2023年5月23日火曜日

回転窓/移り変わる言語表現

「うるさい」-。地域によってはこの意味がまったく異なるのだと、出張先の高知で地元の方に教えてもらったことがある。土佐弁では耳障り、煩わしいといった意味ではなく、体調が悪いことを指すのだという▼「えらい」-。こちらも優秀さを表す「偉い」ではなく、疲れて体がしんどい時に東海や関西地方などで使われる方言だ。各地に残る方言は、その場所に住み続ける人々の歴史や文化の証とも言えよう▼一方、標準語は規範的な言葉であり、全国で使われている共通語を、音韻・語彙(ごい)・語法などのあらゆる点からさらに理想的に磨き上げた言語とされる。日本の首都が京都から東京に移った明治以後、東京の言語を母体とする標準語像が確立されていく▼東京にも方言はあり、江戸言葉や多摩弁など数多い。標準語の母体となった山の手言葉も方言の一つ。敬語表現に特徴があり、代表的なフレーズは「ごきげんよう」「ざます」「あそばす」など▼標準語と見なし、使われていた言葉も時代とともに移り変わる。新たに生まれる現代語も、各地で伝わる方言も、相手を理解する上で大切なコミュニケーションツールとなる。


source https://www.decn.co.jp/

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