2023年5月19日金曜日

九州整備局山国川河川/水陸両用ブルドーザーの掘削現場公開、山国川平成大堰で

九州地方整備局山国川河川事務所は17日、1級河川山国川の平成大堰(福岡県上毛町、大分県中津市)で進める「令和4年度平成大堰掘削外工事」の現場説明会を開いた。同事務所や周辺自治体、河川協力団体から約40人が参加。国内に5台しかない水陸両用ブルドーザーの無線操縦体験などを行い、災害復旧工事などで幅広く活躍する重機への理解を深めた。
同工事の元請事業者は笹原建設(中津市)。水陸両用ブルドーザーを所有する青木あすなろ建設が水中掘削の作業で協力している。貯水池にたまる約8900立方メートルの土砂を取り除く工事で3月に着手。予定工期は31日まで。
水陸両用ブルドーザーの重量は43・5トン級。前面の大型排土板には1回当たり3・36立方メートルの土砂を積み込める。燃料タンクには最大610リットルの軽油を補給でき、10時間程度の連続運転ができる。無線操縦装置の制御有効距離は半径100メートル。
現場見学の前には青木あすなろ建設の担当者がビデオ映像を見せながら水陸両用ブルドーザーによる施工概要を説明。水深7メートルまでの掘削を通常の作業船を使った工法よりも高い精度で行うことができ、増水など現場状況に応じて迅速に退避可能といったメリットを紹介した。
参加者は河川敷に上陸させたブルドーザーの排土板を上下に動かすといった簡単な無線操縦を体験。説明会の終盤では作業中のトラブル対処法や、ブルドーザーの仕様に対する質問を寄せ、高い関心を示した。
水陸両用ブルドーザーは海岸工事や河道掘削などで幅広く活用され、施工実績は1200件を超える。
青木あすなろ建設土木技術本部環境リニューアル事業部の飯塚尚史水陸無人化グループリーダーは「国土強靱化や流域治水の推進を受け、近年は水陸両用ブルドーザーの需要も高くなってきているが、存在を知らない人も多い。PRに精力的に取り組みながら理解を広げていきたい」と話した。
水陸両用ブルドーザーは、製造元のコマツが生産を停止している。製造から40年以上が経過し老朽化も進む中、青木あすなろ建設は保有する5台を入念に点検・整備しながら使用を続ける。5台のうち3台はコマツの協力を得て、新品時の性能に戻すオーバーホールを2012~19年に実施した。

上陸する水陸両用ブルドーザー
無線操縦を参加者が体験
source https://www.decn.co.jp/

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