回転窓／空港の担い手の快挙

素晴らしいサービスを提供した空港スタッフを表彰する成田国際空港会社の「CS Award2022」で、藤原拓仁さん（ワールドエンタプライズ所属）が初となる2年連続の年間グランプリに選ばれた▼仕事帰りの電車内で子どもの一人が嘔吐（おうと）し動揺していた母親に声を掛け、自身のタオルで清掃を手伝った藤原さん。その後も気持ち悪そうにしていた子供にあめとお茶を渡し、下車するまで付き添ったという。後日、母親から丁重なお礼のメッセージが届いた▼国土交通省によるとコロナ禍の航空需要の減退に伴い、航空会社の地上業務を担当するグランドハンドリング（グラハン）のスタッフや保安検査員が2割ほど減った。人手不足が深刻化し国際線の再開や保安検査に影響が出ている空港もある▼同省は有識者会議で対策を検討中。11日の会合にはグラハン事業者が得る受託料の引き上げや、資格の共通化などの対策案が示された▼空港は地上業務や関連サービスのスタッフなど大勢の人により運営と運航が支えられている。職種を問わず、持続的な成長と発展に担い手確保が最重要の課題であることに変わりはない。