2024年春の開業を予定する北陸新幹線金沢~敦賀間(約125キロ)の軌道工事が完了し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は27日、福井県あわら市の芦原温泉駅構内でレール締結式を開いた。両駅間が1本のレールでつながり、東京から敦賀までの約580キロが結ばれた。両駅間には五つの駅があり、途中の構造物は高架橋や橋梁、トンネルが大部分を占める。秋にも検測車などを使った総合監査・検査を行う。
式典には斉藤鉄夫国土交通相、鉄道運輸機構の藤田耕三理事長、福井県の杉本達治知事、石川県の馳浩知事、両県選出の国会議員、沿線市町の首長ら74人が出席した。
藤田理事長は「工事は最終段階を迎えている。一層の緊張感を持って準備を進め、来年春の開業を迎えたい」とあいさつ。同機構北陸新幹線建設局の綿貫正明局長による工事施工報告に続き、斉藤国交相は「関東や関西、日本各地、さらに世界との交流がますます促進し、観光、ビジネスの両面で活性化することが期待される」と述べた。
杉本知事は「福井県では初めての新幹線。県民挙げて盛り上げたい。安全に工事を進め、確実に開業してほしい」と話しつつ、早期の全線開業を期待。馳知事は「北陸3県が1時間でつながる。一日も早く新大阪までの全線開業を目指したい。北陸は一つだ」と団結を呼び掛けた。
式典では斉藤国交相や杉本知事、馳知事ら33人が約25メートルの区間に一定間隔で立ち、「えい、えい」の掛け声とともにレンチを回してボルトを締めた。北陸新幹線建設局の横山拓広福井鉄道軌道建設所長と増田竜也敦賀鉄道軌道建設所長がレールを点検し、綿貫局長に報告した。
安全を祈願して、軌道工事を担当した名工建設、広成建設、東鉄工業、大鉄工業、シーエヌ建設、三軌建設の現場代理人8人がレールを清めた後、テープカットとくす玉開披でレール締結を祝った。最後につながったばかりのレールに軌道モーターカーがゆっくり進むと、会場から歓声が沸き上がった。
金沢~敦賀間のレール敷設は20年4月から始め、昨年10月に完了。微調整を経て、この日で固定を終えた。ロングレールを採用し、白山車両基地~加賀温泉駅間は約31キロ、加賀温泉~福井駅間は約30キロに上る。
工事の進捗(しんちょく)状況は土木と軌道が100%、駅舎は9割まで仕上がった敦賀駅を除き全て完成。電気工事は全体で8割程度まで進んでいる。
引き続き、敦賀駅の仕上げや設備工事を進めるとともに、構造物や線路を点検する監査・検査を実施。総合監査・検査や国交省による完成検査を経て、JR西日本が乗務員の訓練運転に入る。
金沢~敦賀間は12年6月に工事実施計画の認可を得て、同8月に着工した。区間内に小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふの5駅を置き、デザインは地元自治体が示したコンセプトを基に、地域の伝統や文化、歴史などを反映した。
工事延長は114・6キロ。このうち高架橋は59・2キロで全体の約52%(59・2キロ)を占める。トンネルは新北陸トンネル(19・8キロ)や加賀トンネル(5・5キロ)、第2福井トンネル(3・5キロ)など12本。橋梁は手取川橋りょう(558メートル)、第2竹田川橋りょう(311メートル)、九頭竜川橋りょう(414メートル)など298カ所に設置した。
線路を走る軌道モーターカー
source https://www.decn.co.jp/
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