2023年5月23日火曜日

回転窓/酒蔵と地方創生

 地域資源である水と米が主原料の日本酒は、わが国の食文化に欠かせない。全国各地の酒蔵で生産され、銘柄ごと味わいもさまざま。国内だけでなく、海外にも愛飲家が多い▼日本酒造組合中央会によると、日本酒の2022年輸出総額は約475億円に達し、13年連続で前年を上回る。数量も約3・6万キロリットルと過去最高を記録した▼数量より輸出金額の伸び率が大きく、1リットル当たりの平均輸出価格は10年前から2倍以上に。高価格帯のプレミアムな日本酒が海外販売のトレンドのよう▼酒蔵見学で先日訪れた瀬戸酒造店(神奈川県開成町)も海外展開に力を入れる。各国の品評会で高評価を毎年受け、酒文化研究所が主催する22年世界酒造ランキングで9位に入った▼オリエンタルコンサルタンツの完全子会社となり、18年から自家醸造を再開して今期は初の単年度黒字を確保する見通し。「利益を出すのは重要だが、日本酒を通して国内外から開成町に注目が集まり、地域全体の活性化につながれば何よりだ」と森隆信代表取締役。全量小仕込みで丁寧な造りにこだわり、ブランド向上に取り組む酒蔵と地域の今後に期待したい。



source https://www.decn.co.jp/?p=152872

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