2023年5月30日火曜日

回転窓/カツオの旬

初夏の季節感を表現した句として知られる〈目には青葉 山ほととぎす 初鰹(はつがつお)〉(山口素堂)。この時期に視覚・聴覚・味覚の観点から人々が好んだものを詠んでいる▼カツオの旬は一年に2回ある。春から夏にかけて黒潮に乗って北上する初鰹、秋に南下するものを戻り鰹などと呼ぶ▼産地と言えば、郷土料理のたたきが有名な高知を思い浮かべる。総務省の家計調査で、1世帯当たりのカツオの年間消費量(2020~22年平均)は高知市が金額・量(7425円/4182グラム)ともに1位。2位の福島市(3151円/1647グラム)以下を大きく引き離す▼都道府県別の漁獲量(農林水産省21年調査)で高知県は1万8894トンの3位。1位の静岡県(8万6020トン)は遠洋漁業の基地である焼津漁港を中心に、冷蔵・加工施設が多く、東京や名古屋など大消費地に近いこともトップの要因のようだ▼太平洋の中西部海域全体でのカツオの資源量は今のところ維持されているという。資源枯渇に将来陥らないよう、関係国らが長期的な管理目標の設定で昨年末に合意した。持続可能な漁業で日本の食文化を守ってほしい。


source https://www.decn.co.jp/

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