2023年5月24日水曜日

長谷工コーポ/技研内「音響実験棟」を公開/遮音性能実証を効率化

長谷工コーポレーションは22日、東京都多摩市の長谷工テクニカルセンター内にある技術研究所に整備した「音響実験棟」を報道陣に公開した。木造建築をはじめ、壁部材などの遮音性能を効率的に実証できる。遮音性能検証に特化した実験施設は同社初となる。
音響実験棟はS造平屋175平方メートルで高さが約17メートル。建物の一部に独自開発した環境配慮型のコンクリート「H-BAコンクリート」を使用。耐震部材として厚さ210ミリのCLT(直交集成板)パネルを設置するなど環境負荷の少ない材料を採用した。
建物内には音源室と受音室が並ぶ。作業スペースで作成した壁の供試体をクレーンでつるし、二つの残響室の間にはめ込むように設置。音源室で音を発生させ、受音室で透過してくる音を計測することで壁の遮音性能を検証する。
音源室の天井スラブには二重床などの床仕上げ材が設置でき、上側からたたいて床衝撃音レベルの低減量を測定。受音室では天井開口部に木造床などの構造床を設置して床衝撃音遮断性能も測定できる。技術研究所の岡崎充隆副所長は「さまざまな部材や工法を試行錯誤する段階で効率的に検証できる。木造建築の課題解決など研究開発を加速させていく」としている。
同日、同じ敷地内にある「長谷工マンションミュージアム」の見学会も行った。長谷工グループの創業80周年記念事業の一環で2018年に開館。九つのゾーンを体験すると、集合住宅の成り立ちから変遷、未来の在り方までが一つのストーリーとして感じられる。海外を含め専門団体の研修や学生の社会科見学などに利用され、累計1万5000人以上が訪れている。

さまざまな音を発生させる音源室

source https://www.decn.co.jp/

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