風車や鉄塔向けに昇降設備の設計・製造を手掛ける櫻井技研工業(愛知県春日井市、安藤峰之代表取締役)が、鉄塔を楽に登れる「電動アシスト昇降機」の開発に取り組んでいる。従来のエンジン式の昇降補助装置をバッテリー式に換えることで、電源に発電機の準備が不要となる。安全面では緊急停止や挟み込み防止機能を付け加えた。試作機で安全性や機能を確認した。年度内の市販化を目指す。 電動アシスト昇降機は、専用レールに取り付けて使用。一定の荷重がかかることでモーターが動き昇降する。安全面では稼働中に指が挟まれない仕様で設計した。重量は1人で持ち運びと設置ができることを目的に、試作機の段階で25キロ。大きさは幅と奥行きが25センチ、高さ55センチほど。さらなる軽量化を図り、20キロ前後を目指している。 実証実験は、東光電気工事のつくばセンター(茨城県つくばみらい市)で行い、安全性や有効性を検証した。昇降機を使うと、使わない場合と比べ昇降時間が半分となり負担を軽減。昇降できる距離が2~3倍に伸びることも確認した。バッテリーも持続し、機械も故障せず正常で安全に稼働した。 実際に電動アシスト昇降機を使った70代と40代の作業員は「いつもより楽に登れた。これがないと負担が大きい。登ることが原因で人が入らない」「半分の力で昇降でき、圧倒的に楽になる」と効果を実感した。 今回実証した電動アシスト昇降機は、24~26日に大阪市住之江区のインテックス大阪で開かれる日本電設工業協会(電設協、山口博会長)主催の「JECA FAIR2023・第71回電設工業展」に出展する。東光電気工事のブースで体験会を実施する予定だ。 鉄塔架線作業は素登りが一般的で登り切ると集中力が下がり、不安全行動や不安全状態での作業となって危険を伴ってしまう。作業員の高齢化も進んでおり、鉄塔を登る負担を考え仕事を続けられないケースも少なくない。鉄塔工事用昇降機は、昇降機設備のためのレール敷設が鉄塔の設計に影響するほか、コストの問題があった。
体重を預けることで昇降機が動く source https://www.decn.co.jp/
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