
東京都は山間道路近くの斜面に設置した崩落防止構造物の経年劣化対策を強化する。これまで対策を講じていたグラウンドアンカーに加え、のり枠、モルタル吹き付け、擁壁などにも対象を拡大。設置された場所や年数などを調べ、老朽化対応が必要な構造物の洗い出しを進める。併せて点検時に用いるマニュアルも策定する予定だ。
都は自然災害が激甚化し多発する中、都民の安全安心な生活を支えるため経年劣化対策の対象構造物を広げる必要があると判断した。2023年度予算でグラウンドアンカー以外の構造物の基礎調査やグラウンドアンカーの改修などの経費に約7億2000万円を確保した。
基礎調査は22年度に開始しており、「1年や2年では終わらない」(都担当者)ため23年度も継続する。対象地域は、奥多摩町や檜原村がある西多摩地域のほか、八王子市などがある南多摩地域、島しょ部など。のり枠、モルタル吹き付け、擁壁などの施工箇所や設置年数などを精査する。
都はグラウンドアンカー以外の構造物を点検する時に使うマニュアルも整備。国や高速道路会社も斜面に設置した構造物の点検を行っているという。「いろいろな点検基準がある。東京都の実態に適した内部で検討している」(同)。
...