG)搭載ショベルなどPRする。
今後の市場創出を見据えて、電動建機にも各社が力を入れている。キャタピラーは20トンクラスと2・2トンクラスを対象にバッテリー式電動油圧ショベルの試作機を、住友建機は電動化モデルのショベルを参考で出展。日立建機は欧州で受注を始めているバッテリー駆動式ミニショベルを、西尾レントオールはレンタル展開中の電動ミニバックホウを展示している。
アクティオは大末建設らと連携して開発を進めているピット点検向け、ヘビ型ロボットの商用試作機を紹介。カナモトは小規模のICT施工向け3DMGシステムなどを、レンタルのニッケンは鉄筋上で資材を運べる台車などをPR。
西松建設は傾斜監視クラウドシステム「OKIPPA」などを、前田道路は3Dマシンガイダンス技術などを、丸藤シートパイルは油圧バイブロ併用圧入工法「RG工法」などを出展している。ヤンマー建機(福岡県筑後市、ジュリアーノ・パロディ社長)は作業効率性や安全性を高めた新機種を、パスコはインフラDXに向けた3Dソリューションなどを紹介している。


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パスコ/3D地理空間情報データ活用へ、配信プラットフォームの提供開始

 パスコは18日、3D地理空間情報の有効活用を支援するサービスとして、3D地理空間情報データ配信プラットフォーム「TerraVerse(テラバース)」の提供を始めた。独自にサーバーを構築しなくても、短期間で3D地理空間情報データの配信・活用環境を構築できるのが特徴。都市計画の施設配置・土地利用に関わる各種シミュレーションのほか、河川の3D河川管内図や災害時緊急撮影データの閲覧、BIM/CIMなどでの活用を想定している。
 テラバースは、米国スカイライン社の地理空間情報データ管理・配信環境構築用ソフトウエア「スカイライングローブ・サーバー」を活用した3D地理空間情報データ配信プラットフォームサービス。スカイライングローブ・サーバーを購入・構築しなくても、同様の機能をサービスとして利用できる。
 多様なデータの保存・管理・変換・配信サービスを提供。2D・3D地理空間情報データや写真・画像、CAD、BIM/CIMデータなどが保存できる。保存したデータは全て自動的にカタログ化され、任意のレイヤーを簡単に検索できる。
 テラバースから配信されるデータは、スカイライン社製の3Dビジュアライゼーションソフトウエア「テラエクスプローラー」シリーズなどで利用可能。同シリーズで利用する場合、インターネットで公開されているオープンデータも読み込み、重ね合わせができる。
 テラバースの提供開始と同時に、スカイライン社製「テラエクスプローラー・フォー・デスクトップ」のオプションとして、河川、砂防の業務支援オプションの提供も始めた。国土交通省「河川管理用三次元データ活用マニュアル(案)」で求められる3Dビューアの機能の一部を、パスコの業務経験を踏まえ強化したもの。河川維持管理や砂防施設管理に必要な機能を搭載している。



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2023年5月24日水曜日

Japanese construction companies develop decarbonized pavement technology using biochar

apanese construction company Shimizu Corporation and its affiliate Nippon Road have begun developing technology for decarbonized pavement by mixing biochar, which is effective in sequestering carbon dioxide, with asphalt mix. Biochar derived from woods with high carbon content and residual carbon content is used. The companies will jointly develop a carbon-negative paving material that absorbs and sequesters more carbon internally than the CO2 emissions associated with the production of the mix and will aim for actual use by March 2024.

The project will combine Shimizu Corporation’s expertise in mixing biochar with construction materials cultivated in the concrete field with Nippon Road’s asphalt mix production technology. Biochar made from sawdust is used as a substitute for sand and stone powder in the composite. The material can absorb and fixes 2.3 grams of CO2 per kilogram.

Carbon negativity can be achieved by mixing 25 kg or more of powdered or granulated biochar per ton of composite material. The two companies will conduct on-site testing to verify the workability and durability of the biochar-blended mix, and plan to apply it to road pavements. (2023/05/15)



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関電工/順天堂大学と共同研究講座、遠隔診療システム実用化へ

順天堂大学と関電工は「遠隔医療・モバイルヘルス研究開発講座」を3月1日に開設し、共同研究を始めた。順天堂大学は医療分野、関電工がインフラ分野で持つ強みを生かし、遠隔診療システムの実用化に向けた取り組みを加速。アプリケーションなどで受診できるモバイルヘルスなどIoMT(医療分野でのモノのインターネット)機器を活用した遠隔診療システムを構築する。2025年度内に遠隔医療事業の開始を目指す。
共同研究では遠隔医療を活用し、政府が提唱する超スマート社会「ソサエティー5・0」時代の医療の実現を目標に掲げる。▽遠隔診療のニーズ調査▽遠隔診療PoC(概念実証)実施による課題調査▽モバイルヘルスを用いた生体情報収集の妥当性・信頼性・同等性検証試験▽遠隔診療のインフラ構築-などを研究していく。
関電工は遠隔診療のインフラ開発を担う。検査センターを建設し、医療機関など結ぶ電気とネットワークのインフラ設備を構築。遠隔医療環境や自然災害時の復旧対応や停電対策を検証する。IoTやAI、ロボットの導入も検討し診療所のスマート化も図る。
23日に東京都内で会見した関電工の仲摩俊男社長は「工事をつかさどる立場で何かしら応援したい。高齢化が進む中でどう貢献できるか。大きな病院や遠隔医療にはデータのやりとりや停電しない環境など、電力と通信のインフラ構築が大事だ。10年、20年後の社会に貢献できるように進めたい」と意気込みを語った。
両者は23年度にニーズ調査、PoC実施による課題調査を行う。同年度後半から24年度にかけてモバイルヘルスの生体情報収集の妥当性などの検証試験を実施する。24年度中盤から25年度にかけて遠隔診療のインフラ開発を進め、事業開始を目指す。異分野連携の教育を通じて医療イノベーション人材の育成にも注力する。
23日に東京都内で会見した仲摩社長(中央)と順天堂大学大学院医学研究科眼科学の猪俣武範准教授(左から2人目)ら

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東京ガス不/新豊洲(東京都江東区)に循環型未来都市、30年ころにまちびらき

東京ガス不動産が、2025年以降に東京都江東区の新豊洲で計画する大規模開発プロジェクトに着手する。二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガス排出量が実質ゼロとなる「循環型未来都市」を整備。建設候補地は同社が保有する3区域を予定する。30年ころのまちびらきを目指し検討を進める。
循環型未来都市は、東京ガスグループの中期経営計画(23~25年度)で掲げた「ESG型不動産開発」の取り組みの一つ。開発を主導する東京ガス不動産が、新豊洲に保有する自社用地で検討を進めている。
候補地はガスの科学館(豊洲6の1の1)などが立地する区域、豊洲スマートエネルギーセンター(豊洲6の4の26)を中心とした区域、豊洲ぐるり公園(豊洲5の1先、6の1先)が近接する三つのエリア。敷地面積は非公表で、施設の用途や規模などは今後固める。事業完了は30年ころを予定する。
大規模開発のイメージパース(東京ガスグループの中期経営計画から)

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名古屋市/延べ1万平米の橘小等複合施設整備、26年度着工目指す

名古屋市は、小学校の現在地建て替えに合わせ周辺の公共施設機能を再編する「橘小学校等複合化整備計画」の内容を公表した。施設の規模は地下1階地上5階建て延べ約1万平方メートル。体育館は半地下式とし、2階床レベルに人工地盤で従来より広いグラウンドを確保する。児童館や福祉会館など複合化のメリットを生かし、子どもから老人まで幅広い世代が交流する施設とする。整備や運営に民間活力を導入することでハード・ソフト両面の内容を拡充する。2026年度に着工、28年度中の完成を目指す。
橘小(中区橘1)は校舎も古く運動場も狭い。避難場所となる体育館が3階にあるなど防災面でも課題がある。このため、建て替えに合わせ周辺の老朽化した公的施設(中生涯学習センター、前津福祉会館、前津児童館)の機能を集約する。
計画では、約5600平方メートルの敷地南側に半地下型の体育館を配置。地下と地上1階に集会所や家庭科室、児童ホール、集会場、交流ホールなど市民が利用する機能を置く。体育館は学校用と市民用に分ける。校舎は敷地北側に配置。体育館上部の2階床レベルを人工地盤の運動場(約3200平方メートル)とすることで、従来よりも400平方メートル広く確保した。
設備計画は省エネ・省資源やランニングコスト抑制、更新・メンテナンス性を考慮したものとする。防災面では地域防災活動拠点としての機能を果たす施設とし、応急救護所の設置などさまざまな災害対策活動に対応できるようにする。
事業手法は、建物はDB(設計・施工一括)方式とし、学校以外の施設の運営・管理は指定管理者制度を導入する「DB+O」方式を採用。市が実施する従来方式より2・65%のVFM(バリュー・フォー・マネー)を確認した。
市はDB方式で事業者を選定するための支援業務の委託先を5月中に決定する。24年度中に事業者を選定する予定。26年度に既存校舎を解体し着工、28年度中の完成を目指す。工事期間中は仮設校舎で授業を行う。


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長谷工コーポ/技研内「音響実験棟」を公開/遮音性能実証を効率化

長谷工コーポレーションは22日、東京都多摩市の長谷工テクニカルセンター内にある技術研究所に整備した「音響実験棟」を報道陣に公開した。木造建築をはじめ、壁部材などの遮音性能を効率的に実証できる。遮音性能検証に特化した実験施設は同社初となる。
音響実験棟はS造平屋175平方メートルで高さが約17メートル。建物の一部に独自開発した環境配慮型のコンクリート「H-BAコンクリート」を使用。耐震部材として厚さ210ミリのCLT(直交集成板)パネルを設置するなど環境負荷の少ない材料を採用した。
建物内には音源室と受音室が並ぶ。作業スペースで作成した壁の供試体をクレーンでつるし、二つの残響室の間にはめ込むように設置。音源室で音を発生させ、受音室で透過してくる音を計測することで壁の遮音性能を検証する。
音源室の天井スラブには二重床などの床仕上げ材が設置でき、上側からたたいて床衝撃音レベルの低減量を測定。受音室では天井開口部に木造床などの構造床を設置して床衝撃音遮断性能も測定できる。技術研究所の岡崎充隆副所長は「さまざまな部材や工法を試行錯誤する段階で効率的に検証できる。木造建築の課題解決など研究開発を加速させていく」としている。
同日、同じ敷地内にある「長谷工マンションミュージアム」の見学会も行った。長谷工グループの創業80周年記念事業の一環で2018年に開館。九つのゾーンを体験すると、集合住宅の成り立ちから変遷、未来の在り方までが一つのストーリーとして感じられる。海外を含め専門団体の研修や学生の社会科見学などに利用され、累計1万5000人以上が訪れている。
さまざまな音を発生させる音源室

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大阪万博/ドイツ政府がパビリオン概要発表テーマは循環経済、円形施設などで構成

ドイツ政府は22日、大阪市内で2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場(大阪市此花区夢洲)に出展するパビリオンの概要を発表した。テーマは「循環経済」で、タイトルは「わ!ドイツ」。循環経済の「環」や調和の「和」、驚きの声「わ!」を表す。庭園や七つの円形建築物とイベント会場で構成。循環可能な木材や鉄を使い「低炭素建築のプロトタイプ」を、ドイツ・日本の技術の粋を集めて整備する。館内では課題解決につながる技術や提案を展示する。

場所は万博の象徴施設・大屋根リングのほぼ中央「静けさの森」から北東方向にある敷地「A15」。敷地面積は約3500平方メートル。展示スペースの面積は約900平方メートル。
敷地を緩やかな傾斜で再整備し、施設を配置する。施設は大きく生物ゾーンと技術ゾーンで構成。
パビリオンの設計・建物・展示などあらゆるものが循環できるようにする。館内はキャラクター「サーキュラー(循環)」が入場者をいざない、案内や対話をする。
館内での体験が「私たちが循環経済を実現する上で、重要な道しるべになることを期待している」(ドイツパビリオン推進委員会)という。会期中(25年4月13日~10月13日)、300万人の来館を目指している。
パビリオン外観(c)MIR_LAVA_facts and fiction
パビリオン内部(c)MIR_LAVA_facts and fiction
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回転窓/出水期入りは確認の時期

ここ1カ月、週末になると雨や曇りが多い。困るのは洗濯物。秋冬用の厚めの毛布などを洗濯し収納したいのだが、寝具の衣替えが思うように進んでいない▼18日に沖縄・奄美地方が梅雨入りした。沖縄は平年より8日遅く、奄美は平年より6日遅い梅雨入りとなった。全国各地も平年より遅くなるようだが、今年も長雨の季節が始まろうとしている▼気象庁が線状降水帯の発生を伝える「顕著な大雨に関する気象情報」について、予測技術を活用し発表のタイミングを前倒しする。これまでは発表基準を実際の観測結果で満たした場合に情報を発したが、25日午後1時からは30分先までの降水予測で基準を満たせば、その時点で線状降水帯が発生したと見なして発表する▼迫り来る大雨災害への危機感をいち早く高めてもらうのが運用を見直す目的だ。2026年には発生の2~3時間前に予測情報を発表する計画で、今後も改良を進めていくという▼線状降水帯などの記録的な豪雨による風水害や土砂災害が毎年、全国各地で発生している。今年も出水期を迎える。自身や家族の防災行動を再確認するきっかけの時期としたい。


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熊本県/長洲港(長洲町)土砂処分場事業、環境アセスに必要な現地調査着手

 熊本県は長洲港(長洲町)の公有水面に浚渫土砂を受け入れる新たな土砂処分場を整備する「長洲港土砂処分場事業」の環境影響評価(環境アセス)に必要な現地調査に着手した。調査業務はオリエンタルコンサルタンツが担当。現地調査の結果を踏まえ環境アセス準備書と評価書をまとめ、2024年度半ばごろまでにアセス手続きを完了させ護岸工事に着手したい考えだ。
 現地調査は23年の夏と秋、23~24年の冬と春の2期に分けて行う予定。夏と秋の調査業務は22年9月にオリエンタルコンサルタンツと随意契約を締結した。調査開始が23年度にずれ込んだことから22年度12月補正予算に約2100万円の繰越明許費を計上した。
 2期目の調査は早ければ7月ごろに指名競争入札を行い委託する予定で、できれば同時期に準備書や評価書の作成業務も指名競争入札を行い委託する考え。このほか1期工事の詳細設計の委託先を指名競争入札で決定し着手する予定で、23年度一般会計当初予算に委託費や設計費など約1億0500万円を盛り込んだ。
 新たな処分場整備は、長洲港周辺の浚渫で発生する土砂の処分経費や運搬先の確保の課題を解決しようと計画。方法書では、環境への影響が小さく、跡地利用に柔軟に対応でき、工事費が安価なことから長洲町名石浜地先の名石浜工業団地沖を整備位置としている。
 埋め立て区域面積は約28ヘクタール、埋め立て土量は約240万立方メートル。県は2期に分けて整備を進める方針で、1月時点の公共事業事前評価調書には1期事業分として区域面積の半分に当たる延長825メートルの護岸を総事業費約50億円をかけて整備するとした。1期事業は29年度の完成を目指す。2期事業を含む全体の完成は34年度ごろを予定している。



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2023年5月23日火曜日

国交省/改正建築物省エネ法の解説漫画を追加配布/省エネ住宅のメリットなど紹介

国土交通省は2025年4月の新築住宅への省エネ基準適合の義務化を見据え、省エネ住宅のメリットを解説する漫画冊子を追加配布する。住宅の購入検討者向けに要点をまとめ、改正建築物省エネ法制度の周知を図る。全国約330カ所の住宅展示場で配布するほか、住宅メーカーなどからも配布の協力者を募る。
改正建築物省エネ法は22年6月に成立した。新築住宅などの断熱施工や省エネ性能の表示を義務付け、25年度以降すべての新築住宅に国の基準に適合した断熱性能を求める。
漫画では省エネ住宅の光熱費の節約効果といったメリットや、整備に活用できる国の減税・補助金制度などを紹介する。合計50万部を用意し、全国の住宅展示場で配布している。住宅メーカーや設計事業者からも配布の協力者を募り、営業時などに配布してもらう。6月30日まで申し込みを受け付ける。
漫画の全編は建築物省エネ法のホームページ(HP、https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/)で公開している。


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土木学会/東京都内でシンポ開く/低炭素社会に向けたインフラの挑戦テーマ

土木学会(上田多門会長)は22日、東京都内でシンポジウムを開いた=写真。「低炭素社会に向けたインフラのチャレンジ」と題し、講演や企業による技術発表、パネルディスカッションを実施。グリーンやデジタル、レジリエンスといった社会的要請に対応した「日本が選ばれる新たな海外インフラプロジェクト」の創成を目指し、低炭素社会に適応したインフラの方向性を探った。
冒頭あいさつした上田会長は「海外の建設工事が土木技術者から注目されていない。海外への情報発信にも国際共同研究にもあまり関心がないというのが、残念ながら日本の実情だ」と指摘。「カーボンニュートラル(CN)関連のインフラ整備は他国にとっても非常に魅力的なプロジェクトの一つだ」とし、シンポジウムの意義を強調した。
出席した国土交通省の吉岡幹夫技監は「新しい技術、イノベーションを国内だけでなく、海外にも適用することを想定した技術開発や技術基準の検討を進めたい。そのためには産学官が連携し、土木、建築問わずインフラ関係全体で取り組むことが重要だ」と述べ、土木学会の活躍に期待した。
オランダインフラ・水管理省のバーバラ・クイパース循環経済アドバイザーや国交省の佐藤寿延官房技術審議官による基調講演も実施した。クイパース氏は、道路建設でCN対応の建機や原材料を用いたり、使用しなくなった橋梁を別の場所で再利用したりする取り組みを紹介。循環型のインフラ整備を進める上で「産学官の協力が必要だ。イノベーションに向けたリスクを民間だけで取るのは難しい。政府の介入が求められる。知識の共有も重要だ」と語った。
佐藤氏は、治水と水力発電の機能を併せ持つ「ハイブリッドダム」、低炭素型の建機や二酸化炭素(CO2)吸収・固定化して製造するコンクリートの使用といった取り組みを紹介した。低炭素型の建機は従来製品よりも静音性が高く街中の現場で有効とし、「付加価値を見いだしながら、CNの達成を考えていくべきだろう」と私見を述べた。



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大成建設/自律制御型ブルドーザーを開発、土砂山検知し自ら押し土経路決定

大成建設が自律制御型のブルドーザーを開発した。2021年開発の自動運転建機「T-iROBO Bulldozer」の機能を拡張。レーザーで形状を検知するLiDAR(ライダー)やステレオカメラなどのセンシング機能を付加した。盛り土工事などでダンプトラックから排土された土砂山を検知し、自ら押し土経路を決定。土砂の押し出しと敷きならし作業を自律制御で行う。

ブルドーザーに搭載した各種センサーの機能を連携し、前方に排土された土砂山の位置や大きさ、形状などを約90%の精度で検知する。取得した情報を基に経路や回数など最適な押し土方法を自ら決め実行する。事前に入力したプログラムやアルゴリズム通りにしか動作しない「自動運転」で課題だった土砂山の位置ずれに伴う空振りなどを回避し作業を効率化する。
センシングによる土砂山検知機能に加え、3D設計データを登録したマシンコントロールが行うブレード自動調整などの管理技術を組み合わせることで、サイズが大きい土砂山でもスタックを回避した整地作業が可能。土砂山の高さが基準高を超える場合、土砂山の上部を崩してから作業を開始するなど、状況に応じて多彩なブレード制御が行えることも大きな特徴だ。
土砂山に含まれる規格外の礫や岩を発見し通知するAI画像センシング機能も備え、使用材料を適正化して施工品質を高める。安全機能も充実。独自開発のAI検知システムと悪天候や振動に強いミリ波レーダーを搭載し、進行方向に人や障害物を検知すると即座に停止する。
同社が栃木県鹿沼市で施工している南摩ダム本体建設工事(発注・水資源機構)のブランケット施工に導入する予定だ。

土砂山センシング結果可視化画面(大成建設提供)

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回転窓/移り変わる言語表現

「うるさい」-。地域によってはこの意味がまったく異なるのだと、出張先の高知で地元の方に教えてもらったことがある。土佐弁では耳障り、煩わしいといった意味ではなく、体調が悪いことを指すのだという▼「えらい」-。こちらも優秀さを表す「偉い」ではなく、疲れて体がしんどい時に東海や関西地方などで使われる方言だ。各地に残る方言は、その場所に住み続ける人々の歴史や文化の証とも言えよう▼一方、標準語は規範的な言葉であり、全国で使われている共通語を、音韻・語彙(ごい)・語法などのあらゆる点からさらに理想的に磨き上げた言語とされる。日本の首都が京都から東京に移った明治以後、東京の言語を母体とする標準語像が確立されていく▼東京にも方言はあり、江戸言葉や多摩弁など数多い。標準語の母体となった山の手言葉も方言の一つ。敬語表現に特徴があり、代表的なフレーズは「ごきげんよう」「ざます」「あそばす」など▼標準語と見なし、使われていた言葉も時代とともに移り変わる。新たに生まれる現代語も、各地で伝わる方言も、相手を理解する上で大切なコミュニケーションツールとなる。


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政府/MITと連携しキャンパス設置へ、東京都内の国有地2・2万平米に整備

◇26年度ころ着工へ 政府は米国マサチューセッツ工科大学(MIT)と連携し、基礎研究やスタートアップ育成支援で国際連携基盤となる「グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSUC)」を設立する。拠点施設は東京都の渋谷・目黒両区にまたがる約2万2000平方メートルの国有地に整備する方針で、2023年度末までに施設整備の基本計画を策定。24、25年度を基本・実施設計に充て、26年度ころの着工、28年度の完成を目指す。
18日に広島市で開かれた日米首脳会談で、岸田文雄首相とバイデン米大統領が計画について意見交換した。建設地は中目黒2ほか。16年に防衛省市ケ谷地区(東京都新宿区)に移転した防衛研究所の跡地で、現在も同省が管理している。
東側に近接する渋谷区恵比寿南3の11付近の用途地域は第1種住居地域で、容積率は300%。西側の目黒区中目黒2の2の1付近の用途地域は第2種中高層住居専用地域で、容積率は200%となっている。
建設工事の発注関連業務は文部科学省が担っている。同省は「GSUCフラッグシップ拠点(仮称)整備に係る基本計画策定に関する調査・検討事業」の公募型プロポーザルを4月17日に公告。19日に参加申請を締め切り、7月ころの契約締結を目指して委託先の選定作業を進めている。今後は23年度末までに施設の配置計画や規模、総事業費などをまとめた基本計画を作ってもらう。
施設には主に研究所と、スタートアップ育成支援の二つの機能を持たせる。政策を推進している内閣官房の担当者によると、施設の大部分は研究所機能に割く方針。排気ダクトや給水・排水インフラをはじめ、科学の基礎研究に必要な設備を整備する。スタートアップが入居したり、相互交流を図ったりできるスペースも設ける。
完成後はMITをはじめ国内外の大学の研究者に集まってもらい、イノベーションを活性化する将来像を描く。政府は現在MITと連携し、人材確保に関する実現可能性調査も進めている。


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回転窓/酒蔵と地方創生

 地域資源である水と米が主原料の日本酒は、わが国の食文化に欠かせない。全国各地の酒蔵で生産され、銘柄ごと味わいもさまざま。国内だけでなく、海外にも愛飲家が多い▼日本酒造組合中央会によると、日本酒の2022年輸出総額は約475億円に達し、13年連続で前年を上回る。数量も約3・6万キロリットルと過去最高を記録した▼数量より輸出金額の伸び率が大きく、1リットル当たりの平均輸出価格は10年前から2倍以上に。高価格帯のプレミアムな日本酒が海外販売のトレンドのよう▼酒蔵見学で先日訪れた瀬戸酒造店(神奈川県開成町)も海外展開に力を入れる。各国の品評会で高評価を毎年受け、酒文化研究所が主催する22年世界酒造ランキングで9位に入った▼オリエンタルコンサルタンツの完全子会社となり、18年から自家醸造を再開して今期は初の単年度黒字を確保する見通し。「利益を出すのは重要だが、日本酒を通して国内外から開成町に注目が集まり、地域全体の活性化につながれば何よりだ」と森隆信代表取締役。全量小仕込みで丁寧な造りにこだわり、ブランド向上に取り組む酒蔵と地域の今後に期待したい。



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2023年5月22日月曜日

アクサ生命/中島公園エリア(札幌市中央区)に5万平米施設、設計施工は竹中工務店

 アクサ生命保険は18日、札幌市中央区の中島公園の東側に建設中の複合施設「アクサ札幌中島公園プロジェクト」の概要を発表した。複合施設はS造14階建て塔屋1階延べ5万2776平方メートルの規模。アクサ生命保険の札幌本社をはじめオフィスフロアとするほか、上層階にインターコンチネンタルホテルを誘致する。設計・施工は竹中工務店が担当。2025年6月の竣工を予定している。  複合施設は札幌市中央区南10西1のヤマハセンター跡地で建設中。1~3階は商業施設や飲食スペースなどが入り、4~8階はアクサ生命保険札幌本社などのオフィススペース、9~14階はHGホテルズ&リゾーツのインターコンチネンタル(149室)が道内で初めて開業する。  中島公園エリアでは、札幌市がMICE(国際的なイベント)施設の整備を計画していたが、コロナ禍により計画を再検討している。MICE施設が整備されれば、複合施設と空中ブリッジで接続する計画もある。
複合施設の完成イメージ(公表資料から)

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大阪府/泉北高速鉄道延伸で助言・協力、岸和田市が検討継続

 大阪府は、岸和田市の泉北高速鉄道延伸の実現に向けた取り組みに対し、必要な助言や検討への協力などを行っている。市は都市計画道路泉州山手線整備と同線沿道のまちづくりの進捗(しんちょく)に合わせて、泉北高速鉄道和泉中央駅(和泉市いぶき野)からの延伸を検討している。2019年11月の大阪府公共交通戦略の改訂で、岸和田市が検討する構想路線として追加・記載された。市は3月に策定した岸和田市交通まちづくりアクションプラン・地域公共交通計画編で、同鉄道延伸の検討を継続事業として位置付けた。  南海電気鉄道グループの同鉄道は、中百舌鳥駅(堺市北区中百舌鳥町)と和泉中央駅を結ぶ延長14・3キロの鉄道路線。  内陸部の泉北ニュータウンを走る同鉄道の沿線から泉州地域の臨海部へ移動するためには、現状では起点の中百舌鳥駅を経由して南海本線やJR西日本阪和線に乗り継がなければならない。内陸部と臨海部のアクセスを改善するためには、同鉄道を水間鉄道や関西国際空港などの方向へ延ばし、南海本線や阪和線と結ぶ案が議論されている。  一方で鉄道の延伸を具体化するには、国の事業許可審査の重要項目である採算性確保が不可欠となり、鉄道事業者が積極的に検討を行う環境の整備が必要になる。  岸和田市交通まちづくりアクションプラン・地域公共交通計画編によると、泉州山手線の整備と、広域交流拠点「山直東地区」の街づくりに合わせた新規路線バス「山直線」の運行開始などの取り組みを進め、沿道市町と連携しながら同鉄道延伸につながる需要の喚起を目指す方針だ。
和泉中央駅より南西方向に確保された鉄道用地

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関電工/天井配線ロボットを改良/操作性や機能性を向上

 関電工が開発した天井内で稼働する配線ロボット「楽々とおる君NEO」が現場で好評を得ている。狭くて暗く障害物の多い天井内での通線作業を支援。従来品を軽量化し、タイヤやカメラを改良したことで操作性や機能性を高めた。走破性や視認性にも優れる。2022年から本格導入し、社内や公共インフラの維持管理会社に提供。高所作業を削減し、安全性と生産性の向上に貢献している。  楽々とおる君NEOは、従来品の「楽々とおる君」を大幅に改良した。重量は従来の3・5キロを0・8キロ軽くし、2・7キロと軽量化。幅26センチ、長さ45センチ程度の大きさで天井裏の高さが20センチあれば使用できる。タイヤはクローラーからスポンジに変更し、液体樹脂コーティングした。タイヤにケーブルが引っかかることなく走行可能。グリップ力が高まり、空回りもすることなく障害物を乗り越えられるという。  カメラは360度カメラを搭載した。自己位置把握がしやすく、操作性も高めた。タブレットで確認しながら遠隔操作でき、人が行き来しづらい場所の状況把握にも応用可能で、天井内や床下などの各種点検作業にも適用できる。  天井内の配線作業環境は、暗くて狭く、ほこりが多い。作業負荷が高く、高所作業になるため墜落や転落が発生しないよう慎重に行う必要がある。  同社は天井配線ロボットを、大阪市住之江区のインテックス大阪で24~26日に開かれる「第71回電設工業展」(JECA FAIR2023、主催・日本電設工業協会)に出展する。
楽々とおる君NEO(関電工提供)

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全建協連/女性用ユニホームのポスター作成/デザインコンテストの入賞作品

 若い女性が憧れるおしゃれでかっこいい作業服を発信--。  全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)が建設業の魅力を高める広報戦略として、建設現場で着る女性向けユニホームのイメージポスター=写真=を作成した。  きっかけは2022年7月から23年2月にかけ、東京モード学園(東京都新宿区)の学生に提案を募った建設現場で着る女性用ユニホームのデザインコンテスト。2月22日に都内で開いたファッションショー形式による発表会では、入賞した6作品を着た同学園の学生がモデルを務めた。ポスターにはモデルとしてポーズをとる学生6人の撮影写真を掲載した。  ポスターは1300枚印刷。サイズを縮小したチラシも4000枚作った。今後、各地の学校などに順次配っていく。  青柳会長は16日に東京都内で開いた通常総会後の会見で「新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の建設業を表現する活動の一つ」と述べ、デザインコンテスト開催やポスター作成の意義を訴えた。


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回転窓/ソース焼きそば・考

 縁日やイベント会場で売られていると、どうにも買って食べたくなるものがある。香ばしいソース焼きそばがそれ。屋台など屋外で食べる味はどこか違っておいしい▼材料は中華麺とソース、キャベツなどと少なく、作るのに特別な技術が要らずコテで簡単に切り分けられもする。食文化研究家・魚柄仁之助氏は、そもそも縁日などでソース焼きそばが重宝された理由をそう書いている(『幻の麺料理 再現100品』青弓社)▼縁日でよく売られていたソース焼きそばが家庭の味になっていくのは1960年頃から。家庭料理として認知され、料理本にレシピが載るようになるのは70年代~80年代頃だったという(同書より)▼建設現場の取材後、そのまま夕方からの親睦会にお邪魔して焼き肉や焼きそばをごちそうになったことがある。現場の皆さんに交じり楽しい時間を過ごさせてもらった▼コロナ禍で中止を余儀なくされていた地元の七夕祭りが今夏、4年ぶりに開催される。完全復活ならお目当てのソース焼きそばなど多くの屋台が立ち並ぶはず。現場でも以前と変わらぬ親睦会を安心して開けるようになってほしい。

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ID&EHD社長に新屋浩明氏、日本工営社長に金井晴彦氏/7月3日就任

 日本工営は15日、7月3日に発足する純粋持ち株会社「ID&Eホールディングス(HD)」と事業会社の日本工営らの新体制を発表した。日本工営の新屋浩明社長は退任し、ID&EHD社長に就任。日本工営の次期社長には金井晴彦代表取締役兼専務執行役員が就く。いずれも就任日は7月3日。
 新屋 浩明氏(しんや・ひろあき)1985年東北大学大学院理学研究科地学専攻修了、日本工営入社。2015年執行役員、20年取締役兼専務執行役員コンサルティング事業統括本部長兼都市空間事業担当、21年7月社長。鹿児島県出身、62歳。
 金井 晴彦氏(かない・はるひこ)1982年早稲田大学大学院理工学研究科土木工学科修了、日本工営入社。2014年執行役員、17年取締役兼常務執行役員、19年取締役兼専務執行役員、21年から現職。群馬県出身、64歳。



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2023年5月19日金曜日

九州整備局山国川河川/水陸両用ブルドーザーの掘削現場公開、山国川平成大堰で

九州地方整備局山国川河川事務所は17日、1級河川山国川の平成大堰(福岡県上毛町、大分県中津市)で進める「令和4年度平成大堰掘削外工事」の現場説明会を開いた。同事務所や周辺自治体、河川協力団体から約40人が参加。国内に5台しかない水陸両用ブルドーザーの無線操縦体験などを行い、災害復旧工事などで幅広く活躍する重機への理解を深めた。
同工事の元請事業者は笹原建設(中津市)。水陸両用ブルドーザーを所有する青木あすなろ建設が水中掘削の作業で協力している。貯水池にたまる約8900立方メートルの土砂を取り除く工事で3月に着手。予定工期は31日まで。
水陸両用ブルドーザーの重量は43・5トン級。前面の大型排土板には1回当たり3・36立方メートルの土砂を積み込める。燃料タンクには最大610リットルの軽油を補給でき、10時間程度の連続運転ができる。無線操縦装置の制御有効距離は半径100メートル。
現場見学の前には青木あすなろ建設の担当者がビデオ映像を見せながら水陸両用ブルドーザーによる施工概要を説明。水深7メートルまでの掘削を通常の作業船を使った工法よりも高い精度で行うことができ、増水など現場状況に応じて迅速に退避可能といったメリットを紹介した。
参加者は河川敷に上陸させたブルドーザーの排土板を上下に動かすといった簡単な無線操縦を体験。説明会の終盤では作業中のトラブル対処法や、ブルドーザーの仕様に対する質問を寄せ、高い関心を示した。
水陸両用ブルドーザーは海岸工事や河道掘削などで幅広く活用され、施工実績は1200件を超える。
青木あすなろ建設土木技術本部環境リニューアル事業部の飯塚尚史水陸無人化グループリーダーは「国土強靱化や流域治水の推進を受け、近年は水陸両用ブルドーザーの需要も高くなってきているが、存在を知らない人も多い。PRに精力的に取り組みながら理解を広げていきたい」と話した。
水陸両用ブルドーザーは、製造元のコマツが生産を停止している。製造から40年以上が経過し老朽化も進む中、青木あすなろ建設は保有する5台を入念に点検・整備しながら使用を続ける。5台のうち3台はコマツの協力を得て、新品時の性能に戻すオーバーホールを2012~19年に実施した。
上陸する水陸両用ブルドーザー
無線操縦を参加者が体験
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阪神電鉄ら/新2軍本拠地が兵庫県尼崎市に起工、熊谷組の施工で25年2月完成へ

阪神電気鉄道とプロ野球阪神タイガース、兵庫県尼崎市の3者が計画中の新たな2軍本拠地「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」の建設工事が起工し、18日に地鎮祭が開かれた。脱炭素社会や循環型社会に貢献する「ゼロカーボンベースボールパーク」を目指す。設計・監理を久米設計、施工を熊谷組が担当。2025年2月の完成を予定する。
事業名称は「阪神タイガース二軍施設移転計画(小田南公園再整備事業)」。場所は阪神電鉄本線となんば線が合流する大物駅の西側に位置する小田南公園(杭瀬新町3、約7・4ヘクタール)。現在の鳴尾浜(兵庫県西宮市)から2軍本拠地を移転し、公園を一体的に再整備する。
公園中央に2軍の野球場と練習場、東側に一般用の公園野球場、西側に園地を配置。南側に選手用の室内練習場と寮・クラブハウスを整備する。2軍野球場はグラウンド面積が1万2647平方メートル(両翼95メートル、中堅118メートル)でLEDのナイター照明灯を6基設置。観客席は約3600席、臨時外野席は800人を収容する。室内練習場はZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Readyの認証取得を目指す。
神事では鎌入れを久米設計の藤澤進社長、鋤入れを阪神電鉄の秦雅夫会長と久須勇介社長、阪神タイガースの杉山健博オーナーと百北幸司社長、尼崎市の松本眞市長と森山敏夫副市長、鍬入れを熊谷組の櫻野泰則社長と若林誠常務執行役員関西支店長が行った。
久須社長は「ここからスター選手が育ち、チームを日本一に導くことで関西経済の発展に貢献できるはずだ」、松本市長は「野球場が周辺と調和し、地域に愛される公園となることを願っている」と期待を込めた。櫻野社長は「市の新たなにぎわい拠点作りのため、無事故・無災害で期待に応えたい」と抱負を語った。
□遠藤孝治所長(熊谷組)の話
「非常に注目度の高い工事。野球施設ならではの制約を考慮しつつ、安全施工に努める」。
日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎の完成イメージ

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インフラメンテ国民会議近畿本部/大阪市でフォーラム開く、最新技術が集結

インフラメンテナンス国民会議、国土政策研究会関西支部、同国民会議近畿本部フォーラムの主催による「近畿本部フォーラム2023」(後援=国土交通省、日刊建設工業新聞社ほか)が18日、花博記念公園鶴見緑地(大阪市鶴見区)のハナミズキホールで開幕した。約100の企業・団体が8分野に分かれて新技術などを展示。屋外では建機や先進技術の実物展示・デモンストレーションが行われた。会期は19日まで。これからのインフラ整備やメンテナンスを考える講演会も開かれる。入場無料。
開会式で霜上民生実行委員長(国土政策研究会理事兼関西支部長)が開会を宣言した後、佐藤寿延国交省官房技術審議官が「インフラの老朽化が加速的に進行している。このため、防災・減災・国土強靱化のための5か年加速化対策の柱の一つにインフラ老朽化対策を盛り込み、集中的に取り組んでいる。国交省としても引き続き持続可能なインフラメンテナンスの実現に向け、新技術の開発・導入促進などを進め、インフラメンテナンス国民会議の活動とも連携して取り組みを強化していきたい」とあいさつ。
渡辺学近畿地方整備局長は「インフラメンテナンスについては厳しい財政状況の下、予算の確保、地方公共団体における技術職員の不足、維持管理などさまざまな課題がある。これらを解決するためにはより戦略的で効率的なインフラメンテナンスに取り組む必要がある。産学官が一致団結して総力戦で取り組まなければならない」と訴えた。
フォーラム開催を祝い関係者によるテープカットが行われた。開会式の後には、佐藤審議官が「インフラに関する技術開発動向」をテーマに基調講演。井上智夫前水管理・国土保全局長は「インフラメンテナンスにおける新たな官民連携の推進」、国土政策研究会の脇雅史会長は「これからの日本」をテーマにそれぞれ特別講演した。
午後は、インフラメンテナンス市区町村長会議近畿ブロックの第2回総会が開かれ、国と自治体が道路の維持管理について情報共有。国交省の岩崎福久総合政策局公共事業企画調整課長が「国交省におけるインフラメンテナンスの取組」と題した基調講演、富山市副市長の美濃部雄人氏が特別講演を実施。杉浦邦征京都大学大学院工学研究科教授、奥田晃久国交省企画部長と地方自治体の首長による意見交換が行われた。
2日目は近畿整備局の奥田企画部長がインフラ整備について、2025年日本国際博覧会協会の東川直正理事・副事務総長が大阪・関西万博と交通について講演する。同午後からは近畿管内道路メンテナンス会議やセミナーなどを開催する。
展示会場では▽メンテナンス、補修・補強、更新▽保守・監視・点検▽環境保全対策▽IoT、ビッグデータ、AI活用技術・システム-などの分野で、建設会社や建設コンサルタント、関係団体などが出展。大学や高等専門学校も参加した。建設機械の実物展示やデモンストレーションも行われた。


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パスコ/3D地理空間情報データ活用へ、配信プラットフォームの提供開始

パスコは18日、3D地理空間情報の有効活用を支援するサービスとして、3D地理空間情報データ配信プラットフォーム「TerraVerse(テラバース)」の提供を始めた。独自にサーバーを構築しなくても、短期間で3D地理空間情報データの配信・活用環境を構築できるのが特徴。都市計画の施設配置・土地利用に関わる各種シミュレーションのほか、河川の3D河川管内図や災害時緊急撮影データの閲覧、BIM/CIMなどでの活用を想定している。
テラバースは、米国スカイライン社の地理空間情報データ管理・配信環境構築用ソフトウエア「スカイライングローブ・サーバー」を活用した3D地理空間情報データ配信プラットフォームサービス。スカイライングローブ・サーバーを購入・構築しなくても、同様の機能をサービスとして利用できる。
多様なデータの保存・管理・変換・配信サービスを提供。2D・3D地理空間情報データや写真・画像、CAD、BIM/CIMデータなどが保存できる。保存したデータは全て自動的にカタログ化され、任意のレイヤーを簡単に検索できる。
テラバースから配信されるデータは、スカイライン社製の3Dビジュアライゼーションソフトウエア「テラエクスプローラー」シリーズなどで利用可能。同シリーズで利用する場合、インターネットで公開されているオープンデータも読み込み、重ね合わせができる。
テラバースの提供開始と同時に、スカイライン社製「テラエクスプローラー・フォー・デスクトップ」のオプションとして、河川、砂防の業務支援オプションの提供も始めた。国土交通省「河川管理用三次元データ活用マニュアル(案)」で求められる3Dビューアの機能の一部を、パスコの業務経験を踏まえ強化したもの。河川維持管理や砂防施設管理に必要な機能を搭載している。
テラバース利用のイメージ(報道発表資料から)

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回転窓/難局下での広島サミット

19日に先進7カ国首脳会議(G7サミット)が広島市内で開幕する。コロナ禍による混乱や広がりつつある金融不安、カーボンニュートラル対応など課題は山積みだ▼最重要テーマの一つが法の支配に基づく国際秩序の堅持。ロシアによるウクライナ侵攻や中国による台湾周辺での軍事的威圧などが現実問題として突きつけられている。それは一部地域に限ることではない▼戦時下とも言える中で開かれる今回のサミット。開催地の広島市は、1945年に人類史上初めて原子爆弾が使用され甚大な被害を受けた。当時の人口の約4割に当たる約14万人が、その年のうちに亡くなったとされる▼「広島は戦争の悲惨さと平和による繁栄の二つのメッセージを有している」とは、湯崎英彦広島県知事の言葉。岸田文雄首相は平和記念公園で各国首脳を出迎え、米国のバイデン大統領らと原爆資料館を訪問する予定だ▼情報通信が発達した現在だが、その場に立たないと感じられないことは多く、被爆地でサミットが開かれる意義は大きい。先進国が、どう世界を主導していくのか。平和への道を切り開くリーダーシップに期待したい。


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ミズノ/ワークジャケット・パンツ発売/綿100%、高い伸縮性で動きやすさ追求

ミズノは、機能性に優れる綿100%生地で仕立てた「ワークジャケット・パンツ」=写真(報道発表資料から)=を20日に発売する。素材メーカーの日清紡テキスタイル(東京都中央区、村田馨社長)と約2年をかけて共同企画。20%以上のストレッチ性と95%以上のキックバック性(伸びて戻る)だけでなく、ポリウレタンやポリエステルなど合成繊維のような機能性も実現した。ミズノ独自のウエア設計「ダイナモーションフィット」を採用し、動きやすさも追求した。発売1年間でワークジャケット、ワークパンツ合計で3000枚の販売を目指す。
今回採用する綿100%生地は、表面と裏面の縦糸で伸縮性のある特殊な横糸を包み込むような二重織構造を採用。セルロースの分子構造まで踏み込んだ液体アンモニア加工と改質加工(樹脂加工)を施し、ストレッチ性とキックバック性を高めた。
「ワークジャケット・パンツ」ミズノ

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全建協連/工事書類作成で技術者の負担把握へ、群馬・長野など4建協で実態調査

 全国建設業協同組合連合会(全建協連)の青柳剛会長が16日に東京都内で開いた通常総会後に会見し、地域の建設会社で働く技術者の時間外労働削減に意欲を示した。群馬県建設業協会が4月に実態を調べた工事書類の作成にかかる技術者負担に着目。青柳氏の呼び掛けで6月に長野、滋賀、鹿児島3県の建設業協会でも同様の調査を行い、7月上旬にも一斉に結果を発表すると表明した。業界共通の課題として幅広く共有し発信することにより、発注者側の改善を着実かつ速やかに促す狙いがある。
 長野、滋賀、鹿児島の3建協が6月に行う調査の項目設定などは、青柳氏が会長を務める群馬建協が4月13~24日に本部会員269社を対象に実施した「働き方改革実現に関するアンケート調査その3」を参考にする。群馬建協の同調査は会員企業で働く技術者が書類作成によってどのくらい時間外労働が発生しているか、どのような内容の書類作成に時間がかかっているのかなどを設問項目にしている。群馬建協の調査結果は25日にも公表する予定。
 青柳氏は2024年4月に迫る時間外労働の罰則付き上限規制適用に対応するため、技術者の時間外労働を招く工事書類の作成時間などの負担を問題提起。16日の会見では、全国展開する大手・準大手のゼネコンなども同様の課題を抱えていると指摘した。課題解決には従来の発想にとらわれない工期設定の考え方が必要になるとし、現場作業の実質的な工期に書類作成時間など事務作業の工期を上乗せする「書類作成工期」を設けるよう提案している。
 青柳氏は全国建設業協会(全建)の労働委員長も務めている。全建のネットワークも生かし、書類作成の負担に関する実態調査の範囲をさらに他の都道府県にも広げていく意欲を見せている。



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2023年5月18日木曜日

長大/フィリピンで派遣事業本格化、高度技術人材を育成紹介・DB構築も

長大は海外で活動する日系企業などを対象に、フィリピンの技術系人材を紹介・派遣する事業に乗り出す。同社が資本・業務提携する同国の人材紹介・派遣会社2社を通じて、日系企業の海外プロジェクトなどに人材を供給する。今後、登録人材への日本語教育の実施や人材データベース(DB)の構築などを検討しており、高度技術人材の育成と供給を目指す。
フィリピン現地子会社の長大フィリピンは、2022年に国内外に人材を紹介するフィリピンのフィルノス社と、主に同国の日系企業を対象に人材を派遣するノスフィル社の発行済み株式をそれぞれ25%取得。2社の会長に長大経営企画部の松本晃佳マネージャーが就いた。
2社には機械・建設エンジニアや技能職を中心に、700種以上の職種で8261人(4月時点)が登録する。フィリピンは英語が公用語なので同国内はもちろん、英語が必須となる海外プロジェクトなどにも人材を供給できるのが強みだ。
今後は日本への送り出しを強化し、人材が不足する介護などの分野に供給する。今後3年程度で日本語教育を実施したり、長大が技術面で育成を支援したりして質の高い人材の供給体制を整える予定。ワーカーの供給だけでなく、「高度技術人材の育成や発掘にも注力する」(松本氏)考え。登録人材のDBも構築し、外部人材サイトとの連携機能や採用管理機能などを持たせることでより人材サービスの質を高める。
登録人材は、人・夢・技術グループの企業や長大の国内外の事業でも活躍してもらう。海外プロジェクトのうち主に施工監理業務などに登用し、同社の海外事業を強力に推進する。日本では長大が地方創生の一環として取り組む、北海道更別村のスーパービレッジプロジェクトなどで介護や看護補助要員としての育成・供給を視野に入れる。長大の永冶泰司代表取締役会長は「当社が登録人材の技術教育に携わることで、人材に付加価値をつけることもできる」と意欲を見せる。
少子高齢化が加速する日本では人材不足が深刻な課題となっている。一方、フィリピンは平均年齢が26歳(22年時点)と若い労働者が多く、加えて慣習的に海外で働くことへの抵抗が少ない。長大は同国が持つ人材供給源としての高いポテンシャルに着目。自社事業の円滑な推進を含め、人材ビジネスの展開を目指す。

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大林組ら/建設工事向けAI気象予測サービス開発着手、効率的な施工管理支援

大林組は大阪ガスと共同で「建設工事向けAI気象予測サービス」の開発に着手した。大阪ガス独自の気象予測と、現地の気象観測データを学習したAIを組み合わせた高精度でピンポイントな気象予測情報を建設現場に提供する。クレーン作業やコンクリート打設などの工程を気象条件に応じて調整し、工事の品質と安全を確保。効率的な施工管理を支援する。
同サービスは、AI技術を駆使した高精度な気象予測情報を建設現場の各種作業に応じて、適切なリードタイムで活用しやすく加工して提供する。例えば労働安全衛生法(安衛法)に基づくクレーンの安全規則では、クレーン作業を中止しなければならない風速条件が定められている。数日前に一定時間ごとの平均風速予測の情報を「クレーン作業指数」として提供することで、事前の工程変更の判断が容易になる。
施工管理の支援情報は、施工管理者が利用するチャットツールに通知。作業関連の注意案内は朝礼広場のデジタルサイネージで作業員へ周知するなど、目的に合った効果的な情報共有の方法も検討する。
両社は今後、大阪・関西万博の開催地となる大阪市此花区の「夢洲」で実証実験する。実測の現地観測データとの比較などで有用性を評価する。得た成果をほかの建設工事にも広く展開、活用したい考えだ。
建設工事は雨天時に品質低下を避けるため屋外でのコンクリート打設延期や、強風時につり荷があおられるためクレーンを使った荷揚げ作業の中止など、気象条件に合わせて工程を調整し、工事の品質と安全を確保する必要がある。


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JR西日本ら/23階6万平米の大阪駅新駅ビルが上棟、施工は大林組JV

JR西日本と大阪ターミナルビルが大阪駅西側で建設を進めている新駅ビルの鉄骨工事が完了し、16日に上棟した。今後は内外装や設備などの仕上げ工事が本格化し、大阪駅の開業150周年に当たる2024年秋のオープンを目指す。施工は大林組・大鉄工業JVが担当する。JR西日本らは同日、新駅ビルの名称が「イノゲート大阪」に決定したと発表した。
上棟式には同社の長谷川一明社長、大阪ターミナルビルの平野賀久社長をはじめ、施主や設計、施工の関係者が出席。鉄骨の梁にボルトを装着する「鋲(びょう)締めの儀」や「鋲打ちの儀」、クレーンで梁を最上階までつり上げる「鉄骨揚重」を行い、無事完成を祈った。
新駅ビルの内部も報道公開された。新駅ビルは大阪駅北口にあるノースゲートビルと大阪ステーションシティ駐車場の間に位置し、2階の通路で接続する。ビル名は「イノベーション(革新)」と「ゲート(入り口)」を掛け合わせた造語で、新しいビジネスを生み出す拠点になることを目指す。
規模はS一部SRC造地下1階地上23階建て延べ約6万平方メートル。2階にエントランス、3~5階に飲食店街、9階以上にオフィスフロアが入る。地下1階で3月に開業した西口改札と直結し、2期開発が進む「うめきたエリア」にもアクセスできる。
9、10階は「フレキシブルオフィス」とし、外資系企業やベンチャー企業などのニーズに対応した多様な働く場を提供。11階には18人から最大126人まで入れる12室のスペースを用意する。6階にカフェやラウンジ、雑貨店を設ける。
設計はJR西日本と大林組、監修はジェイアール西日本コンサルタンツ・東畑建築事務所JVがそれぞれ担当する。
JR西日本の長谷川社長は「『イノゲート』には自由で明るい前向きな気持ちを込めている。大阪・関西のさらなる発展に貢献していくことを信じている」と期待を込めた。設計・施工者を代表して大林組の村田俊彦副社長執行役員大阪本店長は「竣工まで安全第一で工事を進め、高品質なビルを完成させる」と決意を述べた。


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ヨドバシ仙台第1ビル(仙台市宮城野区)/6月2日開業/設計・施工は鹿島

家電量販大手のヨドバシホールディングスは、JR仙台駅東口(仙台市宮城野区)に整備していた大規模複合施設「ヨドバシ仙台第1ビル」を6月2日に開業する。S造地下1階地上12階建て延べ7万6500平方メートルの規模。1~6階が店舗、6~9階が自走式駐車場で、9~12階はオフィスフロアになる。鹿島の設計・施工で2021年11月に着工していた。
建設地は榴岡1の3の1ほか(敷地面積1万5430平方メートル)で、仙台駅東口のペデストリアンデッキを拡張し、ビルの3階部分と接続している。企業版ふるさと納税制度を活用しペデストリアンデッキの拡張とともに、高速バス発着場の整備や歩行者動線の改善、エスカレーターの設置など周辺地域の活性化につながるインフラ整備も実施した。
同ビルは仙台市の都心再構築プロジェクトに位置付けられているだけでなく、エリア一帯が20年9月に国の特定都市再生緊急整備地域に指定されている。東北最大級の家電量販店に加え、飲食や衣料などの店舗が入り、公共空間も機能が充実する。駅東口エリアの新たなランドマークとして、にぎわい創出の先導役を務めることになる。
6月2日に開業するヨドバシ仙台第1ビル=仙台市宮城野区、5月17日撮影

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回転窓/価格変動への対応いかに

久しぶりに寄った中華料理のチェーン店でチャーハンが販売中止になっていた。鳥インフルエンザ流行の影響による鶏卵の原料不足が理由。思わぬところで卵不足の問題に直面する格好となった▼帝国データバンクの調査では4月5日時点で、上場する外食大手100社のうち28社が今年に入り卵メニューの提供を取りやめた。卵の流通量の激減とともに価格の高止まりが経営を圧迫している▼JA全農たまごによると、4月の1キロ当たり卸値の平均基準値(Mサイズ、東京地区)は前年同月比139円高の350円と3カ月連続で上昇。4月では記録が残る1954年以降、最も高くなった。食品スーパーでは値上がりが顕著で家計のやりくりも一段と厳しくなっている▼建設業界も資機材価格の高止まりが続く中、ゼネコン各社の2023年3月期決算を見ると利益水準を押し下げた企業が少なくない。今後も価格高騰を警戒し、物価変動に対応した契約交渉に取り組むことが求められる▼中央建設業審議会(中建審)らの基本問題小委員会では価格変動への対応の在り方も検討課題の一つ。近く始まる議論の行方に注目したい。


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秋田県/新県立体育館整備(秋田市)財源・規模両立案提示、建設費170億円に

 秋田県は八橋運動公園(秋田市)を有力候補に検討している「新県立体育館整備」の計画について、施設規模と財源を両立した案を17日に開いた基本計画検討委員会(第3回)に提示した。延べ床面積を1・7万平方メートル程度(アリーナ席数6000人以上)に抑えることで、建設費は170億円と規模重視案(整備費200億円)に比べ30億円削減できる。
 財源は県の自己負担と総務省の普通交付税(公共事業等債)、国土交通省の社会資本整備総合交付金で検討している。国の社会資本整備総合交付金を活用し、交付金を除いた県の負担額は96億円(うち公適債対象66億円)と想定している。新県立体育館はプロバスケットボールの施設基準を満たしたアリーナ、体育館、スポーツ医療・科学拠点などで構成する。
 体育館の建設場所は、既存運動施設の移転が生じず、想定規模の用地が確保できることから、現体育館北東の丘周辺を検討している。
 会合ではスイート・ラウンジなど新機能や駐車場なの建設場所についても議論した。現体育館やスポーツ科学センター、気象台の跡地を活用して整備する。



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JR西日本ら/23階6万平米の大阪駅新駅ビルが上棟、施工は大林組JV

 JR西日本と大阪ターミナルビルが大阪駅西側で建設を進めている新駅ビルの鉄骨工事が完了し、16日に上棟した。今後は内外装や設備などの仕上げ工事が本格化し、大阪駅の開業150周年に当たる2024年秋のオープンを目指す。施工は大林組・大鉄工業JVが担当する。JR西日本らは同日、新駅ビルの名称が「イノゲート大阪」に決定したと発表した。
 上棟式には同社の長谷川一明社長、大阪ターミナルビルの平野賀久社長をはじめ、施主や設計、施工の関係者が出席。鉄骨の梁にボルトを装着する「鋲(びょう)締めの儀」や「鋲打ちの儀」、クレーンで梁を最上階までつり上げる「鉄骨揚重」を行い、無事完成を祈った。
 新駅ビルの内部も報道公開された。新駅ビルは大阪駅北口にあるノースゲートビルと大阪ステーションシティ駐車場の間に位置し、2階の通路で接続する。ビル名は「イノベーション(革新)」と「ゲート(入り口)」を掛け合わせた造語で、新しいビジネスを生み出す拠点になることを目指す。
 規模はS一部SRC造地下1階地上23階建て延べ約6万平方メートル。2階にエントランス、3~5階に飲食店街、9階以上にオフィスフロアが入る。地下1階で3月に開業した西口改札と直結し、2期開発が進む「うめきたエリア」にもアクセスできる。
 9、10階は「フレキシブルオフィス」とし、外資系企業やベンチャー企業などのニーズに対応した多様な働く場を提供。11階には18人から最大126人まで入れる12室のスペースを用意する。6階にカフェやラウンジ、雑貨店を設ける。
 設計はJR西日本と大林組、監修はジェイアール西日本コンサルタンツ・東畑建築事務所JVがそれぞれ担当する。
 JR西日本の長谷川社長は「『イノゲート』には自由で明るい前向きな気持ちを込めている。大阪・関西のさらなる発展に貢献していくことを信じている」と期待を込めた。設計・施工者を代表して大林組の村田俊彦副社長執行役員大阪本店長は「竣工まで安全第一で工事を進め、高品質なビルを完成させる」と決意を述べた。



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福岡県鞍手町/統合小学校建設地は剣南小敷地、従来方式で23年度内に設計者選定

 福岡県鞍手町は小学校6校を1校に統合する「鞍手町立小学校統合基本計画」の案をまとめた。校舎や付帯施設など施設規模は総延べ約1万1290平方メートル。建設計画地は剣南小学校敷地(中山、約3万6100平方メートル)。造成工事などを除く建設費は59億円(税込み)と試算した。事業手法は従来方式で行い、2023年度中に基本・実施設計業務の委託先を公募型プロポーザルで選定する。24~25年度に設計を行い、26年度の着工、28年4月の開校を目指す。
 案によると計画学級数は6学年4学級の24学級と特別支援学級5学級で、児童数約700人。
 施設配置は北側に校舎や体育館、南側にグラウンドを配置。新校舎は3階建てで計画し、木造を推奨する。計画所要室の規模は▽教室約2300平方メートル▽特別教室約1020平方メートル▽多目的機能約1010平方メートル▽管理約1210平方メートル▽共用約3390平方メートル▽体育館約1160平方メートル▽プール約60平方メートル。
 多目的機能として、生活動線の中心に図書館を配置、階段形式のホール、多目的に使える集会スペース、校舎で囲われた安全な屋外空間などを想定している。プールは建物上部に設置することも検討する。環境配慮方針としてZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Ready以上の認証取得を目指す。
 付帯施設として給食調理場約590平方メートルと放課後児童クラブ約550平方メートルを整備する。グラウンドは150メートルトラックを設ける。
 事業手法は従来方式と設計・施工一括(DB)方式、PFIのBTO(建設・移管・運営)方式を比較した結果、DB方式やBTO方式では目標とする開校時期に間に合わなくなる可能性があると判断し、従来方式が最も適切とした。
 基本計画策定支援業務は昭和設計が担当。



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下北医療センター/むつ総合病院新病棟建設(青森県むつ市)、10月に1期工事公告

 本州最北端の下北半島に位置する青森県むつ市で、大規模病院の建設がスタートする。5市町村(むつ市、大間町、東通村、風間浦村、佐井村)で構成する一部事務組合下北医療センター(管理者・山本知也むつ市長)はむつ総合病院の敷地北西側に延べ約2万3000平方メートル、病床数計330床の病棟を新築する計画で、1期工事の一般競争入札(総合評価方式)を第3四半期に公告予定。年内に契約し、2024年1月の準備工、同4月の本工事着手を目指している。工期は約50カ月。
 実施設計を6月に終え、同月以降に工事概要などを公表する。基本・実施設計は内藤建築事務所が担当。
 建設地はむつ市金谷1、小川町1(面積4万8017平方メートル)。新病棟(S造地下1階地上6階建て〈免震構造〉)新築、東西診療棟(RC造地下1階地上4階建て)改修の建築一式。工事の総延べ面積は約2万6500平方メートル程度に上る。基本設計によると、新病棟は1階に集中治療室(ICU)、手術室を集約する超急性期、2階に地域包括ケアやリハビリテーション施設を設ける回復期治療の各機能を配置。3~4階を一般病棟、5階は産婦人科、小児科、女性専用病棟フロアに位置付ける。
 新病棟のほか、渡り廊下A(S造2階建て延べ496平方メートル)、同B(同平屋233平方メートル)、マニホールド室(RC造平屋77平方メートル)、ポンプ室(同平屋48平方メートル)など総延べ2万3219平方メートルなども配置する。
 新病棟建設運営支援業務は病院システムが担当。



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首都高速会社/1号羽田線・大師橋大規模更新、5月27日にスライド架設着手

 首都高速道路会社は、首都高速1号羽田線「高速大師橋」(東京都大田区~川崎市川崎区)の架け替え工事で、新設橋梁のスライド架設を27日に着手する。架設直前の橋の様子を16日、報道陣に公開した。既設橋梁の下流側に仮置きしている延長約300メートル、重量約4000トンの新しい橋桁を横方向に30メートルスライドして架設。工事期間中は交通状況への影響を最小限に抑えるため、首都高速会社は6月10日までの約2週間通行止めを行う予定だ。
 高速大師橋は大田区羽田2、3丁目~川崎市川崎区殿町1丁目を結ぶ橋梁。1968年11月に開通し、上下線を合わせて1日当たり約8万台の重交通を支えている。完成から約55年が経過した橋には約1200カ所以上でひび割れが発生。多摩川の流れを阻害しないように橋脚の間隔が長く、軽量化した橋梁はたわみやすい構造となっている。
 首都高速会社は構造物の長期的な安全性の確保を目的に、橋梁の大規模架け替え工事を2018年1月に開始した。施工は大成建設・東洋建設・IHIインフラシステム・横河ブリッジJVが担当している。新設橋梁は延長は292メートル、幅員を既存の16・5メートルから18・2メートルまで拡張する。橋梁形式は鋼3径間連続鋼床版箱桁ラーメン橋。総事業費は437億円を見込み、既設橋の撤去を含め25年度に全体工事を終える予定だ。
 架け替えに当たっては計6工程に分けて整備。「横取り一括架設工法」を採用し、新しい橋桁を川下から川上に向かってスライドさせる。架設後は舗装、区画線工事といった最小限の工事を行う。工事に向けて首都高速会社の野網孝之更新・建設局事業推進部長は「高速大師橋は首都圏の交通の要だ。24時間体制で仕上げていきたい」と気を引き締めた。
 ▽高速神奈川1号横羽線大師入り口~高速1号羽田線平和島出口▽高速1号羽田線昭和島JCT~高速湾岸線東海JCT-の上下線各区間は、27日午前5時~6月10日午前5時に通行止めになる。



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2023年5月17日水曜日

戸田建設、きんそく/シールドトンネル、ステレオカメラで連続的に自動測量

戸田建設と建設コンサルタントのきんそく(京都市南区、奥野勝司社長)は、シールドトンネル工事の測量管理が効率化できる自動測量技術を共同開発した。対象物を二つのカメラで同時に撮影し奥行き方向(距離)の情報も記録するステレオカメラを使い、撮影したシールド機内の画像を解析する。掘進中も連続してシールド機の位置、姿勢が把握できる。
シールド工事で自動測量を行う場合、坑内に自動追尾型の測量機器(トータルステーション)を設置し、後方の基準点とシールド機内の少なくとも2点のターゲットを見て測量。掘進が進んで距離が離れ過ぎた場合や曲線部の施工では測量機器でターゲットを視準できず、測量機器を盛り替える手間が生じていた。
開発した自動測量技術「MWMS(マームシステム)」はステレオカメラを使用し、シールドジャッキ端部とシールド機本体に設置した複数個のマーカーを自動で撮影。画像を解析しシールド機の位置(平面・垂直座標)と姿勢(水平向き、傾き)を測量する。
ステレオカメラをシールド機後方の追随設備に固定することで、測量機器を盛り替える手間が省け、走行台車との接触などで測量機器自体の配置が困難だった比較的小断面のトンネルにも適用できるようにした。
掘進とセグメント組み立て作業中に、尺取り虫のように伸縮を繰り返すシールドジャッキの動きに合わせ基準点を入れ替え、前後のマーカーを捉え続ける。測量頻度を自由に設定でき、連続測量が可能なため施工精度も向上する。同社のシールド工事現場でシステムの実証実験を行い、実用可能性を確認した。
機内計測イメージ(報道発表資料から)

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首都高速会社/1号羽田線・大師橋大規模更新、5月27日にスライド架設着手

首都高速道路会社は、首都高速1号羽田線「高速大師橋」(東京都大田区~川崎市川崎区)の架け替え工事で、新設橋梁のスライド架設を27日に着手する。架設直前の橋の様子を16日、報道陣に公開した。既設橋梁の下流側に仮置きしている延長約300メートル、重量約4000トンの新しい橋桁を横方向に30メートルスライドして架設。工事期間中は交通状況への影響を最小限に抑えるため、首都高速会社は6月10日までの約2週間通行止めを行う予定だ。
高速大師橋は大田区羽田2、3丁目~川崎市川崎区殿町1丁目を結ぶ橋梁。1968年11月に開通し、上下線を合わせて1日当たり約8万台の重交通を支えている。完成から約55年が経過した橋には約1200カ所以上でひび割れが発生。多摩川の流れを阻害しないように橋脚の間隔が長く、軽量化した橋梁はたわみやすい構造となっている。
首都高速会社は構造物の長期的な安全性の確保を目的に、橋梁の大規模架け替え工事を2018年1月に開始した。施工は大成建設・東洋建設・IHIインフラシステム・横河ブリッジJVが担当している。新設橋梁は延長は292メートル、幅員を既存の16・5メートルから18・2メートルまで拡張する。橋梁形式は鋼3径間連続鋼床版箱桁ラーメン橋。総事業費は437億円を見込み、既設橋の撤去を含め25年度に全体工事を終える予定だ。
架け替えに当たっては計6工程に分けて整備。「横取り一括架設工法」を採用し、新しい橋桁を川下から川上に向かってスライドさせる。架設後は舗装、区画線工事といった最小限の工事を行う。工事に向けて首都高速会社の野網孝之更新・建設局事業推進部長は「高速大師橋は首都圏の交通の要だ。24時間体制で仕上げていきたい」と気を引き締めた。
▽高速神奈川1号横羽線大師入り口~高速1号羽田線平和島出口▽高速1号羽田線昭和島JCT~高速湾岸線東海JCT-の上下線各区間は、27日午前5時~6月10日午前5時に通行止めになる。
架け替え間近の新しい高速大師橋

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施工管理技士/22年度は1級2・4万人、2級3・3万人誕生

建設業法に基づく施工管理技術検定で2022年度に誕生した技士は1級で2万4457人(前年度比10・2%減)、2級で3万3121人(9・5%減)だった。第1次検定に合格し「技士補」の資格を取得したのは1級で5万3560人(9・1%増)、2級で7万1829人(9・1%減)。1級の第1次検定だけが受験者数、合格者数ともに前年度実績を上回る結果となった。
技術検定は監理技術者や主任技術者になれる国家資格「施工管理技士」を取得するための試験。
受験者数は1級の第1次検定が11万2598人(8・0%増)、第2次検定が5万9734人(1・2%減)。2級の第1次検定は13万1805人(3・9%減)、第2次検定が6万6027人(7・0%減)だった。
21年度から2級の第2次検定合格者は実務経験年数に関係なく1級の第1次検定を受検可能となった。1級の第1次検定だけを受験したのは1万0997人(16・9%増)で、受験者数の増加要因となっている。
1級、2級ともに女性の受験者は増加傾向にある。全試験で合格者の女性比率が過去最高を更新。1級の第2次検定を除いた試験で女性の合格者数も過去最多となった。第1次検定受験者の女性比率は1級が5・2%(0・5ポイント増)、2級が10・8%(1・1ポイント増)。第2次検定合格者の女性比率は1級が6・6%(0・3ポイント増)、2級が11・3%(2・1ポイント増)だった。
24年度からは技術検定の受験資格を見直し、第1次検定は学歴差を撤廃し門戸を広げる。1級の第1次検定は例外なく19歳以上で受験可能となり、受験者数はさらに増えるのではないかとみられている。


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土木学会/第30回映画コンクール受賞作品決定/最優秀に万才谷排水トンネル工事

土木学会(上田多門会長)は、第30回映画コンクールの受賞作品を決定した。最優秀賞には飛島建設白山甚之助III期作業所(石川県白山市)が企画し、創映舎が今年製作した「もう一つの白山-通水編-甚之助谷地すべり対策万才谷排水トンネル工事」を選出した。
白山甚之助谷地滑り対策の万才谷排水トンネル工事を2010年の着工から昨年のトンネル通水に至る過程を記録した作品。現場は石川と岐阜の両県にまたがる標高2000メートルの白山国立公園内にあるため、厳しい施工条件で環境保全に配慮した工事の様子を紹介している。
同コンクールは2年ごとに実施している。優秀賞(一般部門)には「繋げる~赤い鉄橋を蘇らせた工事の記録~」(企画・東急建設、制作・東急建設、上田ケーブルビジョン)、優秀賞(技術映像部門)には「鹿島港プロジェクト 波浪との闘い」(企画・東亜建設工業、制作・スモールフィルム)が選ばれた。
最優秀賞のイメージ(土木学会提供)

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