2023年5月23日火曜日

大成建設/自律制御型ブルドーザーを開発、土砂山検知し自ら押し土経路決定

大成建設が自律制御型のブルドーザーを開発した。2021年開発の自動運転建機「T-iROBO Bulldozer」の機能を拡張。レーザーで形状を検知するLiDAR(ライダー)やステレオカメラなどのセンシング機能を付加した。盛り土工事などでダンプトラックから排土された土砂山を検知し、自ら押し土経路を決定。土砂の押し出しと敷きならし作業を自律制御で行う。

ブルドーザーに搭載した各種センサーの機能を連携し、前方に排土された土砂山の位置や大きさ、形状などを約90%の精度で検知する。取得した情報を基に経路や回数など最適な押し土方法を自ら決め実行する。事前に入力したプログラムやアルゴリズム通りにしか動作しない「自動運転」で課題だった土砂山の位置ずれに伴う空振りなどを回避し作業を効率化する。
センシングによる土砂山検知機能に加え、3D設計データを登録したマシンコントロールが行うブレード自動調整などの管理技術を組み合わせることで、サイズが大きい土砂山でもスタックを回避した整地作業が可能。土砂山の高さが基準高を超える場合、土砂山の上部を崩してから作業を開始するなど、状況に応じて多彩なブレード制御が行えることも大きな特徴だ。
土砂山に含まれる規格外の礫や岩を発見し通知するAI画像センシング機能も備え、使用材料を適正化して施工品質を高める。安全機能も充実。独自開発のAI検知システムと悪天候や振動に強いミリ波レーダーを搭載し、進行方向に人や障害物を検知すると即座に停止する。
同社が栃木県鹿沼市で施工している南摩ダム本体建設工事(発注・水資源機構)のブランケット施工に導入する予定だ。


土砂山センシング結果可視化画面(大成建設提供)

source https://www.decn.co.jp/

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